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恋姫無双RPG Vol2.01 リプレイ 2 「趙二英、雷薄を退けるのこと」

F:というわけで、花玉さん戦線復帰。
楊花玉:どーもー。
趙二英:ちっ……。
F:舌打ちすんな! 双央さんのプレイヤーと違って、4月回ればある程度手が空くンだから。
楊花玉:お姉ちゃん、露骨に歓迎されてないわねェ。
趙二英:まぁ、文句は云わないけどね。
F:とりあえず二英、スキル「訓練」で判定して。いくつになる?
趙二英:ん? (ころころ)……22ね。
F:じゃぁ、普通に成功。内政フェイズは終了になります。
趙二英:アタシ、何したのよ?
楊花玉:状況が判んないわねェ。
F:前回やった山賊の討伐は、武将の日常業務ではない。武官は基本的に警邏か訓練に従事している。つまり、シナリオとして取り上げるのは日常的ではない業務・任務で、シナリオとシナリオの間で、武将は日常業務をこなしている。
趙二英:……続けて。
F:武将と云ったが、武官でも文官でも宮仕えである以上任務がある。働かざる者なんとやらだ。そこで、それぞれの業務を達成できたかの判定をする。成功すればちゃんと給与が支払われるだろうし、失敗したら減俸される。大成功だったら賞与が出てもいいだろう。
趙二英:アタシは、山賊討伐から帰って今回のシナリオまでの間、兵の訓練に従事していて、それに成功したワケね?
F:そゆこと。もちろん、双央さんなら行政、花玉さんなら物資の調達と云ったように、それぞれのスキルに併せた任務が割り振られる。お前の場合は「訓練」がいちばん高かったから訓練が任務として与えられたワケだ。
楊花玉:じゃぁ、お姉ちゃんは「補給」で?
F:そうなりますね。物資の調達ができたかを判定してください。
楊花玉:えーっと……(じゃらじゃら)
趙二英:サイコロいくつよ?
楊花玉:「補給」4レベルだから6つね。よっと(ころころ)……26だから、運営の5を足して31になったわよ。
F:達成表どこだったかな(確認中)……うん、大成功と云っていいレベルですね。補給ポイントを31点得られましたが、これは兵士カード1枚が1ヶ月喰いつなげる分量です。花玉さんは、陶謙さんにおほめの言葉を頂けます。
趙二英:アタシの「訓練」は?
F:兵士カードの訓練度、要するにレベルが上がる。22だと(確認中)……1レベルの部隊ふたつを2レベルにするか、2レベルの部隊ひとつを3レベルにするか、だな。その辺の判断は任せる。
趙二英:ふむ……そうね。
楊花玉:ちょっと待って。それはマスター判断じゃない?
F:はい?
楊花玉:だって、どの部隊を訓練するのかは、実施する武将の選べることじゃないでしょう? 上司か君主が決めることだと思うわ。
F:……二英、どう思う。
趙二英:正論ね。
F:では、いいでしょう。2レベルの部隊を3レベルに上げて……えーっと、ちょっと時間くれ。その辺システムに反映させておくから。

・ルール変更
 日常業務「訓練」の対象となる兵士カードは、GMが選ぶものとする。
 ただし、実行武将の希望はある程度容れられる。

F:……よし、おーらい。内政フェイズが終わったので、次は収入フェイズです。まず、各武将には役職に応じた給与が支給されます。
楊花玉:お姉ちゃんには、ちょっとボーナスがつくのよね?
F:ですね。大成功を収めた花玉さんは、臨時ボーナスで3割増になります。
趙二英:けっこう大きいわね。
F:で、二英には前回のシナリオ分の経験点も入る。えーっと(計算中)……13点だな。それを使って、武将を成長させておくように。で、必要な物資・装備品なんかあったら今のうちに購入。
楊花玉:ワタシには経験点なし?
F:その辺りを調整したポイントで武将を作成してもらったつもりですので、今回はナシです。
趙二英:えーっと……花玉、アンタのキャラシート貸して。あと、小理のも。
F:はいはい。
 キャラクター同士で弱点・欠点を補いあうのは、成長のさせ方としては正しい。
F:終わったら、Vol2.01での追加要素『武力値』を設定してもらう。
趙二英:『真・恋姫』であった奴?
