前へ
戻る

私釈三国志 130 諸葛孔明

9 裏話部屋
F・ヤスの妻『えくせれんとー♪』
A「ハイタッチすんなっ! 確かにコレは孫権の比じゃないトラップだよ! まんまとだました14392人に謝れ!」
F「129回終了時点で、こちらの認識している分では6人に知られていたぞ。メールの文面から感づいているようなヒトもいくらかいたが、今こそ明言しよう。孔明が死んでも『私釈』は続く、と」
最初のひとり「うん」
Y「俺も今回が最終回だと思い込んでいたが……いつ聞いた」
ヤスの妻「20回くらい?」
F「でしたっけ」

(ぽわんぽわんぽわんぽわん)
ヤスの妻「えーじろ、ちょっといい?」
F「はい、何ですか? だからえーじろやめろ」
ヤスの妻「『私釈』っていつまで、ていうかどこまでやるの?」
F「いちおう、黄巾の乱から120周年になる五胡十六国の乱まではやろうかな、と」
ヤスの妻「……うちのヒト、孔明さんに関する回で終わるって思いこんでるよね」
F「まぁ、そう思われても仕方ないンじゃないかな? どっかでフォローするよ」
ヤスの妻「じゃぁ、だまそう♪」
F「はい?」
ヤスの妻「だから、ヤスとアキラくんと読者の皆さんだますの。ヤスのボケに便乗して、バレないようにオハナシを進める。で、孔明さんの回が終わったら『やーい、ひっかかったー♪』ってふたりで笑ってやろうよ」
F「おー、それは面白い。うん、それ行こう」
(ぽわんぽわんぽわんぽわん)

