ウンブリアへU

ペルージャ


2/10(土)  アッシジ→ペルージャ

 雨は上がっているが道は濡れている。
 空は雲が垂れ込めているしどうなんだろう、天気は。
 7:00に起床し、荷造り。
 7:50朝食へ。40人くらいのたぶんイギリス人でにぎわっていた。
 朝食内容も昨朝とはうってかわって、ハム、チーズ、ヨーグルトあり缶フルーツありと、えらいちがいだった。
 もちろん私の予約はコンチネンタルブレックファストなので、パンとコーヒーのみでも文句は言えない。
 ほんと、団体サマサマだ。おこぼれに預かって感謝。満足な朝食でした。

 8:30チェックアウト。
 ウニタ・ディタリア広場のバス停へ。
 バスを待つ修道女2人に、ペルージャ行のバス停はここでいいのかと聞いてみたが、わからないふう。
 近くのポリボックスに詰めている警官に聞いたら、たぶんその場所でいいとの答えだった。
 修道女に、ペルージャにはスタディに行くのか?と聞かれた。
 ペルージャは外国人留学生が多いからかも。
 
 ほどなく、8:41のバスがやってきた。ペルージャと確認して乗り込んだ。
 チケットを打刻する。

 バスは市街地を走りぬけ、雑然とした風景の中を走る。乗客は若者が多い。

 9:30ほぼ定刻にペルージャのパルティジャーニ広場に着いた。
 それらしい方角に足を向けると、Hotel Irsの矢印が見えた。
 そう新しくない商店をいくつか通り過ぎると、鉄柵の上にホテルの文字。
 石段を上ると石畳の向こうにある建物にびっくりした。
 なんと由緒ありげなヴィラがそこにはあった。すごいわー。
 ★★だから覚悟はしていたのだ。
 木の扉をぎぎっと押すと、ロビーも重厚。
 レセプションは小さい。ミケランジェロのシスティーナのパネル写真がある。
 元気な若めの女性がパスポートチェックをし、カート預かりを承諾してくれた。
 11:00以降に部屋は使えるとのこと。


3泊したペルージャのホテル イリス

 身軽になってバス停にもどり、目に付いていたエスカレーターで上へ上へと進んだ。
 途中、古代の遺跡かと思う空間があった。
 最終的に出たところは県庁の建物だ。


イタリア広場の県庁

 ここからはガイドブックの地図が大助かり。

 まっすぐ歩くと噴水が見えてきた。11月4日広場だ。
 左の大きいのがプリオーリ宮。


大噴水と大聖堂


プリオーリ宮

 インフォメーションをさがし当てて、シティマップをもらいペルージャ美術館パスのことを聞いた。
      ※ インフォメーションはプリオーリ宮の東、隊長の館あたりにあった。
 プリオーリ宮1Fの美術館受付へ行くようにとのこと。(さっきも行ったのだが)

 プリオーリ宮1Fのカウンターで、3日間のパスPERUGIA CITTA MUSEOを12ユーロで購入。
 クレジットカードは不可だった。
 ロッカーにリュックを入れ、ショルダーのみになる。

約8cm×5cm 裏にバーコード説明パンフレット
TipoB (3日券) 12ユーロ
TipoA (1日券)  7ユーロ
1日券は in quattro tra i Musei aderenti al progetto とあるので、
4ヵ所で利用できるということ?
3日券は12ヶ所の見学が可能。ただ、予約が必要なところが2ヵ所ある。

 エレベーターで3Fに上がり、国立ウンブリア美術館を見学開始。
 なかなか見ごたえのある内容だった。

国立ウンブリア美術館(プリオーリ宮内)

      ガイドブックにもあるが、
      ドゥッチョの「聖母と天使」はまあまあ。
      フラ・アンジェリコの「聖母子と天使と聖人たち」は金と青と赤が印象的だ。地面は花の絨毯。
      また、ピエロ・デッラ・フランチェスカの「聖母子と聖人たち」は聖人の衣装が汚く感じられた。
      上部に描かれた受胎告知があまりに無垢なためだろう。
      ペルジーノの「マギの礼拝」は色がクリアでバランスのとれた場面構成だと思った。
      なぜかラファエッロのコピー(ボルゲーゼにあるキリストの埋葬)があった。
      こんなもので展示は終りかと思ったら下の階へ続き、地元ペルージャの画家なのだろうVannucciという人の絵がたくさんあった。
      そして、カラヴァッジョの影響が明らかだと思われるValentin de Boulogneという人の2点があった。
      1591〜1631というから、まさに同時代。
      それと、オラツィオ・ジェンティレスキの 聖チェチリアが可愛らしかった。