F:そう、それ。陣形と併せて、システム化のめどが立ったンでな。一緒に説明しようと思って、花玉さんもこの点は未設定だ。なお、ツッコミは常時受けつけているので。
趙二英:不満ならいつでも云うように、ってコトね。
F:お手柔らかに頼む。『真・恋姫』での武力値は、戦闘イベントで使う、事実上の能力値だ。3ルート44人+3人の武将全てに設定されていて、陣形での修正値と併せて、各戦法の攻撃力を左右する。
趙二英:プラス3人って?
F:味方になる武将は蜀ルートで20人、魏ルートで15人、呉ルートで9人(それぞれ最大値)だが、華雄・袁術・張勲の3人は、どのルートでも味方にはならんのだ。ただし、武力値そのものは設定されている。
楊花玉:敵として出てたものねェ。
F:『騎・槍・弓の3つ』『最大6、最低でも1』などある程度パターンがあるので、それにのっとって決めてもらう。というわけで『騎兵』『歩兵』『弓兵』のみっつに6点を割り振ってくれ。さっきも云ったが、最大は6で最低でも1。
楊花玉:最低が1なら最大でも4よ。
趙二英:『恋姫』登場武将にはひと回り劣るってこと?
F:いや、華雄並み。敵として出るときに『魚鱗陣(2・1・1)』で5・3・2だから、武力値は3・2・1となり、他武将より合計で2点低いンだ(注1)

『真・恋姫』での武力値
合計9:関羽・曹操・孫策
合計6:華雄
合計8:他43人

楊花玉:3人だけ少し強いのね?
F:旧『恋姫』での各勢力メインヒロインですから(注2)
趙二英:で、アタシらはひと回り弱い武力値になる、と。
F:ある程度昇進すれば2点増えるが、基本システムではそのレベルになっている。『恋姫』武将からは1ランク下にいると思ってくれ。
楊花玉:それじゃ仕方ないわね。
趙二英:……その増やせるタイミングで、武力値そのものを変えられる?
F:不可。要するに成長したンだから、根本を変えることはできない。
趙二英:じゃぁ、割と慎重に決めないといけないわね。
楊花玉:お姉ちゃんは1・1・4で。
趙二英:聞きなさいよ!
楊花玉:前に出るのは二英さんに任せるわよ。本陣を守るワタシには防御性能さえあれば充分だもの。
趙二英:……2・2・2ね。どの戦法でもある程度戦えるようにしておかないと、前衛は張れないわ。
F:おーらい。で、各自1D6。
趙二英:ん? (ころころ)……4。
楊花玉:(ころころ)2ね。
F:そのレベルの智謀系スキル「陣形」をあげよう。同じ個数の陣形を使えるので、例によって高い方が有利。
楊花玉:先に云ってほしかったわね……。
趙二英:ちょっと待って。スキルって、担当する能力値までしかレベルを上げられなかったわよね?
F:うむ?
趙二英:じゃぁ、最大で6つの陣形しか使えないことになる?
F:そもそもの『真・恋姫』でも、陣形は最大で5つしか持っていない。お前、孔明や曹操や周瑜に陣比べで勝つ自信があるのか?
楊花玉:その3人しか、5つ持ちはいないの?
F:いませんな。というわけで、4つ持っている二英がむしろ高いと思っていいよ(注3)。レベル分の陣形を選んだら、今回のシナリオに入る。


F:というわけで、村を襲ってきた賊を、君たち……というか、趙二英が退けたのが前回。オハナシはそこから再開です。通常業務に就いていた二英のところに、小理ちゃんがひょっこり。
A:ひょっこり。
楊花玉:何してるの、アキラ?
