第13話 「永遠の誇り」   脚本:山田隆司 作監:中山岳洋
昭治・時雨琵琶湖畔まで進軍してきたうぃたんご一行。
狂ちゃんが「甲賀忍犬」の話を切り出したそのとき、甲斐の国から剣たんと影虎3兄弟が合流(…と兄弟対等な感じで書いてみたものの、本編で影たんと弟ふたりとで出番の差がありまくるので、違和感ばりばりw)。

狂「白銀狂四郎、以後お見知りおきを(一礼)
………っえ? あれ?狂ちゃんてこんな子だった…っけ(動揺)。
そうか。沸点が低いだけで、おとなしいときは礼節をわきまえてる子なのか。そうか…(←萎えるなw)。

剣たん影たんからも甲賀の里の哲心=甲賀忍犬総統の話を聴き、そこを次なる目的地と定めた一行。
…というストーリーのなか、哲心に対する「チビにいちゃん」なる呼称をはじめて(…じゃない気もするけど、とりあえず記憶にはない)拝聴いたしました。
結果、剣たんがかわいくてしかたないのですがどうすればw

たにんの呼び方って、呼ばれる側自体のもつもの以上に、呼ぶ側がそのひとをどう思ってるかていうのが大きいじゃないですか。剣たんにとって哲心は忍や戦士である以前に、親しくて大好きなおにいちゃんなわけで。
そのうえ「次世代の楽園の継承者」だの「総大将も側近の大幹部連中も信頼しきっていた」だの「総大将の統率力、ジョンさんの牙、赤目さんのスピードを身につけてるんだ!」だの、 ひとりで べらべら おにいちゃん自慢 を並べたてられてちゃあ、もう!!!
…すみません取り乱しましたw;
家族同然の関係とかだいすきなのですよぅー。

そしてそんな“家族”のひとつである、奥羽の甲斐犬たちはというと、いまにも玄婆軍と衝突かという局面。
戦力差をかんがみてミッションを撃破から突破へ変更したとて、甲斐犬の生き方とする真っ向勝負の姿勢は不変。

しかし、その一方で「親代わりの叔父を死なせたくない」が兄弟の総意であり、強制的に黒虎を戦線離脱させ、ちょうど駆けつけた赤目さんに託して撤退を促したのでした。
が、案の定「自分たちもあとから退いて合流する」はその場の空言。
昭治「これで心置きなく戦えるな」
時雨「さぁて、いっちょやるかぁ!」
土怒「俺たち、泳げねえもんな」
武流「戦うしかねぇよなぁ」
昭治「ふふっ…」
……おまえたち……!!
こう…
父親として敬愛しているひとは死なせたくないとか、兄弟みんな志はひとつだとか、ふだんとおなじようなたわいのない会話がなによりの支えになるだとか(だから泳げるとか泳げないとかが問題なのではないと思った)、…なんかあったかいよ…!!

しかし…これは黒虎にはつらいだろうなあ…。
不可抗力とはいえ、敵を前にしておりながら逃亡というのもそうだし、甲斐出立時に「かわいい“息子”のためなら、いつでも礎に」と公言していた当犬というのも…ね。
甲斐育ちの犬は他犬のメンツというものを考えないのかとか思わなくもないですが、
よくもわるくもまっすぐで自分に正直なのが性分ということなのでしょう。

結果としては、時雨のみが生き延びて陸奥への伝令役に。
道半ばで玄婆軍の兵士に取り押さえられた武流・土怒と、時雨を助けるために玄婆と対峙した昭治は誇らしく殉死。
戦闘後、見せしめとして谷川に放り投げられた3頭の屍は、奇しくも叔父たちの元へ。

振り向くことを許されずに駆け抜ける時雨の「なんで俺が生き残らにゃならないんだぁ……っ!!!」という沈痛な問い…どこかで聞いたようなと思ったら、ちょっとジェロムに似てる感じがするんだと思った。
心ある戦士が無惨に命を落とすということだけでも十分つらいのだけれど、その事実を一身に背負わされるのは残された者たちなわけで。
そんな心を引き裂かれそうな様を見せられる視聴者も落涙を禁じえないというもの…です…よ。

