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恋姫無双RPG リプレイ 4 「陶双央、異人を受け入れるのこと」中編

F:陶謙さんの執務室に移動すると、曹豹と、見慣れない少女が待っていました。
陶双央:知らないワケじゃない?
F:ですね。各自、ただし親忠さん除いてですが、智略の平目で判定。
陳小理:ほい来た(ころころ)……9。
楊花玉:低いわねェ(ころころ)10で、15ね。
趙二英:アタシは(ころころ)13よ。
陶双央:ではでわ(ころころ)16だよ。
F:10以上で成功です。徐州東部の港湾都市・階上津で警備隊を率いている、夢梅さんですね。
陶双央:津は港だったね。
F:云われる前に行っておくと、そーゆう都市は実在していませんので。シナリオの都合で作った街です。
趙二英:ちゃんとした街じゃないのは珍しいわね?
F:徐州の東部にちゃんとした街は少ないンだよ。東シナ海に面してるが、あまり外洋航海技術は発展していなかったみたいでな。徐州州内の大都市はだいたい内陸だ。その辺を抜いたところで魏の大都市には行きつけないのと併せて、孫権が徐州方面に頓着しなかった理由に挙げられると思う。まぁ、実史での話になるが。
陳小理:メタ発言って奴じゃね?
F:小理ちゃんはバツ、他3人は夢梅に友好ポイントまるひとつな。夢梅さんは一礼して「ご無沙汰です、書記さま」
陶双央:「ええ、久しぶりね。階上津で何かあったの?」
F:「先日、パルティアからの交易船が来たのですが、刺史様に謁見したいという要望が出ておりまして」
趙二英:……いいの? そんなモン来てて。
F:呉には来てたらしいからな。漢代にはローマの使者が長安に来ていたンだ、それほど問題はないと思うぞ。
楊花玉:もと商人としては、どんなものを商っているのか興味があるわねェ。
盾親忠:「ぱるてぃあ、なる国はどちらにあるのかな?」
F:喰いついてきたね。「まぁ、そういう次第さ。お前たち、階上津まで行っておくれ。あたしの名代として対処してきてほしいのさ」
陶双央:……全員で?
F:それは、どっち発言?
陶双央:……ちゃんと聞いた方がいいか。「二英か花玉も残さずに、ですか?」
F:「あぁ、袁術のちょっかいは退けたからね。しばらくは、曹豹でも防げるだろ」
趙二英:露骨に不安よ!
陳小理:じゃよねェ……。
F:だが曹豹本人も「このところ、お嬢様たちばかりに手柄を奪われておりますからの。ワシにもたまには働かせてくだされ」と楽観。基本的には逆らえないと思ってくださいねー。
趙二英:権力の使い方、間違えてないわね……。
F:はっはっは。「じゃぁ、頼んだよ」とおばあちゃんは軽く手を振った。
陶双央:うーん……「了解しました」と応えておくね。
F:出発は明日ですので、それまでに準備しておいてください。
陶双央:準備って?
楊花玉:まずは、階上津の情報収集ね。周辺の環境も調べて、どれくらいの兵を連れていくのか決めないと。
趙二英:賊が動いているようなら、ちゃんとした兵力が必要だから。その辺りは夢梅から聞き出せるわね。
陳小理:アキラ……もとい「あたしとしては、夢梅ちゃんと関係修復したいっすねー」
盾親忠:右に同じ。
F:ちゃんとすべきことが判っているのはいいことです。えーっと(ころころ)……各自2回行動できますね。何をするのか申告してください。

・基本的なシナリオの流れ
 導入部(状況説明)→準備段階(敵ないし移動先の情報収集・動員する兵や物資の準備)→現場での行動

楊花玉:ではワタシから。階上津に関する情報を集めるわね。
F:夢梅さんから聞き出すなら「話術」、他の手段なら「地理」「情勢」になります。レベルがいちばん高いのは?
楊花玉:「話術」の4ね(注1)。どーれ(ころころ、ころころころころっ)……35ね。
F:多いなぁ。