A:なんか翡翠ちゃんの代わりって呼ばれた。「二英ねぇさぁん、太守様がお呼びっす〜」
趙二英:「判った、すぐ行くわ」
F:……いや、待てよ? 通常業務はいいが、どっちをしていた? 1D6。偶数なら練兵所、奇数なら警邏で市街。
趙二英:ん(ころころ)……5。街の巡回に出てたわね。
F:じゃぁ、その任務は小理ちゃんが引き継いだということで。
趙二英:「大丈夫なの?」
A(陳小理):「大丈夫っすよぉ」……でもないな。スキル「警備」持ってないし。
F:まぁ、いいか。じゃぁ、政庁に顔を出した二英を、花玉さんが迎えます。
楊花玉:「お帰りなさーい。お風呂にします? ごはんにします? それともワ・タ・シ?」
趙二英:(青筋ひくひく)……アンタ、いつもこんな真似してるンじゃないでしょうね?
F:十数年前に誰かさんもやっていただろうが、文句を云うな。
趙二英:ったく……「冗談はやめなさいよ」
楊花玉:ふふふ。
趙二英:「太守から呼ばれたンだけど、アンタなにか知ってる?」
F:(メモを回す)
楊花玉:えーっと「あぁ、西の村から、先日のお礼を云いに来たひとが来ているそうよ」
趙二英:「わざわざ? 義理硬いわね……」
楊花玉:「ワタシも臨席することになってるから、行くわよー」
趙二英:何でコイツまで?
F:はいはい、というわけで執務室。陶謙さんと、先日村で会った、村長の御息女が談笑しています。
趙二英:「徐州軍第二部隊隊長、趙二英! お召しにより出頭しました!」
F:……別にかまわんが、勝手な役職を名乗らんように。「あぁ、来たね」といつもの台詞とともに、陶謙さんはおふたりを迎え入れます。お嬢さんも嬉しそうに顔を上げて……はい。
A(村娘):「隊長様、その節はお世話になりました。村を代表して、お礼の言上にうかがった次第です」
趙二英:「気にすることじゃないわ、職務を果たしただけなんだから」
A(村娘):「まぁ、何とご立派な……ぽっ」
趙二英:……いま、何か語尾に聞こえたわね。「それで、その後は大丈夫なの?」
F:いちおう、あのあと山賊のねぐらも攻略したことになっているから、事後には問題は起こっていませんね。
A(村娘):「ということです」
趙二英:略さない。
F:「それなんだよ、実は」と、陶謙さんはやや真顔で口を挟みます。「何だって山賊が襲ったのかが判らないのさ。いくら治安が悪いからって、あんな実入りの悪い……いや、もとい」
A:実入りが悪いと云われて、娘さんはちょっと申し訳なさそうに恐縮して「はい……うちの村は税を納めるのがやっとの、小さな寒村です。眼をつけられる理由なんて……」
趙二英:手頃だったから、とか?
F:それは、プレイヤーとしての発言? それとも趙二英として?
趙二英:……口に出すわね。「あの村を抑えて、ひと旗挙げようとか考えただけでは?」
F:「あたしが賊ならあんな村は襲わないね。第一に、根城にするには実入りが悪い。第二に治所、つまりこの城に近すぎる。現に、あんたが行ってくれたらすぐに鎮圧できたろう?」
趙二英:そうね……云われてみれば。
F:「まぁ、そんなワケさ。お前さん、悪いがもう一度あの村に行って、その辺りを調査して来ておくれ。双央の奴がいてくれればいいンだけど、あの子が留守では頼れるのが他にいないのさ」
趙二英:「そこまで二英を買っていただけるとは光栄です」
F:「で、今度は小理がお留守番さ。花玉、同行しておくれ」
楊花玉:「心得ました」
趙二英:そっちのが頼れる……とは云わない方がいいわね。「了解であります」
F:そんなワケで出陣命令は出たけど、その前に準備が必要になる。各自、何をするのか申告してくれ。
楊花玉:お姉ちゃんは、兵と物資を用意するわね。丸腰じゃダメだもの。
F:はい、おーらいです。えーっと、陶謙さんは兵300と10日分の物資を用意していました。
楊花玉:兵数にちょっと不安があるわね……さて、どうしたものかしら。
趙二英:兵の増強には、さすがに太守の許可がいるわよね?
F:そうですね。
楊花玉:んー……ちょっとパス。二英さん、どうぞ。
趙二英:前の戦闘で、捕虜が出たのよね?
F:いますね。いちおうこの城まで連行して、ひとまとめに牢に放り込んでいます。
趙二英:尋問できる?
