軽いウォーキングでも健康に役立ちます
最新疫学研究情報No.28
運動による健康効果を得るためには、“30分のウォーキングを、最低でも週に5日行う”ことが推奨されていますが、北アイルランドのクィーンズ大学の研究チームによって、「週に3日でも同じような効果が得られる」との報告がなされました。
研究者は、座って仕事をする時間の多い公務員106人(40~61歳)を対象に、「30分のウォーキングを週に5日行うグループ(42人)」「週に3日行うグループ(44人)」「何もしないグループ(20人)」に分けて12週間調査を行いました(無作為割付)。
試験開始時と試験後に、被験者の血圧値・血清脂質値・BMI・ウエストとヒップのサイズ・運動能力が測定されました。(*10mのシャトルウォークテストによる)比較調査の結果、ウォーキングをした2つのグループは、最大血圧値やウエストとヒップのサイズが低下し、運動能力も向上することが確認されました。
- 週5日
- 最大血圧6mmHg低下
- 最小血圧3.4mmHg低下
- ウエスト2.5cm低下
- ヒップ2.2cm低下
- 運動能力11%増加
- 週3日
- 最大血圧5mmHg低下
- 最小血圧変化なし
- ウエスト2.6cm低下
- ヒップ2.4cm低下
- 運動能力15%増加
一方、何もしないグループではまったく効果が見られませんでした。研究者は「この研究は、座って仕事をする時間が多い人ほど、少ない運動量でも効果が得られることを証明している。ただし、長期にわたる運動効果を調べるためには、今後より多くの研究が必要とされる」と結論づけています。
出典
- 『Journal of Epidemiology and Community Health Vol.61 2007年9月号』
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