楊花玉 所属:徐州刺史陶謙配下(文官)
 武勇5智略3運営5魅力4 歩1騎1弓4
 補給4、話術4、経理3、地理3、情勢3、威圧1、陣形2(鶴翼、魚鱗)

F:大成功レベルの出目だから、何でも答えますよ。何が聞きたいですか?
楊花玉:えーっと?
陶双央:常備兵と周辺の敵性勢力、近年に発生した戦闘とその被害状況、あとできればパルティアからの使者について。
F:入れ知恵しますか。まぁいいですけど……夢梅さんはちょっと困ったような表情で「うーん、私が階上津に来たのが去年なので、あまり詳しいことは……」と前置きします。皆さんとあまり面識がなかったのはその辺の事情。
趙二英:これが何かの伏線なワケよ。
盾親忠:(こくっ)
F:そこ、入れ知恵しない。常備兵は300ですが、荒くれの船乗りが出入りしているので、いざ攻め落とそうとする場合は1000からの兵力に膨れ上がりますね。そんな事情なので、船乗り同士のいざこざはあっても、どこかから攻撃されたということはないようです。
楊花玉:ふむ。「襲って来そうな敵もいない?」
F:「ですね。黄巾も階上津には来なかったので」ちなみに、黄巾の乱が終わった頃なので、孫策はまだ袁術配下です。ために、揚州にはまとまった勢力は存在していません。
陶双央:揚州の情勢を調べるには?
F:んー、別のヒトが別の判定してもらうことになりますけど。
陶双央:じゃぁ、わたしが。
F:では、花玉さんは夢梅さんへの友好ポイントにまるをひとつ。また、次のシーンまで夢梅さんから情報を自由に聞き出せます。もっとも、夢梅さんが知っているもの、という前提がありますが。
楊花玉:ん、おーらい。
F:双央さんの行動に移りますね。「情勢」での判定をどうぞ。

陶双央 所属:徐州刺史陶謙配下(書記)
 武勇3智略6運営6魅力4 歩3騎3弓2
 政務3、包囲3、地理2、情勢1、謀略、智嚢、能吏、陣形3(鶴翼、偃月、衡軛)