F:大丈夫ですよ。えーっと……スキル「威圧」で圧倒するか「話術」で丸めこむかでしょうね。
趙二英:アタシ、「話術」なんか持ってないわよ。(ころころ)……18。
F:んー、張飛大王とタイマン張ってたらボーナスつけてもよかったンだけど、あの態度では望むべきもないな。いちおう、尋問は成功する出目だな。
趙二英:「アタシが誰なのか云ってごらんなさい」
F:「大王を打ち破った将軍さまでさぁ!」と、怯えています。
趙二英:「何であの村を襲ったのか云ってごらんなさい」
F:「大王が、あの村を襲えと命じたのでさぁ!」と、怯えています。
趙二英:「その大王はどこから来て、何であの村を襲ったのか云ってごらんなさい」
F:「先月くらいに突然現れて、前のお頭を殺したンでさぁ! で、手近な村を襲ったンでさぁ!」と、怯えています。張飛大王は先月現れて、手近ということで村を襲った……くらいのことしか聞けませんね。
楊花玉:そんなところじゃないかって思うものねェ。
趙二英:それじゃ文字通りオハナシにならないわよ。ていうか、いない奴は口を出さない。
F:花玉さん、いまどちらに?
楊花玉:えーっと? ……出陣準備済ませて、政庁の玄関辺りで二英さん待ってるのかしら。
F:では、二英が来る前に、兵士が入ってきます。「あ、楊隊長。ちょっとお耳に入れたいことが……」
楊花玉:「どうかしたの?」
F:兵士は小声で「実は、第四部隊の陳隊長が、警邏をサボって遊んでいまして」
楊花玉:「あの仔、まだちっちゃいものねェ」
F:「そういう問題っすかね?」
楊花玉:「いいわ、注意しておくから」
F:「お願いしますね、ホントに……」と、兵士は立ち去ります。そこへ二英が登場。
趙二英:「実入りのある話は得られなかったわ」
楊花玉:「お疲れ様。それでね、小理ちゃんが遊んでいるそうなのよ」
趙二英:「あのガキは、師匠に似ないでサボり癖があるンだから……。いいわ、叱ってから出ましょ」
F:はいはい。では……えーっと、見つけられるかの判定だな。各自が判定を3回する間に見つけられないと、あのガキは師匠の薫陶よろしくお仕事に戻ってしまいます。さぁどうする?
趙二英:そうね……その辺りにいる兵士を呼びとめて、居場所を知らないか聞いてみるわ。
F:じゃぁ智略にスキル「警備」で判定。
趙二英:(ころころ、ころころ)……合計20。
F:20か……兵士からは、最後に見たのが西地区だという情報を得られます。
楊花玉:そこでワタシが、西地区を自分で探すわね。
F:その場合は、運営に「偵察」でどうぞ。
楊花玉:(ころころ、ころ)あら……低いわ。15ね。
F:うーん、その出目だと見つかりませんね。
趙二英:探し方の方向性は正しいワケね。……でも、「偵察」は同レベルで運営の低いアタシじゃ、さらに悪い結果しか出せないでしょうし。
楊花玉:うーん……あまりしたくないけど、最後の手段を使うしかないかしら。
趙二英:何よ?
楊花玉:双央さん呼ぶの。
F:土下座するからそれは許してください!
楊花玉:じゃぁ、どうしようかしらぁ?
F:……では、友好ポイントを使ってみましょう。
趙二英:何それ。
F:原作『恋姫』の拠点フェイズでは、各ヒロインに会うことでイベントが進行し、関係が深まる。同様に、ともに過ごすことで関係を深め、判定に修正を得ることができるものだ。
楊花玉:ワタシと二英さんが共同作業する場合、ワタシたちがどれくらい仲がいいかでボーナスがつくのね?
F:単純に申し上げればそういうことです。
趙二英:で、どれくらいつくの?
F:関係の深さと方向性によります。あなたたちは、真名を交わした関係でしたね? よって、それ相応の友好度があると考えられます(注4)。いちおう、指針としては3ポイント以上で「自分の意思で真名を伝える」となっていますので。
趙二英:アタシが北方にいた頃からのつきあいで、徐州に来てからは同じ戦場で命張ってた関係だものね。
F:7ポイントくらいあるンじゃないかなぁ。
楊花玉:でも、あまり仲はよくないわよね?
