メニューの基本は「主食と汁物」・・・おいしい汁物づくり

ご飯と味噌汁の組み合わせは最高

ご飯と味噌汁の組み合わせは栄養学的に見たとき最高で、1日に1回は必ず食卓に用意したいものです。ご飯と味噌汁さえあれば、あとは1〜2品の野菜料理と漬物・小魚をそえるだけで立派な食事になります。ご飯と味噌汁の組み合わせがないと食事全体のバランスをとるのが難しくなり、おかずづくりが急にたいへんになるのです。極端な言い方をすれば、毎回ご飯と味噌汁を用意すれば、あれこれメニューを考えなくてもよいということになります。

また食が細くて、あまり食べられない人にとっては、力のある主食と味噌汁があれば、健康維持のための最低ラインの栄養素は何とか確保できることになります。ご飯と味噌汁の組み合わせは、最も合理的なメニューづくりの基本なのです。

味噌汁は、調理の観点から見たときにも重要な一品です。汁の中に季節のさまざまな野菜や海藻・魚貝類を入れるだけで、メニューのレパートリーを大きく増やすことができるようになります。それだけで毎日のメニューに変化をつけることができるのです。

このように味噌汁は、実に便利な汁物です。ご飯に飽きがこないように、味噌汁も飽きがこない優れた料理です。味噌汁があるだけで、どれほどメニューづくりが楽になり、健全な食事を簡単に整えられるか、その効果は計りしれません。

だしと味噌には、こだわりが大切

さて問題は、誰もが欲しくなるような味噌汁をつくることができるか、ということです。おいしい味噌汁をつくるためには、「だしと味噌」にこだわることが必要です。ここで本当のグルメかどうかの真価が問われます。

味噌汁の調理の秘訣は、ひとえに“だしづくり”にかかっています。味噌汁のだしの基本は、良質のカツオ節と昆布です。それをベースに時にはシイタケを加えたり、たまには煮干しなどを使うのもよいでしょう。

味噌は、材料を吟味した天然醸造の高級品を選びます。米味噌・麦味噌・豆味噌など、好みに合わせて用います。

だしと味噌には、お金を惜しんではなりません。味噌汁さえ上手につくれるようになれば、“味覚異常”の現代人も無条件に日本食が好きになり、食事改善がスムーズに進められるようになります。

味噌汁以外の、おいしい汁物づくり

おいしい汁物があるかどうかが、食事のよし悪しを大きく左右します。最高の汁物は今述べたように味噌汁ですが、この他にも多種類の吸物(すまし汁)やスープなどがあります。

汁物のおいしさ、特に和風の汁物の味を決定するのは、言うまでもなく“だし”です。カツオ節・昆布・干しシイタケ・干しエビ・煮干しなどの天然の素材からは、インスタントでは味わえない素晴らしいだしが取れます。汁物は、主食のご飯を引き立てる大切な脇役です。良質のだしと調味料を使い、取り合わせの具に変化をつければ、メニューのレパートリーが一気に広がります。おいしい汁物があれば、それだけで食事の満足度が高まります。

調味だしやスープストックをつくっておく――調理の工夫

調理の工夫として、時間のあるときに「調味だし」をつくっておくことを勧めます。(*カツオ節・昆布・しょう油・酒で濃いめに調味した“だし汁”をつくって冷蔵庫に入れておけば、4日〜1週間くらい保存が効きます。)

この調味だしがあれば、それを薄めるだけで、簡単においしい料理をつくることができます。薄めて吸い物にしたり、うどんやそばのつけ汁・かけ汁にしたり、根菜を煮たり、お浸しの味付けなどに使うことができます。

洋風スープを手軽においしくつくるためには、くず野菜を煮込んで野菜のスープストックをつくり、冷凍庫に保存しておきます。これをベースにすれば、栄養的に充実したコクのあるスープをつくることができます。

こうした「調味だし」や「野菜のスープストック」を常備しておけば、調理の時間を短縮することができます。忙しいときにも手抜きをすることなく、栄養的にも味覚的にも優れた食事を整えることができます。食事改善においては―「上手なだしのつくり方」をぜひマスターしてください。

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