F「というわけで、14386人+お前らふたりにー」
F・ヤスの妻『やーい、ひっかかったー♪』
Y「喜ぶなよ、お前ら!」
嘘をついてひとをだます係「真面目に云うけど『真・恋姫』に五胡が出たときは、ほんっとーにどうしようってふたりで頭抱えたンだよ? 卑弥呼が出るって聞いた時点でその可能性を考慮しなかった軍師わたしの責任で」
本当のことを云ってひとをだます係「いや、オレのせいです。聞かれたら応えることにしていたモンだから、あの五胡兵のせいで、知っている人数が倍に増えたからなぁ……」
Y「謀略スタイルが正反対のお前らが結託したら、対策の立てようもないわ! だいたい、そうまでして読者だます理由があったのか? ただの思いつきでいらん混乱を……」
F「待て泰永。説教のお時間だ」
Y「何だ?」
F「16回を見てもらえばすぐ判るが、『秋風五丈原』が最終回だと思い込んでいたのは誰だった?」
Y「俺だ」
F「『漢楚演義』13回で『天下泰平』を『孔明に関する回』だと思い込んでいたのは誰だった?」
Y「……俺とアキラだ」
F「僕はきちんと『最終回』と『孔明に関する回』を意識的に云い分けていたのみならず、端々で『誰もンなこと云っとらん』『悪いがまだ終わらんよ』と云っていたのにそれを気づかず、130回に向かってのカウントダウンまでしていた間抜けは誰だった?」
Y「……俺だ」
F「14386人とアキラに向かって、何か云うことは?」
うっかり長兄「……俺の浅慮で皆様を謀略家二匹の策にはめ、いらぬ混乱を招いたことを深くお詫び申し上げます」
F「判ればよろしい。僕は一度として『孔明が死んだら終わり』なんて云ってないンだから」
A「終わると思ってたヒトは多いだろうねェ……」
F「うん、100回超えたくらいから『あと少しですね』みたいなご意見多かった。正直、そういうご意見いただくたびに『オレ、何でこんなコトしてンだろう……』と申し訳なく思ったンだが、引き絞った弓は放たんわけにはいかんでな」
計画犯「うちのひとが孔明さんをそれくらい重視していたという悲しい現実だね」
実行犯「孔明が死んだら三国志が終わりだと、アンチ蜀の泰永でも思っていたンだからなぁ」
被害者B「やかましいわ!」
被害者A「泣くな」
Y「泣いてない!」
F「だが、三国志はまだ終わらない。仲達の台頭。海を超え来たる邪馬台国の使者。蜀の、魏の、呉の滅亡。八王の乱を経て興る五胡十六国の時代。……あと何回続けるンだろ」
A「70年だからねェ……。とりあえず、お客さんは減りそうだよね?」
F「減ると思う。前々から云っている通り、日本では、孔明が死んだあとのことを知らないヒトが多すぎるから。でも、そこから先の歴史にも、ちっとは興味を持ってもらいたいなと、思う」
A「アキラはおつきあいしましょうか。だまされたからって逃げるのは性に合わない」
Y「俺とてこのままでは引き下がれんわ! せめてもの恨みだ、今度こそ最終回までつきあってやる」
F「完全な逆恨みだろうが、このうっかり長兄は」
Y「やかましいわ!」
ヤスの妻「ところで……」
3バカ兄弟『ぅわああああっ!?』
ヤスの妻「えーじろまで逃げることないじゃない!」
A「日頃のアキラたちの気持ちと理屈が判ったじゃろ……」
F「こんな気分だったのかね……。はい、何ですか?」
ヤスの妻「答えたくないならいいけど、いい機会だから聞いておくね。『私釈』出版のオハナシ、何で流れたの?」
F「イラストを『恋姫』のスタッフにお願いしてくれと云ったら断られました」
A「……そりゃ断るだろうさ」
F「でも、直接断られたならまだしも、どうして先方に打診もせずに出版社の段階で却下する!? はっきり云うが、イラストが『恋姫』かどうかは売上をケタから左右するぞ」
Y「……それもそれで否定はできんなぁ」
F「その辺の試算も含めて数字データ突き出したのに、どっかの絵描きで押し通されそうになったから、『漢楚演義』含む全関連ページに『真・恋姫』応援バナーはりつけたら『こんなモン出版する価値もない』と手切れメールが来た。以後、一切の音沙汰なし」
ヤスの妻「……えーじろもえーじろだけど、その会社もその会社だね」
F「唯一の要求は撥ねのけたくせに、僕にはいくらでも命令してきたからねェ。それを容れていたから与しやすいと思われたンだろうな。今にして思えば僕らしからぬ失敗だった。あっはは」
Y「笑って話せるくらいにまで回復したのはいいことだな。ンなことになった直後は、眼もあてられん状態だった」
A「どーしてアキラを呼ばないかな、この連中は……」
Y「お前がいてどうなったンだ?」
F「アキラの前の会社の頃に、似たようなことがあったンだよ。エロゲのノベライズの話が来て、社長さんは僕に書かせようとしたンだけど、出版社がライター使うって云い張って、結局そうなった。まぁ、僕が追加シナリオ書いたコンシューマ版とかメイン張った続編の売れ行きからして、出版社の判断が正しかったンだけど。あっはは」
ヤスの妻「ちーちゃん泣かせるようなもの書いちゃダメだよ?」
F「ちょっと反省。ともあれ! 『私釈三国志』をご覧の皆さま。長々騙していたことを、この場でお詫びします」
ヤスの妻「ごめんなさい」
F「こんな僕らに130回までお付き合いいただきましたが、今まで本当にありがとうございました。最終回にはまだありますが、御用とお急ぎでなければ、もうしばらくおつきあいいただければと思います」
Y「騙されたー、と怒っていなければいいがな……」
A「むしろ笑うか納得するンじゃね? コイツ相手だし」
F「どういう意味だ? まだ『私釈』は、というか三国志は終わりません。歴史的な意味での三国志が始まる前のエピソードから始まったンですから、三国時代が終わってからも続けようかなと思っている次第です」
Y「304年……黄巾の乱から実に120年が経過したその年まで、か。しかし、『恋姫』も『恋姫』だ。何が悲しくて五胡を出したのやら」
F「先を越されたが怒りは湧かん。むしろ、よくやってくれたと僕は喜ぶ。この『私釈』に先立って、五胡を三国志に絡めた『真・恋姫』開発スタッフの皆さまに感謝を。よくぞ世に出してくれました、ありがとうございます!」
A「三国志について語ると云いだしたときは、何にどんな対抗意識燃やしていやがると思ったけど、あれから2年半。いい意味でその感情は昇華されているワケな」
F「諦めはいいのが自慢だ。加えて、資料提供・協力いただいている皆さま、陳寿・羅貫中・裴松之をはじめとする資料の著者の皆さまにも、この場でお礼申し上げます。皆さまがおられなければ、僕は『私釈』を続けられませんでした」
A「そりゃそうでしょうね、ええ」
F「……で、アキラと泰永。ありがとうな」
A「おう♪」
Y「気にするな。俺たちは兄弟だぞ」
F「そう云ってくれると気が楽だな。それでは、今後とも『私釈』をよろしくお願いします! せー、の……」
A「いや、今回はお前ひとりでやるべきだ」
F「ありゃっと……おい」
Y「同意見。結局お前が頑張っているのは認める」
ヤスの妻「わたしはもともと傍観者。口出していいの? 『私釈』潰せるよ?」
三妹「そんなのアタシが許さないわよ!」
F「お前、いたのかよ!? ……えーっと、じゃぁ、やります」
ヤスの妻「どうぞ」
F「続きは次回の講釈で」
A「よろしくっ!」

進む
戻る