魚油のサプリメントと運動の組み合わせによる相乗効果
最新疫学研究情報No.17
オーストラリアのアデレード大学のアリソン・ヒル氏(Alison M.Hill)の研究チームによって、「魚油のサプリメントと定期的な運動の組み合わせは、どちらか単独よりも中性脂肪値・コレステロール値・体脂肪値を改善する」との報告がなされました。
研究チームは、過体重(BMI≧25)で心血管疾患のリスク要因(*高血圧か高コレステロールか高中性脂肪)の1つ以上に該当する25~65歳の男女75人を対象に、魚油のサプリメントと運動それぞれ単独の場合と、両方を組み合わせた場合の効果を調べました。被験者を「魚油(6g/日)のみ」「魚油と運動(3回/週)」「ひまわり油(6g/日)のみ」「ひまわり油と運動(3回/週)」の4つのグループに分けて(無作為割付)、12週間比較調査を行いました。
その結果、魚油は、ひまわり油に比べて中性脂肪値を大幅に低下させ、HDLコレステロール値を大幅に増加させることが明らかになりました。さらに魚油は、ひまわり油よりも血管を拡張させることが確認されました。また運動は、血管の柔軟性を改善させることが明らかになりました。魚油と運動を組み合わせると、さらに体脂肪を低下させることも確認されました。
研究者は、「魚油のサプリメントと定期的な運動の組み合わせは、体脂肪を減らして心血管や代謝における健康レベルを増進させます」と述べています。
※魚油のサプリメントはマグロから抽出されたもので、6g中にDHA260mg、EPA60mgが含まれています。また週3回の運動は、ウォーキング(年齢ごとに設定された最大心拍数の75%の負荷で歩く)を45分間ずつ行っています。
出典
- 『アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション 2007年5月号』