旅日記 イタリア  トレヴィーゾ

6/26(火)  イタリア北部への旅はじまる

 旅も後1週間だ。今日はイタリアへもどる日。
 リュブリャーナのパークホテルもなかなか快適に滞在できた。
 最初はエアコンなしでどうなることかと思ったが、日中窓(腰窓だが120cmくらいある)のブラインドを下ろして、少し開けておくと風が通る。冷蔵庫も役立った。
 今朝は7:00に朝食室に行ったらもうやっていた。平日は6:30からなのかも。

 9:50チェックアウトする。
 空は晴れているが、少しヘンな雲も出ているし風が強い。
 10:00すぎにはリュブリャーナ駅へ。
 連休明けで駅近辺は通勤らしい人も目立つ。
 が、首都のメイン駅としてはひそやかだ。切符売場も静か。
 近くの店で水とジュースを購入。0.98ユーロ。

 5番線でヴェネツィア行を待った。
 ホームで車掌らしい人たちがお喋りしていたので、近づいて私の席がどのあたりか聞いたが、確かじゃないそうだ。
 少し遅れて入線した電車は3両編成だった。
 それも中1両はビュッフェなのだ。つまり客用の車両は2両ということ。
 当然2等の禁煙は混雑する。予約しておいてよかった。
 座席はオープン車両だったが、向かい合わせの4人席だったため、ちょっと気詰まり。
 隣りはアメリカ人男性、向かいは英国の女子高生4人組のうち2人。
 
 スロヴェニアとイタリア国境ではそれぞれ係官がパスポートチェックに来たが、ノースタンプだ。
 スロヴェニアはEUに加盟しているので問題ない。

 12:00すぎに持ってきた食料で昼食。
 14:09のところ、14:15にヴェネツィア・メストレに着いた。
 ダッシュで駅構内に行き、例の自販機で14:30発のトレヴィーゾまでのチケットを購入した。
 2.2ユーロでクレジット。

 メストレの駅もへんな風が吹いていて空は曇り。
 暑さが和らいでいるのは助かる。

 14:30は定刻発車し、14:49にはトレヴィーゾ・チェントラーレに到着。
 ここは切符の各国自販機はなくて、グレーのやつしかなかった。


トレヴィーゾ中央駅

 ホテル・コンチネンタルは駅からすぐだった。
 そうとう時代がかった雰囲気。ロビーや階段やドアの取っ手。
 チェックインはすぐにすんで、ツインのバス付きをくれた。うれしい!
 部屋に入ると、クーラーというか冷風扇がドンとあった。
 壁紙はリバティプリントだ。
 バスルームは改装してあってすっきりしている。
 クローゼットはちょっとスエた臭いがして使いたくない。
 冷蔵庫、ドライヤーにスリッパ(使い捨ての)まであった。努力している感じ。




ホテル・コンチネンタルのバー

 15:30観光に出かける。トレヴィーゾは人出が多い。
 ちょっと迷ってシニョレッリ広場についた。
 時計塔が印象的だ。
 裏に回るとインフォを発見。
 シティマップをもらい、アーゾロへのバス停について聞いてみた。
 下調べのとおりの返事だった。



 トレチェント宮殿は入口が開いていたので入った。
 写真展をやっているが、あと半分は工事中で近づけない
 天井や壁のフリースなどを少し見学して終了。


トレチェント宮殿                     下部にあるバール

 ドゥオーモへ。前面はギリシャ神殿みたいだ。
 裏から見ると別物。
 中のティッツァーノの「受胎告知」を見学する。
 0.3ユーロでライトアップし、じっくり眺めた。
 さすがにティッツァーノだ。マリアの表情がいい。
 また遠近法というか、構成が計算されている。
 その他のフレスコ画も色がきれいだ。絵葉書購入。


トレヴィーゾのドゥオーモ                 ティッツァーノの受胎告知

 トレヴィーゾの町歩きは楽しい。デジカメは休憩なしだ。


ポルティコの天井裏                    渋い階段

 ドゥオーモ前でアイスクリームを買い食い。とても美味。
 トレヴィーゾはグルメの町だ。
 まだ17:30だが、観光は明日にまわしていったんホテルにもどることにした。
 裏道を歩くと、これまた廃業しているレトロなホテルの建物を発見。
 いい感じ。映画の1シーンみたいだ。


なんとも鄙びた立ち姿!