趙二英:意外と、スキルのレベルが全般的に低いのよね。
陶双央:大丈夫だよ、常駐スキルの「能吏」と「智嚢」とってるから。
楊花玉:じょうちゅう?
F:持っているだけで効果が発揮されるスキルです。それぞれ運営系・智略系の判定で、ダイスひとつ余分に触れます。双央さんの持っているスキルの約半数が常駐ですから、他のスキルを伸ばしている余裕はないでしょうねェ。
楊花玉:……次のポイントで「能吏」とやらをとらないと。
趙二英:そうね。武勇系もあるンでしょうね?
F:武勇なら「猛者」だな。で?
陶双央:26だよ。
F:ふむ……では、揚州の港町にもパルティアの船が来ているという情報が入ります。そちらの太守と交易するようになったようですね。また、パルティア人が何かを探しているようだ、との情報もです。
陶双央:何か?
F:30超えていればその辺の情報も入りましたが、現状で判るのはそんなところですね。
陶双央:うーん……今回の敵はパルティア人ってことでいいのかなぁ。
趙二英:その辺り、とっとと判断してくれない? どれくらいの兵を用意するのか、アタシに指示して。
陶双央:相手がえーじろなんだから、そう簡単に判断できないよ。
F:このゲーム、というより僕を相手にする場合、情報収集より情報の分析の方が難しいンだよ。
陶双央:自分で云わない。……えーっと、花玉を通じて「揚州の港町」と階上津の関係を確認。そこの兵士数も。
F:巣津と云いますが、常備兵は100といないくらいです。規模も階上津より小さいので。ただ、ライバル意識はむき出しで、海上でのいざこざも絶えませんね。
陶双央:ふむ……(エアそろばん開始)
趙二英:……始まったわね。
陶双央:(ちょいちょい、ちょい)……多くて100、船乗りが入っても500に行かないくらい? でも、その場合……じゃぁ、兵は300で。
F:(ニヤリ)
陶双央:(ぞくっ)読み違えた……!?
楊花玉:いや、顔色だけでやりとりしないで。
趙二英:アンタひとりいれば10万までは何とかできるでしょ。じゃぁ、陶謙に兵を出す許可取ってくるわね。
F:お前の行動はそれで終わり、と。
趙二英:判定は?
F:300なら不要。500以上なら「話術」で判定してもらうところだったが。
陶双央:400なら?
F:ん? まぁ不要ですね。
陶双央:じゃぁ400で。
趙二英:……だそうよ。
F:まぁ、いいでしょう。……大した影響はないので。
陶双央:やっぱり1000!
F:「出せるかい!」と、陶謙さんから無条件で却下されます。
陶双央:二英に任せておけないので、わたし自らおばあさまを論破しに行きます!
F:はいはい、2度めの行動ですね。論理的に論破できますか?
陶双央:巣津に出入りしている船が階上津を襲った場合、夢梅さんの兵と階上津の船乗りは迎撃に向かわないといけない。その隙に、巣津の常備兵が陸路で攻め込んできたときに備えて10倍の兵を!
F:アンタ、透視でもできるンですか!?
盾親忠:……千里眼?
趙二英:アタシなら10万でも勝てそうにないわ……。
F:えーっと「そこまで揚州との関係がこじれているとは報告を受けていないよ?」と、さすがに陶謙さんでも胡散臭そうです。基本的には双央さんの読みだけですから、説得力が欠けていますね。
陶双央:「話術」ないからなぁ……最悪の事態が起こるかもしれない、と「謀略」でだませない?
F:無理です。「混乱」ならできた(注2)でしょうけど、「謀略」はそういう使い方ができません。
陶双央:だったね。……じゃぁ、ダメ元で判定! 地理的要因から最悪の事態を想定しました、というわけで「地理」!
F:陶謙さんの「話術」は3で、さらに双央さんへの友好ポイントを使用します。
陶双央:……え?
F:双央さんが行くならそれほど問題は起こらないだろう、という信頼ですね。(ころっ)はい、まるの出目なのでプラス5で(ころころ、ころころころ)……30。
陶双央:くっ、日頃の信頼が裏目に……(ころころ、ころころころ)……ダメ、23だよ。
F:「まぁ、お前の不安も判らんでもないさ。500は出すから、それで何とかしておくれ?」と慰められます。
陶双央:おばあさまのアホ〜……。
趙二英:……どう思う、花玉?
楊花玉:うーん、双央さんがあそこまで追い詰められるのも珍しいわよねェ。となると……少し上積みはしようかしら。連れていく兵は、こちらで選定しても?
F:どうぞ。(兵数カードを渡す)
楊花玉:ちょっと強めのを選んでおくから、他のこと進めてていいわよ。
陶双央:わたしはもう行動回数残ってません。
趙二英:アタシから3人、残ってるから。

趙二英 所属:徐州刺史陶謙配下(武官)
 武勇6智略5運営3魅力6 歩2騎2弓2
 突破3、包囲3、斉射3、訓練3、治安3、混乱2、偵察1、鼓舞1、威圧1、陣形4(鶴翼、偃月、衡軛、魚鱗)

趙二英:と云っても、アタシ情報収集とかはできないけど。
F:実際の戦場では頼れるンだろうが、こういう場では役に立たんな。
陳小理:じゃぁ、先に行動していい? 夢梅さんと親忠さんをお食事に誘います。お仲間だから親交を深めたい。

陳小理 所属:徐州刺史陶謙配下(文官・医師)
 武勇2智略4運営4魅力4 歩3騎1弓2
 治療4、偵察4、情勢3、伏兵3、話術2、補給2、鼓舞1、地理1、陣形1(偃月)