駄菓子菓子。もとい、だがしかしそんな惨劇は露とも知らない大将ご一行は、その頃甲賀の里にて哲心と面会中。
ちょ…待っ……切り替え激しいです…;!!
もすこし余韻にひたらせて…と思う視聴者はあまっちょろいですかそうですかorz

聞けば甲賀では長老が病にふせっているらしく、恩義のある身として里を離れるわけにはいかないとのこと。
事情を理解した大将はそれを責めるでもなく、むしろ「長老を大切に」とねぎらいの言葉を残し、里を出発。
とはいえ、総大将救出や奥羽軍への加勢という気持ちは心の奥底でわきあがっていた哲心。
長老はそれを見抜いており、優しくそれでいて力強い言葉をかけて哲心を甲賀から送りだしてくれたのでした。
犬格者のおじいちゃんと、それによく似た孫という感じで、素晴らしくあたたかいです。

というわけで、
血がつながっていようといまいとに関わらず“家族”のあたたかみが胸に響いた13話。
タイトルは「誇り」ではなく「縁(えにし)」みたいな語を使ってもよかったかも(「絆」は既出だし)。

ちなみにどうでもいいですが、私は作品そのものとその原作とはそれぞれ別物として考えるタイプです。

あと、らくがきしてるときに気づきましたが、昭治の片耳がちぎられてたぽいですね。
これは中虎の嫡子を思わせる演出としてとっていいのでしょうか(左右逆ですが)。



 第14話 「蠢く凶刃」   脚本:山下憲一 作監:南伸一郎
ウィード・ジェロム前回、長老に諭されて総大将救出に向かった哲心は、順調に法玄軍領内に忍び込むことに成功。
すれちがいざまにくらわせた一撃でスタイリッシュに敵を沈めるお姿に、忍犬のポテンシャルを感じずにはいられません。素敵。

難なく目的の犬物との再会をはたす哲心でしたが、当の総大将は「春まで命がもたない」と告白するほど瀕死の重体。自力で立ち上がることもままならず、哲心の力を借りても脱出は無理と判断した総大将。
あろうことか助けにきた若者に対し発した言葉とは
「おまえを忍犬と見込んで、頼みがある。…おまえの手で私を…殺せ」

……まあ、味方の足をひっぱっている現状を憂いて、それをなんとかしたいという気持ちはわかります。そういう考え方そのものは否定しません。
でも総大将、ジョンと約束したじゃないですか。ウィードに会うまで死なない、と。
自ら発した言葉を、その約束を、正直忘れてほしくはないですね。

もっとも、忘れているとは限らないですがね。
総大将のお言葉の要旨は、「楽園の未来」と「銀という個犬の命」とをはかりにかけて、どちらがより重いかという話。
つまりこの先、なにかあったら採るべき判断を採ってほしい、そのためにはっきりしておくべきことははっきりさせておきたい、という含意があった的な見方もできる言葉だと思いました。
ほんとうに、いまこのタイミングで哲心に殺してもらうことが後先を考えてもベターな手段だと思っていたならば、哲心への頼みをあっさり切り替えるのは、ちょっと軽いなあという感じがしますので。
……ひらったくいうと伏線かと(←にべもない言い方だな;)。

というわけで総大将は、父親同然のお方を手にかけるなどできるわけもない哲心に、息子ウィードへの技の継承とメッセージを託し、南アルプスを出立させたのでした。
おじいちゃん(のような犬)の次は、おとうさん(のような犬)に言われて駆けまわる哲心たんは、ちょっとほほえましいなあと思いましたごめんなさい(爆)。
や、年齢的に親子はねーだろいう意見はあるかもですがw;狂ちゃんやうぃたんが1歳前後であんななので、きっとちみたいころの銀たんもおとなびていたんだョと脳内設定しておりますw