F:ですね。『真・恋姫』では、馬岱と魏延、夏侯惇と荀ケのように、関係は深いのに仲が悪いというものがあります。友好ポイントにはマルとバツがありまして、時間の過ごし方がまずかった場合は×ポイントが重なることになりまして。
趙二英:問題なく過ごせた場合は○ポイントで?
F:選択肢を間違えたり怒らせた場合(注5)は、×ポイントになるワケです。当然ながら×ポイントは、判定の際にペナルティとして悪い影響を与えます。使い方としては、1シナリオで、○ポイントの数だけボーナスを、×ポイントの数だけペナルティを起こせます。いずれにせよ数字は友好度に等しいものです。
趙二英:……えーっと、○3つの相手より○1つ×3つの相手の方が、修正値は大きいってコト?
F:というか、そういう相手の方が関係は深い、ということ。気は合わないけどいざというときは力を合わせられる、好敵手とかそういう関係だな。もちろん×全部なら完全な敵対者だが。
趙二英:アタシたちの場合は……?
楊花玉:ポイントが7なら、○4つ×3つってところかしらねェ。
F:否定はしないな。よって、1シナリオで最大4回、おふたりの共同作業は+7の修正がつきます。ただし、最大3回−7の修正がつきますが。
楊花玉:大きすぎるペナルティなのねェ。
F:で、使いますか?
趙二英:……使う?
楊花玉:使おうかしら。
F:では、使い方です。友好度は何ポイントあっても、至近の6点分で判定します。1D6の出目に相当する箇所にあるのが○か×かで、ボーナスになるかペナルティになるかが決定します。で、出た箇所のポイントは、シナリオ終了まで使えなくなります。
趙二英:アタシたちの場合は……?
・二英−花玉間の友好度(7)
 (1←)○×○○××○(→7)
楊花玉:うーん、修正値はともかく近い方6つだととんとんねェ。
趙二英:2・5・6だとマイナスで、1・3・4だとプラス……(ころ)あ、2だわ。
楊花玉:あらあら、ここぞとばかりに。
F:じゃぁ、一緒に探したものの、互いに足を引っ張りあっていい結果を出せなかったことになります。運営に「偵察」で−7ペナルティの判定をどうぞ。
趙二英:成功できるワケないでしょうが! (ころころ、ころ)出目が7よ!
楊花玉:ワタシは(ころころ、ころ)うーん……出目は14だけど7引いて、合計で12?
F:さっきより下がりましたね。じゃぁ、結果も推して知るべしということで。
趙二英:ええぃ、こうなったら意地でも見つけてやるわ! もう一回友好ポイント使って!
楊花玉:今度はワタシが振るわよ?
趙二英:……それは認める。
F:では、3度めの判定になります。今回成功しないと、探されているのを察した小理ちゃんはお仕事に戻って、サボっていたのをごまかしますので。
楊花玉:では、僭越ながら……(ころ)3ね。
F:今度はボーナスですね。では、運営に「偵察」で+7ボーナスの判定をどうぞ。
趙二英:よし、今度こそ……(ころころ、ころ)嵐!?
 サイの目は3つとも、ピン。
F:5倍付は久しぶりに見たなぁ。
趙二英:何で、何でこんな出目が……!?
剃った奴:お前にギャンブルの才がないのは重々承知しておる。身体賭けたブラックジャックでボロ負けして下の毛まで剃られたのに、いまだに懲りてないンだからなぁ。
楊花玉:お姉ちゃん、むしろある意味凄いと思うわ。(ころころ、ころ)とりあえず、ワタシは合計25よ。
A:あ、それだと見つかった。
 小理ちゃんにスキル「伏兵」で判定してもらい、その数字との対抗判定をやっていた。23以上で成功。
趙二英:ここで会ったが百年目よ!
楊花玉:落ちつきなさい、ピンゾロ女。小理ちゃんは何をしているの?
F:辻占いのオハナシを神妙に聞き入っていますね。
趙二英:……アタシたち、その占い師と面識あるわよね?