F:行動としては妥当だが、どうします?
盾親忠:……同意。
F:では、夢梅さんとしてもお断りする理由はないですね。
陳小理:どんなひと?
F:ちょっとふくよかなお姉さんだね。もう何年かしたら素敵な熟女になるであろう……はっ。
一同:じと〜……
F:こほん、まぁそんなキャラだ。ちなみに、子供好き。
陳小理:十年単位じゃなくて、何年後が熟女って……じゃぁ、小理ちゃんはツボか。
F:いや、むしろ「何でこんな子供が危険なお仕事してるの!」とお怒りだ。(注3)
陳小理:「あー、よく云われるっすけど、あたし子供じゃないっす。もういいトシっすから」
F:「それでも、もっと安全なお仕事ってあるでしょうに……」
陳小理:「いやいや。親のいないあたしを拾ってくれた姉さんたちのお役にたてるなら、ちょっとくらい危険でも平気っすよ。姉さんたちの代わりに戦うことはできないけど、姉さんたちの傷を治すくらいはできるっすから」
盾親忠:(くすっ)……「立派だね」
F:「ホントにねェ、こんなに小さいのに……」
陳小理:「小さいはよけいっすよぉ。……親忠さんは、もとのお国でどんなことしてたっすか?」
盾親忠:んっ……と。「……武将、かな。貴族の王子さまにお仕えして、いいとこまで行けたけど、負けちゃって」
陳小理:「流れてここに、っすか。割と残念な人生っすねー」
F:「はっきり云わないの」と、たしなめておこう。
盾親忠:「事実だから」……と、苦笑。
F:「……ふたりとも、いい子だねェ」と、おふたりの頭をなでなで。
陳小理:「はわわっ」
F:まぁ、仲は深まりました。友好ポイントにまる三つずつつけておいてください。
盾親忠:みっつ……ずつ。
F:アンタたちの間と夢梅さんに向けて。ただし、おふたりの行動はこれで終わりとします。その後ものんびりお食事しながら友好を深めた、ということで。
陳小理:あーい。
F:さて二英、どうする?
趙二英:んー……近くの巡回でもしておこうか。
F:えーっと、その場合は……ちょっと、ダイスひとつ。
趙二英:ん? (ころっ)2!
F:出目悪いな。じゃぁ、城を出て馬を走らせていると、前方から悲鳴が聞こえる。
陶双央:二英、ひとり?
趙二英:そのつもりだったけど……まぁいいわ。もちろん、駆けつけるわよ。
F:ほい来た。そこでは、小柄な少女が山賊っぽい連中に追われていた。
趙二英:いきなり「威圧」するわ。「この徐州で不埒を働くとはいい度胸ね!」と(ころころ、ころ)20!
F:えーっと(ころころ)……あ、出目が5か。10ポイント以上差がついたから、一喝だけで逃げ出すな。「げぇっ、趙二英!」「あれが!? 逃げろー!」と判りやすい反応をしてくれる。
趙二英:アタシ、そんなに有名じゃないと思うけど。
F:勇名はあるだろうな。追われていた少女は(ころっ)……抱きつく。「怖かったです……!」
趙二英:ねぇ、アタシ相手にそれ(注4)やるのやめない!?
F:文句ならサイコロの神サマに云え。少女は二英に抱きついてぴーぴー泣いている。
趙二英:「混乱」から回復するには「収拾」だったわね?
F:持ってないだろ、お前。まぁ、判定そのものはそれでいいぞ。運営での平目になるが。
趙二英:じゃぁもう一発「威圧」で黙らせるわ。(ころころ、ころ)21!
F:泣く子を黙らせるなよ! えーっと(ころころ、ころころころころ)……少女はびくっと震えて、泣きやんだ。
楊花玉:どんな泣きやませ方?
陳小理:英来々、英来々! って感じかな。「あたしだったらもっと泣くっすねー」
陶双央:いや、まず「収拾」4レベルにツッコもうよ。
趙二英:云われてみれば……?「もう大丈夫だから、落ちつきなさい」
