ウンブリアへV

スポレート


2/12(月)  スポレートのドゥオーモに感激

 ペルージャの観光はおおむね終り、今日は月曜日で休館場所がほとんどだ。
 で、スポレートに日帰りしようと決めていた。
 スポレートは火曜休みが多いのだ。

 7:30前に朝食室へ行き、勝手にトースターの電源を入れた。
 ジャムトーストと餡入りのクロワッサン。30分過ぎに係の青年が現れたので、カプチーノを注文した。
 ジュースと水ももちろんいただく。
 大阪女性も現れて、少しだけお喋りした。
 やはり今日アッシジに向かうとのこと。
 今日は厳しい天候になりそうなので山上の街の観光はつらいかもね、お互いに。

 7:50そのままホテルを出て、サンタンナ駅へ。
 窓口でペルージャ・サンジョバンニまで購入。0.8ユーロと安い。
 ウンブリア中央鉄道はこの時間通学の学生が多かった。
 チケットはバリデートが必要みたいな矢印が書かれていたので、駅員にどこで刻印するのか聞いた。
 車内に機械があるとのこと。
 1番線に停車していた電車にさっそく乗り込んで、ドア近くにあった機械にチケットを差し込んだ。
 ところが、もどってこない。えー! なにこれ!?
 ちょうど通りかかった車掌らしき人に事情を身ぶり手ぶりで伝え、取り出してもらった。
 検札のハサミも入れてくれた。
 どうも機械が故障しているらしく、私の後でも同じ目にあっている女の子がいた。

 ウンブリア中央鉄道はほどほどの客を乗せ、ほぼ定刻発車。
 10分でサンジョバンニ駅に着いた。
 FSも走るのでホームの数は多いが、殺風景な駅だ。
 グレーの自販機でフォリーニョまでの金額を確認し、窓口で2.05ユーロのチケットを購入した。
 近くにCOOPがあるみたいだ。

 8:35発の電車でフォリーニョが9:05着。
 40分以上待ち時間がある。フォリーニョの駅を観察した。
 荷物預かりはある。3ユーロ〜。
 構内で電車の発車表、到着表をメモしたり、トイレに行ったりで時間をつぶした。
 バス停にも行ったが、この時間はFSしかない。
 明日のモンテファルコ行の時間を一応確認した。これはしかし、まだ迷っている。

 9:52発の電車で10:09スポレート着。
 途中Treviというよさそうな山上の町を発見。
 スポレートの駅に降り立つと、空は曇り、冷たい風が吹き始めていた。
 遠くに城塞が見える。
 バス乗場はよくわらないので、歩いて行くことにした。
 城塞方向へ行けばまちがいないだろう。
 小雨が降っている。傘をさしたりしまったりで忙しい。

 普通の道をまっすぐに行くと、10分くらいで交差点にさしかかり、右手の門をくぐった。
 オベリスクがある広場。
 サン・グレゴリオ・マッジョーレ教会は塔が印象的だ。
 いちおう中を見学。フレスコ画があった。


スポレート サン・グレゴリオ・マッジョーレ教会

 そのまままた城塞方向へと歩く。城塞の下に見えるのがたぶんドゥオーモなのだ。


まっすぐ行けば、たどりつけそう

 近道だろう石段を上った。
 濡れた石と苔と草とで時々滑り、危ない。

 この道は大正解だった。我ながらカンが冴えている。
 石段を上りきると、ドゥオーモのファサード、金色のモザイクがパッと目に入った。もう感動!
 淡いピンクの壁面にカラフルなモザイクがすばらしい。
 塔の左側では工事をしていた。右手の建物もクレーンで工事だらけだ。


