健康的な食事は、学習能力を高める
最新疫学研究情報No.51
カナダのアルバータ大学の研究チームによって、「健康的な食事は、子供の学習能力を高める」との報告がなされました。
研究チームは、最初にカナダの小学5年生5000人を対象に、食事内容や家庭環境(*親が回答)を調査しました。次に、対象者の“食事の質”を調べるためにDQI-I(*食事を評価するための国際的な指標で、スコアが高いほど食事の質がよいとされています)を用いて分析を行いました。
生徒に学習能力(読み書き)テストを行い、食事の質と学習能力の関係について比較解析した結果、DQI-Iスコアの高いグループは、低いグループに比べ、読み書き能力が優れていることが明らかになりました。果物・野菜・雑穀の摂取量が多く、飽和脂肪酸や塩分の摂取量が少ない健康的な食事を摂っているグループほど、学習能力が高まることが確認されました。
研究を指揮したPaul J. Veugelers 博士は「今回の研究では、生徒の成績が家庭の経済面だけではなく、食事の質によっても大きく影響されることが明らかになった。この研究は、子供の健全な育成のための効果的な栄養プログラムの必要性を示唆している」と結論づけています。
出典
- 『Journal of School Health 2008年4月号』