F:「……あい」小声で少女はうなずいた。二英の服をつかんだまま「危ないところを、ありがとうでした」
趙二英:「……とりあえず離れなさい」
F:しっかりつかんで首をふるふる。
趙二英:腕ずくで離していい?
F:乱暴はよそうな。
趙二英:放ってもおけないか……「アンタ、名前は?」
F:聞かれた少女は眉をひそめ、右を見て左を見た。そして小声で「えっと……丁芙、です」
 テーブルのわきに置いてある、録音用のカセットレコーダー(年代物)に視線が集まる。
趙二英:……てーぷ、ねェ。
F:露骨に偽名なのは判るだろうが、そこはツッコんでやるな。それとも聞き出すか?
趙二英:うーん……「とりあえず、徐州城までは送るけど」
F:「お願いです……」と離れる気配がない。
趙二英:「城までよ!? そこから先は知らないからね!」いや、素で。
F:邪険にするものじゃないぞ。
陶双央:じゃぁ帰って来たところに通りかかる。「あら二英、およめさん?」
趙二英:攻撃していい?
F:そのひとになら止めんぞ。
楊花玉:私怨私情やめない?
趙二英:ちっ……「その辺りで、山賊に襲われてた子よ。ほら、降りて」と馬から下ろす。
F:降りるけど離れないぞ。ぎゅーっとしがみついたままだ。
趙二英:ホントに振り払いたい……って、コラそこ、何でエアそろばんしてるのよ。
陶双央:(ちょいちょい、ちょいちょい)……ふむ。「あ、怪我してるね」と云って、丁芙ちゃんの手を取る。
F:びくっと震えた丁芙ちゃんは、二英にうるんだ眼を向けるが。
趙二英:「手当はすべきよね」
陳小理:切り捨てた!
陶双央:「じゃぁ、こっちに来てねー」と政庁に連れ込んで、お風呂に入れようとするけど、抵抗するかな?
F:抵抗と云うか、二英から離れようとしないから、着替えやお風呂とかは二英がしなきゃならんことに。
趙二英:助けるンじゃなかったわ……。
陶双央:「じゃぁ、よろしくねー」と浴室に押し込む。
趙二英:何がしたいのよ、アンタは!?
陶双央:持ち物検査。パルティアが何か探してるって情報があったでしょ?
趙二英:……あったわね。
陶双央:じっくりたっぷり時間をかけて念入りにお風呂してあげて。その間に、何か持ってないか確かめておくから。
趙二英:判ったわよ……。
F:シナリオを完全に読まれてるのは、どうなんだろうなぁ……じゃぁ、この場合は「偵察」だな。判定をどうぞ。
陶双央:もってないから運営の平目……あ、「能吏」使えるよね。(ころころ、ころ)……16だね。
F:思わしくない数字ですね。衣服と着替えの他には、財布と携帯食と薬の入った包み、あとは護身用の短剣くらいです。スキルで「経理」か「製造」があれば、どれくらいの値打ちのものかも判りますけど。
陶双央:……花玉呼んでくる時間あるかなぁ。
F:二英のガンバり次第ですね。
趙二英:判ったわよ。「アンタ、きれいな肌してるわね」と、つーっと……
F:「あぅ、あうぅ……」と困ったように悶える。えーっと、オレもあんまりそーいうシーンはやりたくない(注5)ので、花玉さん登場でお願いです。ちなみに、さっき双央さんの云った怪我はないけど、少しやけどの痕がある。
趙二英:ふーん。
楊花玉:はいはい。「呼んだかしら?」
陶双央:かくかくしかじかで「何か、そういう感じのものってあるかな?」
楊花玉:えーっと、「経理」で判定すればいいのね?
F:どれをどんな意図で調べるのか、というのを事前に申告してもらえれば、判定値にボーナスもつけますが。
陶双央:まずは値段だけ。舶来ものならある程度高くなるだろうから。
F:ふむ……では、判定どうぞ。
楊花玉:ええ(ころころ、ころころころ)……ちょっと悪いわね、22だわ。