 プリオーリ宮前の11月4日広場には、パトカーが停まっていて皮ジャケットのかっこいい私服ポリスがずっとまわりに目をやっていた。派出所もある。

 次は同じプリオーリ宮にある商人組合へ。コレッジョ・デッラ・メルカンツィア。外から入る。
 カードをチェックしてもらう。
 ハー、凄い空間。そう広くないのだが、木彫りというか壁から天井から茶色の世界だ。
 受付の長いデスクも時代的。600年以上たっているらしい。


商人組合          両替人組合

 噴水側の階段を上がると、公証人の間Sala dei Notariに入れる。
 ここも窓以外はフレスコ画が描きまくられていて、迫ってくる。

 また外に出て、コレッジョ・デル・カンピオ(両替人組合)を探した。
 やはりこの道路沿いに入口があった。
 ここのフレスコ画はカラフルだ。ペルジーノの作とのこと。
 奥にも部屋があり、そこはゴールドを使ったフレスコ画で荘厳な雰囲気だった。
 祭壇も見もの。

 ドゥオーモへ入ったが、時間で追い出された。

 久々にまともな食事を、とファルケットへ入った。
 黒トリュフのリゾット。ほとんど粉状のトリュフだったが酸味を効かせて味はよし。
 トリッパは1/4くらい残してしまった。トマトチーズ味。
 野菜サラダ。
 白ワイン、エスプレッソで35.5ユーロ。

 満腹で、インフォメーションの入っている建物から東に張り出したテラスでちょっと休憩する。
 垢抜けない露天の店があったりした。




インフォメーション横のテラスから

サン・ドメニコ教会   



サン・ピエトロ教会  (県庁横のテラスから)

 ホテルへもどることにした。
 エスカレーターの途中にある店で、水とオレンジジュート生ハムモッツァレラサンドを夕食用に購入。4.8ユーロ。

 ホテル・イリスへもどると、カートを部屋に運んでくれていた。
 いい部屋をくれた。
 天井が高く、漆喰らしくてフレスコ画というかフリーズで飾られている。
 ベッドはダブルで羽毛の布団兼カバーだ。
 窓は2方向にあり、木製の鎧戸が付いている。
 片方の窓下にヒーター。
 家具類は新調してあり、シンプルで明るい茶色だった。
 ★★で35ユーロなので、ぜんぜん期待していなかったが、大当たりのホテルかも。
 ただ水まわりはきびしい。
 シャワーは固定式で、水圧ももひとつ。冗談みたいな鯨もようのカーテン!
 これがまた横幅が短くて、あたりが水浸しになるのだ。
 お湯もタンク式なので、もし2人で使用すると足りなくなるかもしれない。
 トイレの芳香剤も気になった。
 やはり古い邸宅なので排水口から臭いがあるのだろう。

 バスルームのヒーターも強力にしてあった。
 17:00を過ぎると外から寒風が吹きはじめた。
 ドアの下の隙間にビニールや紙を詰めて、風を防いだ。
 創意工夫が必要ですね。
 洗濯に励んだ。

 もらったペルージャ・チッタ・ムゼオの説明書で明日の観光を検討する。
 場所のわからない見どころもいくつかある。


2/11(日)  ペルージャ・チッタ・ムゼオ使いまくり

 7:00起床。ゆっくりスタートしよう。
 7:45朝食へ。なんと1人旅の日本人女性がいた。大阪からだと。
 キプロスとかギリシャとか遺跡がお好みのお話好きの方。同年輩?
 しばらくお喋りし、部屋を見せあった。
 彼女の部屋は年代を感じる木製階段を上がったシングルルーム。
 ピンクの壁や乙女チックなシャンデリアが可愛い。バスルームはちょっときびしいかな。

 8:55観光に出発。
 今日はなんとなく貴重品ベルトを利用した。
 ペルージャはぜんぜん危険な雰囲気はない。
 エスカレーターでチェントロへ。


プリオーリ通りの脇道で朝のお掃除

 プリオーリ通りを歩いてサン・ベルナルディーノ教会をめざした。
 歩いていると、なんとアッシジで2度出会った日本人女性が向こうから来るではないか!
 これからサン・ジミニャーノへ向かわれるそうだ。
 ちょっと立ち話をしていると、朝食で出会った大阪女性も後ろからやってきた。
 しばらく日本人3人で井戸端会議だ。
 みなさんお話好きでとりとめがないねー。


街の死亡広告  (大阪女性より)                聖ルカのアーチの下方

 大阪女性といっしょにサン・ベルナルディーノ教会へ歩いた。
 この教会のファサードはすばらしい。
 淡いピンクとなんともいえないグリーンの大理石。
 太陽を浴びて色が輝いている。
 それに彫刻も繊細だ。
 これはとてもカメラの力及ばず、肉眼でしっかり記憶するのみだ。
 内部はたいしたことなかった。
 なぜかまたしてもラファエッロの模写(ボルゲーゼの)があった。


