魚をよく食べる日本人は、心疾患リスクが低い

最新疫学研究情報No.52

米国のピッツバーグ大学の研究チームによって、「魚をよく食べる日本人は、心疾患リスクが低い」との報告がなされました。

研究チームは、40代の日本人(281人)と米国人(白人306人・日系人281人)の男性868人を対象に、“オメガ3脂肪酸の血中濃度”と“動脈硬化の状態”の関係を調査しました。被験者の血液や冠動脈・頸動脈を詳しく調べた結果、日本人は白人・日系人と比べ、心疾患リスクが最も低いことが明らかになりました。また、日本人の血液中のオメガ3脂肪酸の値は、白人・日系人の約2倍であることが確認されました。

研究を指揮した関川暁助教授は、「日本人の心疾患リスクが低い要因は、日本の伝統的な食習慣が血中のオメガ3脂肪酸のレベルを上げることによるもので、遺伝的な要因ではないようだ」と結論づけています。

出典

  • 『Journal of the American College of Cardiology 2008年8月5日号』
このページの先頭へ