佐藤家の食卓子育てから食育TOPHOME
食育家族
Merci beaucoup
私は、10月18日〜24日までの1週間、『ポワティエの味覚週間とパリのフード最前線視察』という研修に参加しました。
その時、この研修に一緒に参加していた二人のお嬢さんとマミー。九州(長崎)の学校法人川島学園の校長、川島明子さんと二人のお嬢さんでした。とても素直で、可愛らしいお嬢さん方は、我が家の子供たちとさほど違わない年齢でしたがたよりがいのあるお友達感覚の方々でした。
ご姉妹も、お母様も豊かな感性をお持ちで、ユーモラスなうえ、とても仲良しでした。クッキングスクールの校長先生なだけに健康的な食事を通して愛情一杯の家庭生活を営まれて来たのが見て取れるご家族だったのです。
   お母様もお姉さまも素晴らしいお仕事に尽力されていて、心優しい人格者だという事は一週間ご一緒させていただいて良くわかりました。そして、私が一番仲良くして頂いた下のお嬢さんも同様で、好きな芸術に情熱を注いでいる姿が私にはとても印象的でした。おそらく、我が家の長男と同じ年だった事も私の興味を駆り立てたのかもしれません。
『忘れん坊女王』でおっちょこちょいな私の経験をお話ししたら、なんと『私が後ろに控えていますから安心して下さい』という嬉しい言葉が返ってきたのです。
私は、時として一緒にダッシュしたり、おしゃべりしたり、抱き合ったり、親子ほどある歳の差を忘れて、はしゃいでいたのです。
   
 彼女は、ブランドにこだわる事無く、しっかりした自分自身を確立しつつちゃんと大人の感性を持ち合わせていました。そして、なにより好きな事に思いを馳せ、自分の中の純粋な気持ちを大切に育んでいて、にこやかに人生を送る準備をしているかのようでした。
心と体に美味しい食事によって人間性を育まれて来たこの家族に脱帽です。
『Merci beaucoup』『どうもありがとうございます』という感謝の言葉は私が始めて覚えたフランス語で、彼女達に教わりました。このひとつの言葉を覚えた事で不安だったフランスの旅をどれだけにこやかに過ごせたか計り知れないものがあります。
そして、実はこの言葉のスペリング、17歳の娘に聞いたものです。
   たった一つの言葉ですが、私の中では南の果ての長崎と私が住む仙台を結びつけている掛け橋のようにさえ思えてなりません。
食べる幸せの追求の先に広がる幸せ家族がここにもみつかりました。
『Merci beaucoup』今回の巡りあいに心から感謝いたします
 食育ファミリーは幸せ家族
素晴らしい食環境で育ったと思わせる女性に巡り合い、私は食育の世界に魅力を見出しました。
フードコーディネーターの研修会に参加した時の事です。
 まだ、歴史の浅いフードコーディネーターの世界で、すでに活躍している方々のパネルディスカッションの場に1人のパネラーとして参加していた20代半ばの可愛らしい女性です。
 薬剤師のお母様に誇りと尊敬の気持ちを持って成長され、堂々とその事を公言している彼女をみて娘を育てている母親名利を感じずにはいられませんでした。
 管理栄養士の資格を持ち、病院勤務を4年間勤めた後、東京の中心街で良く見かける『Dear・soup』というスープバーでメニュー開発を手がけている他『わとキッチン』というケータリングも行っているという女性です。
好きな事を仕事に選び、才能を認められ、思いっきり仕事を楽しんでいる様子でした。
 彼女の個性豊かな表現や仕事振りに感動を覚えたのは私だけではなく、おそらく会場にいた全ての人が目を見張ったのを感じました。
彼女の性格の良さは、体に良くて美味しいお料理により育まれたものだと直感し、懇親会の場で質問させていただきましたが、まさにその事を肯定してくださいました。
 又、少し後にその会場にいた方々とお話しした際には、誰もが私と同じ思いであった事を確認できました。
 犯罪の低年齢化は、その原因が食環境の悪さにもあるという分析結果が公表されるようになって、食環境の整備が話題にのぼってきています。そんな時代背景で、素晴らしい食環境の代表者のように思えました。我が家の子供達もあんな風に成長して欲しいし、今後の日本を背負う子供達が彼女のように成長していく環境を整えなければいけないと決心させてくれるめぐり合いでした。
 私達世代が今後の社会環境をきちんと見据え、食事情を改革していかなければならないのではないかと思わずにはいられない出会いだったのです。
 味覚は育てるものです。これから味覚が育つ乳幼児はもちろんの事、体に良い食事(味)を美味しく感じる環境をトレンドにしていく工夫を凝らし、味覚障害症候群となっている人たちの修正をてがけるべく決意を新たにしているのです。