豆類・・・主食の一部(豆類を主食に含める)

豆類による、必須アミノ酸の補給

完全な菜食にしたときの唯一の問題点は、必須アミノ酸(タンパク質)の欠乏を引き起こしやすくなるということです。この場合、豆類をしっかり摂取すれば穀類に欠けたアミノ酸が補われ、不足は解消されます。

それも主食が「精製度の低い米と雑穀」によって形成されているならば、かなりの必須アミノ酸が含まれているため「豆類」は少しでよいことになります。

しかし主食が小麦の場合には、必須アミノ酸の不足は大きくなり、それを補うためには大量の豆類が必要とされます。穀類の3分の1〜2分の1といった量を摂らなければなりません。それが補給できなければアミノ酸欠乏を引き起こし、動物食品への欲求が高まることになります。

米と雑穀を主食にした場合には、10%程度の豆類を摂るだけで必須アミノ酸の不足分は補えるようになります。それを日本人は、主として大豆から摂取してきたのです。(※何度も述べてきましたが、アミノ酸の補給は「米と豆と少量の魚」で十分です。ところが現代では米の消費量は減少し、パンやパスタ類などの小麦製品が好まれるようになっています。そのうえ豆類の摂取も減って“肉食化”が進んでいるのです。)

「大豆の発酵食品」は、民族の叡知の結晶

一般に“豆”には消化吸収が悪いという欠点がありますが、この欠点を民族的な知恵として解決してきたのが「大豆の発酵食品」です。味噌やしょう油・納豆などは、日本人の食生活に欠かすことのできない食品です。

刺身と並ぶ日本食の最高傑作の1つが“納豆”です。納豆は日本が世界に誇るべき発酵食品です。納豆は優れたアミノ酸の補給源であるだけでなく、良質のビタミン・ミネラル源でもあり、腸内細菌のバランスを正常化するなど、さまざまな効用があります。

納豆は味噌汁と同じように、毎日1回は必ず摂りたい食品です。納豆は食べる直前に冷蔵庫から出すのではなく、30分以上、常温中に置いておきます。すると納豆菌が増殖して驚くほどやわらかく、粘りも増しておいしくなります。

味噌や納豆などの大豆の発酵食品は、普通の煮豆などに比べ、はるかに消化吸収がよくなっています。こうした栄養学的な観点から、味噌や味噌を使った料理・納豆は、毎日の食卓になくてはならない食品と言えます。(※タンパク質は、一度に大量に摂取しても長時間体内でキープしておくことはできません。そのため豆類は、1日に2回は摂るようにします。)

他の豆類のメニュー

豆類のメニューとしては、多種類の煮豆や炒り豆・スープ・豆モヤシなどがあります。豆腐や湯葉・豆乳・黄粉などの大豆製品も、利用したい食品です。

豆類は適量ならば体によい必須の食品ですが、食べ過ぎるとタンパク質が腸内で異常発酵し、ガスがたまる原因になります。そうなれば肉を食べたのと同じ弊害が生じることになるので、気をつけなければなりません。

豆・種子類の中には、アーモンドやクルミなどの「ナッツ類」も含めます。ナッツ類は高脂肪食品ですので、できるだけローストしていない生のままで摂るようにします。加熱による酸化を防ぐためです。(※アーモンドやクルミなどのように生で食べられるナッツもあれば、クリやギンナンのように生では食べられないナッツもあります。)

ナッツ類は少量で栄養価の高い食品ですので、おいしいからといって食べ過ぎないようにしなければなりません。おやつとして少量つまんだり、砕いてサラダに飾ったり、すりつぶして味噌に混ぜるなどして摂るようにします。

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