 近くに総菜屋を見つけた。
 GASTRONOMIA ALBERTINIで白身魚のレモン風味、じゃがいも2個、ラタトゥーユに缶ビールで、7.9ユーロをテイクアウトした。夕食用。
 みんな美味しかった。特にラタトゥーユは絶妙の味だった。茄子と各色ピーマンが味わい深かった。



6/27(水)  残りのトレヴィーゾ観光

 今日は午前中トレヴィーゾを観光し、午後はウーディネに行く予定。
 6:50起床し、7:20朝食へ行った。
 明るい部屋にはすでに10人以上が食事をしていた。欧系の個人客ばかりだ。
 バウチャーにはホットビュッフェとあったが、たいしたことはない。
 果物の種類が多いのはよかったくらい。

 9:00には外出。
 前のバスターミナルの様子を下見。


朝のトレヴィーゾ 運河沿いの邸宅

 まずは運河に沿って歩き、ダンテ橋へ。風情のある風景が続く。
 トレヴィーゾは朝とても涼しい。
 犬を連れて散歩する人や通勤の人が行きかう。


ダンテ橋                            巡る運河

 路地を分け入って、サンタ・カタリーナ教会へ。
 工事中のためか、教会へは入れない。
 サンタ・カタリーナ美術館はOKだというので入場。
 英語を少し話せる女性がガイドに付いた。

 下階は一人でゆっくり見た。
 ベリーニの聖母子はエンジと濃い緑が印象的。
 バッサーノのキリスト磔はキリストの血とマリアの涙がほとばしっていた。

 そして上階はガイドが案内してくれた。
 Lorenzon家のTeresita Lorenzonが絵画を寄贈したらしい。
 トレヴィーゾの名家らしく、親族の肖像画がたくさんあった。
 1923に描かれた彼女の全身画は灰色に赤をポイントとして、とても麗しく知的で目を引いた。
 Luigi Serena(1855〜1911)の絵がたくさんあった。
 当時の貧しいイタリア庶民の姿とか、孤児とか、教会で祈る母と子など。リアリズム系。
 ガイドおすすめが、Beppe Ciardi(1875〜1932)のセガンティーニ的な風景画。
 これも平和な空気がよかった。
 美術館はまだ工事中の部分が多くて、全館オープンとなればもっといろいろ楽しめると思う。
 だが熱心に説明してくれるガイドに出会ってよかった。


サンタ・カタリーナ美術館

 次は魚市場を通る。
 続いて花や果物などの露天もある。
 買物に来ている人も多くて、狭い道はごったがえしていた。


町中に水車


魚市場                             野菜も

 Carraresi邸を見つけたが、中には入れないようだった。
 隣りのCa'Spineda館も写真に撮った。

 ロッジアらしい建物が目に入ったので行ってみた。
 やはりLoggia dei Cavalieriだった。
 12世紀に騎士のためにつくられた開廊。想像していたよりもずっと大きい。
 たいした空間だ。


トレヴィーゾのロッジア                     内壁のフレスコ画

 また路地を歩き運河を渡る。
 自転車の人も多いし、活気のある町だ。
 個人商店が流行っている感じ。

 サン・フランチェスコ教会へ。
 ダンテの息子の墓を確認。レンガづくりの大きい教会だ。

 最後にサン・ニコロ教会へ。
 ここも大きいレンガづくりで、きれいに修復されている。
 内部にはフレスコ画がたくさんあり、大きいキリスト像が描かれていた。
 顔はキリストなのだが、服装はローマの兵士みたい??
 その左隣りにはパイプオルガンがあった。
 このオルガンには絵の描かれた扉がついている。
 支える柱の下にも彫刻や絵。そして下の壁にもフレスコ画。
 入場者はほとんどいないサン・ニコロ教会だったが、ユニークな内容だった。


サン・ニコロ教会                   目をみはる内部

 12時をまわり、昼食は昨日見かけたブレークへ。
 生ハムメロンと野菜サラダと赤ワイン。
 トレイをかかえて2Fへ上がってびっくりした。
 外観は歴史ありげな建物だったが、やはりお屋敷だった。
 グリーン系の内装の広間、たぶんダイニングルームで気分よくランチ。
 他の部屋も見ると、舞台装置とか衣装の展示。
 型紙やミシン、壁にはマリア・カラスその他の写真がいろいろ貼ってあった。 
 ただものではない館だったのだ。


ダイニングルーム                    お屋敷の1F2Fがブレーク

 13:00すぎにトレヴィーゾ駅へ向かった。



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