スポレートのドゥオーモ

※ ガイドブックとまったく同じ写真を撮ってしまった!
だが、天候が違うので色は大違い。

 このスポレートのドゥオーモはなかがまた素敵な空間だった。
 フィリッポ・リッピと床。
 床石の模様は凝っていて楽しい。
 昔からのままの磨り減り方だ。全面。


ドゥオーモの床

 そして、なんといっても後陣のフィリッポ・リッピ(とその弟子たち)のフレスコ画は、このためにスポレートに来てよかった、と思わせる絵だった。
 「受胎告知」「聖母の死」「キリスト降誕」の3点もよい。
 上にある「聖母の戴冠」は色彩も強烈だし、図柄が際立っている。
 ブルーや赤が美しい。ぎざぎざのシュールな光線もいい。
 しばらく見とれた。他にも観光客が数人いる。
 フィリッポ・リッピの墓を探すのに苦労したが、それらしい石碑を見つけた。


フィリッポ・リッピの墓

 ドゥオーモ右のパラッツォ・アローニは内部が全体工事中だ。
 グレーでフレスコが残る建物。


メリッソ劇場? 市立博物館?

 可愛らしいサンテウフェーミア教会は閉まっていて入れなかった。

 アルボルノツィアーナ城塞には工事中のクルマが出入りしていた。


城塞入口                      レジスタンス記念碑

 城塞の見学はダメとのこと。残念。
 ぐるっとまわって塔の橋へたどりついた。


塔の橋

 橋の景観もさることながら、渓谷のようすとか自然がいっぱいで思わず深呼吸。
 梅みたいな木に花が咲いていた。
 橋を半分くらい渡ると、城塞の建物がよく見える。

 ルクレツィア・ボルジアはどの部屋で生活したんだろ?
 中を見たかったな・・・。


緑が多い

 今度はリベルタ広場をめざそう。
 サンタンサノ教会とドゥルススのアーチをチェックし、ようやくリベルタ広場に出た。


サンタンサノ教会


リベルタ広場あたりの路地

 考古学博物館へ入る。
 4ユーロと書いてあったが、フリーにしてくれた。
 目的の古代ローマ劇場をまず見学。
 博物館の展示は点数も少なく短時間で終了した。エトルリアのカーブなど。


古代ローマ劇場

 静かな街を歩いて下る。


街角にレオ様のポスター

 レストランをさがして駅方向へもどった。
 町入口の門の下にランチメニューを貼ったレストランを見つけて入った。
 LA TORTUGA
 15ユーロのランチ内容は、トマトのカナッペ、蛸のスパゲティ、スズキのアクアパッツァ、野菜サラダ、チョコケーキ、水、赤ワイン。
 これはとてもおトクだ。
 スポレートで蛸とかスズキとかいうのもなんだが、味もまあまあだった。
 ワインは白にすべきだったが、1/2出たので飲みきれず惜しいことをした。
 エスプレッソ1ユーロ。コペルトはなしだった。
 チップを1ユーロ置き、計17ユーロの昼食。
 地元の人がたくさん利用していた。

 腹ごなしに交差点を右方向へ。
 瓦に惹かれる建物が遠くに見えたのだ。


表から                             裏から

 近くに行ってみると、裏が公園になっていて、廃墟みたいな建物も残されていた。
 この瓦の家は東洋的というか、蔵に見える建物も備えていた。


廃墟

 ぼつぼつスポレートの駅へ。
 この駅にはFSの便利な自販機があったので、それでペルージャまで買った。3.7ユーロ。

 15:47発は16:06にフォリーニョ着。16:22発でペルージャに17:05着。
 ペルージャは細かい霧雨状態だ。
 FSペルージャ駅前のボックスでバスチケット購入。1ユーロ。
 人に聞いて11番のバスに乗った。
 なんだかグルグル走るので不安だったが、ようやくイタリア広場に着いた。
 ドゥオーモへ。最後の挨拶をしに入った。
 ここの内部も工事の足場で覆われていて、右側はほとんど見えない。
 付近一帯霧が立ち込めてロマンチックな雰囲気だ。

 エスカレーターでパルティジャーニ広場に下りた。
 バス窓口で聞くと、この広場からローマへのバスは、空港かティブリーナ駅行だそうだ。
 テルミニ行はないらしい。
 明日はどうしよう?

 20:00ころから外は暴風雨となった。
 冬の嵐か、まるで台風だ。凄い。
 これで明日はローマに直行する決心がついた。
 モンテファルコは先の課題に残そう。


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