F:そうですね。管輅さんは筮竹をじゃらじゃらやりながら「あら、お久しー」と、相変わらず魔女みたいなとんがり帽子と魔女みたいなマント姿で子供たち(小理ちゃん含む)に囲まれています。
A(陳小理):「おぉー、すっげーっす〜。じゃぁ、あたしの晩ごはんを占ってほしいっす!」
F(マジで用意した筮竹を手にする):「しんごん、たりつ、はらぼりつ、からんさんてん、そぶぁか!」
楊花玉:お兄ちゃん!
趙二英:何始めたのよ、アンタは!?
 妖教立川流のマントラ。双央さんなら判っただろう。
F:「……うん、キミの晩ごはんは軍用食ねっ!」
趙二英:……「アホな子相手に何やってンの?」
F:「路銀を稼いでいるンだけど?」
楊花玉:「……小理ちゃん、お仕事に戻りなさい。ワタシたちが出陣するから、アナタがお留守番でしょ?」
A(陳小理):「えぇ〜、あたしもっと聞きたいっすよぉ。じたばたじたばた」
趙二英:えーじろ、コイツ、アタシより年上なのよね?
F:うむ、信じがたいことにオレと同い年だ。だからお前もえーじろ呼ぶな。
趙二英:とりあえず、小理回収して戻るわ……。何のために友好ポイント使ったンだか判んない。
F:では、管輅さんは子供たちを相手に辻占いを再開しましょう。
楊花玉:あ、ちょっと待って。「占い師さん、少しいいかしら? これから西に向かうのだけど、ワタシたちのことを占ってくれる?」
F:「心得ました」と、筮竹をじゃらじゃら。「しんごん、たりつ、はらぼりつ……」
趙二英:へんな呪文唱えるな!
F:と、管輅さんの手が止まります。
楊花玉:こら。
趙二英:……いまのは、プレイヤー発言。
F:管輅さんは、銀色の瞳を少し細めた。「西にある村に?」
楊花玉:「……ええ?」
F:では、その銀の瞳がトランス状態になり、懐から1枚のカードを抜き出します。「The World……世界。その意味するところは……達成
趙・楊:ごくり……
F:「――得らるるは、白き衣纏いし宝
趙二英:宝……?
F:「以上!
趙二英:「それだけなの!?」
F:素に戻った管輅さん、平然と「そうは云われても、天機をもらすのは好ましいことじゃないのよ。まぁ、自分たちでしっかりやってね」
趙二英:えーっと……村娘、ついてきてる?
F:来ないでしょうね。
趙二英:そうよね……。
楊花玉:白い衣……白い器に入ったような財宝ねェ。「それっぽいものがあったの?」
趙二英:「記憶にはないわよ」
楊花玉:「まぁ、張飛大王とやらもそれを知って、村を襲ったいうところかしらね。ある程度はつながったじゃない」
趙二英:……ん?
楊花玉:どうかしたの?
趙二英:いま、何か来たわ……アタシの頭に。何かが……何か? なんだろ……管輅を呼びとめる!
F:ちっ、気づいたか。「はい、なに?」
趙二英:「アンタ、その話どれくらい広めた?」
F:「基本的に、行く先々で喋ってるよ?」
楊花玉:……殴っていいかしら?
趙二英:「じゃぁ、この城に来る前はどこで誰に?」
F:「えーっと、荊州ね。袁術ちゃんが興味深そうに聞いてたわ」
趙二英:……なるほど。
楊花玉:つながったわね。
A(陳小理):「どーいうことっすか?」
趙二英:「このヘボ占い師が、袁術に『あの村に財宝があるわよ〜』って吹き込んだせいで、山賊使ってちょっかい出してきたのよ!」
F:「誰がヘボよ、誰が」
楊花玉:「うかつにオハナシ広められたら、こっちが迷惑するものねェ」
趙二英:ええぃ、状況は判った! とりあえず、村に直行するわよ。そのお宝とやらを確保して、こっちの城に……
F:「しんごん、たりつ、はらぼりつ〜」じゃらじゃら。
趙二英:「……他に何か云うことは?」
F:「占いとしては特にないわよ」
楊花玉:占いではない何かがある……か。「話術」で聞き出せるかしら?