F:ですか……では、特に値打ちのあるものではないと判りますね。短剣こそ古びていますが、携帯食やお薬は割と新しいものですので、最近買ったものでしょう。服も珍しくない市販品です。
陶双央:……財布の中身は?
F:その前に。二英、どうするね? 判定一度につき友好ポイント1点だから、これ以上長引かせるとなると丁芙ちゃんがいらん期待を始めるが。
趙二英:さすがに、これ以上はまずいわよ!?
F:じゃぁ、次の判定でラストにしましょう。おふたりとも、何をどう調べるのか申告してください。
陶双央:甲斐性ナシ! えーっと、わたしは財布の中身の確認。花玉は短剣を調べて。
F:花玉さんはもう一度「経理」で判定。財布の中身は小粒金だけです。
陶双央:……さすがに、それを盗んで逃げたからって、わざわざ追い回すとは思えないなぁ。
楊花玉:そうね。こっちは(ころころ、ころころころ)……おっと、29ね。
F:では、揚州で買ったものだと判ります。呉の鍛冶屋の意匠が施されているのに気づけました。
陶双央:揚州から来た小さな旅人、か。うーん……外したかなぁ。
楊花玉:外したって?
陶双央:出目が2でこの子を拾ったなら、他の出目だったら別のイベントが起こっていたかもしれないでしょ?
楊花玉:イベントは何通りかあって、今回は外しちゃった?
陶双央:かもしれない。
F:さて二英、何か聞き出すならいまのうちだが。
趙二英:そうね……「アンタ、どこから来たの?」
F:「南の方……です。川を越えて来ました」(注6)
趙二英:……いくつくらいの子?
F:小理ちゃんレベルだね。設定できる最年少くらい。
趙二英:川って、長江よね。「どこに向かってたの?」
F:「根なし草なので、どこということは……拾ってもらえて、ありがたかったです」
趙二英:「ふーん……まぁ、拾ったから、しばらくは面倒みてあげるわよ。流すわよ」と、お湯をざばーっ。
F:うっとりした表情でされるがままになっている。
陶双央:この年代で、揚州から来た……うーん、いくらでも候補者いるなぁ。誰なんだろ。
F:では、本格的に面倒をみると決まったところで、お前にコレをやろう。丁芙ちゃんのキャラシート〜。
趙二英:アタシに何をしろっての!?
F:いつぞや触れた副将システムだ。武器分類が同じだった場合には武勇を、智略・運営が高かった場合はその数値を使用できる。また、副将のスキルも使えるようになる。常駐スキルは使えないが。

丁芙(偽名)「はっきり偽名って書くな!」
 武勇1智略3運営4魅力6 歩1騎4弓1
 収拾4、話術3、仙術3、外国知識(西戎)3、補給2、応急処置2、信心、陣形1(衡軛)

趙二英:……コイツいたら、小理いらないンじゃない?
F:平時でなら小理ちゃんの代わりとして使えるスペックだよ。
楊花玉:でも、「仙術」も「信心」も魔法系スキルよね? そんなの持ってるなんて……
陶双央:誰なの、この子……? まるで判んない……
 過ぎたるは及ばざるがごとし。ふふふ。



注1 前回のシナリオで得たポイントを全部つぎ込んだらしい。割と優遇しているし、もと商人の割にはもともと低かった、というのが実情だし。
注2 便利すぎた「計略」を用途ごとにバラしたひとつ。相手を混乱させる……そのままですね。
注3 15歳未満のこどもを戦場に出すのは「こどもの権利条約」で禁止されています。
注4 カットしたが、リプレイ2で村娘と似たようなことをしていた。ていうか、学生時代よく下級生にやられていた。
注5 「エロいこと」ができるルールもあるのだが、現状では割愛。
注6 嘘は云っていない。

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