サン・ベルナルディーノ教会
あっと息をのむ美しさ


中     サン・ベルナルディーノ教会のファサード    上

 1人で来た道をもどり、ドゥオーモの中へ。
 右奥から付属美術館へ。少し早いので10:00のオープンを待った。

 ここもチッタ・ムゼオをチェックしてもらって入場。
 内容はなんてことなかった。
 ルカ・シニョレッリの「玉座の聖母」をいちおうチェックする。
 木彫りの両開きの小さい祭壇に可愛らしいものがあった。
 No19でトイレを借りた。

 サン・セヴェーロ教会を探し当てたが、閉まっている。


アウグストゥスの門                   外国人大学本部


なんでもない屋根瓦の美

 アウグストゥスの門をチェックし、道をまちがえたが、なんとかサンタンジェロ教会の物見の塔に着いた。
 チケットをチェックしてもらって上がった。
 たいした高さではない。
 なんと屋上には大阪女性。またひとしきりお喋りに花が咲いた。


サンタンジェロ門の物見の塔


塔からの眺め                    老人と犬

 サンタンジェロ教会は古めの味わい深い立ち姿だった。
 だが工事中で中には入れない。残念。
 ここの前で熱心に柱をカメラにおさめている女の子がいた。


サンタンジェロ教会

 こんどはガリバルディ通りをもどって、アッピア通りから大聖堂前に出た。
 手前はローマ水道のなごりか、すごい建築物が交差するダイナミックな景色。
 まったくタメイキ連続の散歩だわ。


アッピア通りはアーチの連続

 レストランに入ったが、昼間はピザをやっていないというので出た。

 すぐに別のレストラン、庶民的な感じのTAVERNA LA GABBIAへ。
 フンギ・ピッツア5.5ユーロ。40センチくらいあったので、まわりは残した。美味。
 ビールとエスプレッソ。コペルトが1.5とるので計10.5ユーロ。

 地図で見当をつけてカブール通りを下りた。
 わりとすぐに国立ウンブリア考古学博物館へたどりつけた。
 猫が出迎えてくれた。(この子は出るときも送ってくれた)

 エトルリアの石棺がいっぱいだ。  
 けっこう色が残っているし、花びらのレリーフなどデザイン的。
 百済の王墓に使われていたものと似ている。
 青銅の兜でなかなか美しいものがあった。
 頭上に天馬が2頭、前にも飾りが付いている。 ぐるりと模様が彫られ、とても美的センスがいい。
 耳当ては取り外し可能のようだ。

 ペルージャ・サンタンナ駅を下見に行った。
 やはり時間は8:05が適当のようだ。


ペルージャ・サンタンナ駅

 また来た道を上がって大聖堂付近へ。

 他の観光客が覗いているところに、エトルリアの井戸があった。
 ここもチッタ・ペルージャで見学可能。
 いちおう見たが、なんということはない。

 もしやと思い、サン・セヴェーロ教会へまた行った。
 オープンしていた。
 ラファエッロのフレスコ画のみ展示されている空間だ。
 1505年ころのもの。
 色や線の柔らかさはラファエッロだと感じさせる。
 しかし、表情はもひとつだった。
 アーチの上方の模様も色がはっきりしていてきれいだった。
 天使が欠損していて残念だ。

 大聖堂の石段に腰を下ろし、しばらく休憩。
 日中このくらいの気温だと街歩きもラクだ。

 ちょうど16:00にサン・ピエトロ教会に着くように、15:40歩き始めた。
 サン・ピエトロ門は厚みがあり、表と裏とでは表情がちがう。
 サン・ピエトロ教会は目的の聖具室がわからず、残念だった。
 なにしろ絵だらけの内部だ。なぜかまたしてもラファエッロのコピーがある。
 この地方でよほどこの絵は評価が高かったのか・・・。


サン・ピエトロ門 


鐘楼       サン・ピエトロ教会      入口付近

 16:40サン・ドメニコ教会へ入った。
 ここも見たかったステンドグラスは修復中で覆いがかかっていて見学不可能。

 通りがかりの店でピザパンとコーラを購入。4ユーロ。

 なんとパラッツォ・ペンナを発見。ホテル・イリスのすぐ近くじゃん。
 18:30まで見れるとパンフレットにあった。
 せっかくなので食料をバッグにしまい、入場する。もちろん、例のチケット有効。
 まあ内容は知らない画家やフィルムだったが、部屋の天井の装飾が変化に富んでいて面白かった。
 即終了。


パラッツォ・ペンナ

 ホテルにもどる。
 今日はけっこう歩いた。空も晴れたり曇ったりでなんとかなった。
 ペルージャ・チッタ・ムゼオは12ユーロで購入したが、22.5ユーロ分使用。十分元は取った。




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