F:お相手しましょうか。先に云うと(ころころ、ころころころころころ)出目が悪いな、33ですね。
楊花玉:「話術」5レベル!? 4D6+5(「話術」2、運営5)じゃ33なんて数字出せないじゃない!
F:残念でした。「しんごん、たりつ、はらぼりつ〜」じゃらじゃら筮竹を鳴らしながら、管輅さんは歩いていきます。
A(陳小理):「行っちゃったっす」
楊花玉:うーん……?
趙二英:「政庁に戻るわよ」
F:おや、智略判定は必要ないか。
趙二英:「あっちは論破できなくても、太守は論破できるでしょうね」
楊花玉:「陶謙さん? まぁ、そっちならたぶん……でも、何で?」
趙二英:あてにならない非正規軍が失敗したら、正規軍を動かそうって思うでしょうが。となれば、数も増えるのが目に見えてるわ。山賊300で失敗したら、正規軍……500ないし800、それくらいが来るわ。
楊花玉:……あ。
F:なにしろ『真・恋姫』の袁術ちゃんは、悪い方向に頭が切れるからな。お宝のためなら、国境侵犯くらい平気でやってのけるだろう。
楊花玉:なるほど「……じゃぁ、その辺りを説明して、多めに兵数を引きだすのがワタシの役割なのね」
趙二英:「それくらいはやってもらなわいとね。期待してるわよ……花魁」
楊花玉:「……あら」
趙二英:「……ふん」
F:友好ポイントに○つけておいてください。陶謙さんは基本的に、兵数の増強には応じますが、どれくらいを要求するか、また論理立てて説明できるかで態度や反応は変わります。まぁ、実際に僕を論破してもらってもいいですが、例によって判定でいいでしょう。
楊花玉:助かるわ……。
F:真顔でほっとしないように。えーっと、こちらは(ころころ、ころころころ)……22ですね。
楊花玉:大丈夫、だいじょうぶ……(ころころ、ころころ)6、6、6、5。サイの目だけでも超えたわね。
F:……なんだろう、この、期待を裏切らない絆のちからは。
趙二英:いや、ここまでしろとは云ってないわよ、アタシ……
F:まぁ、出ちまったモンは仕方ない。「判った、お前たちに任せよう。小理も兵も好きに使ってかまわないよ」と、大盤振る舞いしてくれます(注6)
楊花玉:じゃぁ……800くらい?
趙二英:そうね、補給ポイントなしでも動ける3万の兵が城を離れてるなら、そんなに多くは出せないわ。
 ……双央さんと戦うなら10万くらいは動員しないと負けるのは、過去2回のリプレイで理解しましたがね、ええ。
趙二英:では、「徐州軍第二部隊隊長、趙二英! 出陣します!」
楊花玉:「同じく第三部隊隊長、楊花玉。行ってまいります」
F:「ああ、任せたよ」と陶謙さんは見送ってくれますね。
A(陳小理):「じゃぁ、あたしも出陣するっす〜」と、小理ちゃんはちょっと緊張感のない様子で続こう。
 出征していく軍を見送る管輅さんが、じゃらじゃら筮竹を鳴らしながら「だから、軍用食だって云ったのに」とか何とか呟いたとか、呟かなかったとか。


F:では、再び村についた皆さんを、思わぬ大軍に驚いた村長さんが迎えます。「隊長様、これはいったい何事で?」
趙二英:「この村にあるという宝を狙って、袁術が兵を出す恐れがあるのよ」
F:「はぁ、お宝で……?」と、村長さんは戸惑っている様子。
A:じゃぁ、二英さんのうしろから、娘さん顔を出して「父さん、そのお宝を隊長様にお預けして?」(注7)
F:すると村長「いや、そんな大したものに心当たりはありませんぜ?」と戸惑っている様子。
楊花玉:……村の近くにあって、まだ発見されていないのかしら?