その宛であるうぃたんはというと、ロケットたんの地元である紀州に到着したところ。
走り詰めのため疲れを隠せない一行でしたが、そのとき紀州の地にはなにやら異変が。
その正体は不明ながらも、様子を見るべくロケットたんが単身群れを離れて行動。
しかし、異変の正体=人間の鶏輸送トラックを、破城槌のような大木( な に い !?)によって襲撃したカマキリたん一味に捕えられてしまいました。

さらにロケットたんを捜しにきたうぃたんたちも野犬対策の人間たちのまえにおびき出され、あわや銃の餌食に。
ジェロム先生の的確な誘導とサポート、陽動によって、犠牲者を出すことなく難を逃れられた奥羽軍でしたが、そのため一旦本隊と別行動をとることになるジェロム。
ブレインのいなくなったw;奥羽軍は再度ストーンたんの罠にはまりw;;カマキリたんたちに囲まれてしまうのでした。

実はこのカマキリたんとは浅からぬ因縁のあったヒロたん。
カマキリのいままでの悪行と父親の仇敵であることを暴露し、また、囚われたロケットの口からも紀州での横行が知らされ、あらためて奥羽軍との敵対フラグ成立。
ちょうど駆けつけたジェロムとカマキリの一撃の交わし合いを皮切りに戦闘開始です。
正々堂々と戦う気のないカマキリたんをあげつらいながら組み合ううぃたんでしたが、ここで体格差がハンデとなっていることが明確に。
…うぃたん お ち つ い て !!;

そんなとき、またもや野犬対策員が野良っ子たちにライフルを浴びせてきたので、さすがにカマキリ軍も撤収せざるをえず、勝負はおあずけに。
しかし戦闘による負傷は避けられたものの、ジェロムが大将をかばって銃撃をもらってしまい、しかも先ほど対峙した人間にその存在を確認され、
野犬対策員「さっきはよくもやってくれたな…。たっぷり礼をさせてもらうぜ?」
などと言われて、銃口の照準を定められる始末。

寸でのところで立ち上がったジェロムは崖下の谷川へダイブしたところで、待て次回。

てか、人間のわるそうな面が描かれすぎです; 視聴者を人間不信にする気ですか;;;
また、相対する犬がジェロムというのが厳しい…。服従してるときは殺し屋として使役され、邪魔な野犬と認識されたときは駆除されかけるとか、もうね……orz
だいたい、なんで駆除なんだろ。捕獲収容じゃないのか。どうせまたろくに調査もしてないんだろうなあ。
……。視聴者を中二病にする気d(ry)。

そんな歯がゆい感じもありつつ、カマキリたんのふさふさのもさもさっぷりに、かなりときめいたりもしつつw
そういえばそのカマキリたん。あと哲心たんもそんな感じでしたが、最初のころは台詞読んでます的な感じがあって、ああ最初は慣れてなかったんだなあと、うっかり中の人にときめいたりもしつつwww

ええとそれからお話としては、上記の総大将の発言(というか考え方)とか、ジェロムの「いくら俺でも、命はひとつしかないんだぜ」という台詞、うぃたんとカマキリたんの戦闘に見られる戦術を選ぶ必要性など、伏線的要素がちりばめられていて、再視聴してもわりとおもしろい回なんじゃないかな、と思いましたね。

まあ、初見ではそのへんにはおよそ気づくこともなく。
冒頭のナレの「哲心は拒否」との言葉に「どんな高圧的な態度のわんこなんだ哲心とやらは」といらん誤解をしてみたりとか。
奥羽に連れてこられる以前は南アルプスで囚われているとは知らなかったので、総大将の軟禁小屋を見て「…どこ?ここ」と若干混乱してしまったりとか;
それと中〜後半の黒い犬の活躍ぷりに「ジェロムという名前の犬は、とびぬけて優秀なんだなあ」という印象を受けたりしてました。
もっとも、この時点ではいまだにいろんなキャラの顔と名前が一致しておらず、この「ジェロム」が終盤で奥羽軍のまわりをうろちょろ別行動している、役割のつかみづらい犬と同一犬物とは気づかなかったのですがw;





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