趙二英:じゃぁ、アタシたちで探した方がいいわね。村に兵を残して……
F:そこへ、兵士が駆け込んできます。「伝令! 西方より、500前後とみられる部隊が接近中です!」
趙二英:兵数では勝ったわね。「村長、家にこもって出てこないよう徹底して! 花玉、小理、迎撃準備!」
楊花玉:「心得ました」
F:じゃぁ、近づいてきた部隊は、寡兵なのを察して進軍すとっぷ。ややあって、指揮官っぽい女が前に出てきます。
A:「袁術軍にそのひとありと云われた、雷薄とはあたしのことじゃー。村長、とっとと前に出るのじゃー」
趙二英:雷薄か……紀霊じゃなくてよかったわ。村長を留めて、アタシが出るわ。
楊花玉:見送りましょう。
趙二英:……アンタね。
 判断としては正しい。前に出たところをいきなり襲われ、何かあった場合に備えておく必要がある。
趙二英:「徐州軍の趙二英よ。袁術軍がこの村に何の用?」
A(雷薄):「この村にあるというお宝をよこすのじゃー。拒むなら攻め滅ぼしてやるのじゃー」
趙二英:ふむ……「お宝? なにそれ」
A(雷薄):じゃぁ、しまったという表情をして「いや、何でもないのじゃー。とりあえず、村を明け渡すのじゃー」
趙二英:「村がほしいなら明け渡してもいいけど、住民は荷物まとめて出ていくわよ?」
A(雷薄):「住民はいなくてもいいけど、荷物はおいていくのじゃー」
趙二英:「それじゃ村人出ていけないわよ。もちろん、アタシたちも残らざるを得ない」
A(雷薄):「……村人はいていいけど、あんたたちは出ていってほしいのじゃー」
趙二英:「いちばん手っ取り早いのは、アンタたちが引きあげることよね」
A(雷薄):「えぇ〜い、面倒なことは嫌いなのじゃー。ガタガタ云うなら攻め滅ぼしてやるのじゃー」
趙二英:「うだうだ云ってないで、早くかかってきなさい!」と、いきなり「威圧」(ころころ、ころ)で、21。
A(雷薄):えーっと? 「鼓舞」1だから(ころころ、ころ)……9です。
F:じゃぁ雷薄は落馬して……いや、差が10以上だから、ひと回り被害がでかいか。率いている兵たちにも動揺が広がった。不意打ちは効くなぁ。
A(雷薄):「ううぅぅ〜っ! あたしを舐めるンじゃねーのじゃー!」と本人は憤るけど、兵たちは震えあがり?
F:そうなる。袁術軍の士気が−2で戦闘スタートだ。
趙二英:アタシに300、村にもう300……んー、でも小理に200預けても、村から出さないと意味はないか。
楊花玉:ワタシも出ることになりそうねェ。
F:えーっと、小理ちゃんをどっちかの副将につけることも可能。
趙二英:また妙なシステム変更があったの?
F:妙ではないがな。兵数に余裕がなかったり、部隊を増やしたくない場合は、部隊を率いる部将の下に副将としてつけることも可能にした。このとき、武勇は部将のものに加算され、副将の智略・運営が部将より高かった場合はそちらで使うことができる。
楊花玉:副将の技能は?
F:それも使えます。つまり、小理ちゃんを連れて戦場に出て、負傷者が多くなったら「治療」を使う、というのが可能です。さらに、副将との友好度を使って攻撃力を増やすことも可能。
趙二英:副将……部隊……ふむ。「花玉、村の守りにどれくらいの兵数がいる?」
楊花玉:「300いればいいとは思うわね」
趙二英:じゃぁ、アタシが500率いて、花玉に200、小理に100。
楊・陳:コラ。
趙二英:戦場で「治療」していたら、攻撃の手が休まるでしょうが。その辺りは明確に区分しないと、手数に響くわ。
F:考え方としては問題ないな。
趙二英:アタシの役割は、後ろに敵を通さないこと。後ろのことはアンタたちに任せるわ。
楊花玉:死亡フラグ立てちゃダメって、前に云ったじゃない……もぉ。
 そう云って、実際に死んだ前のリプレイを懲りていないらしい。

1日め行動順
 花玉隊(200)→小理隊(100)→二英隊(500)→雷薄隊(500)

第1ターン






















雷薄


村(本陣)
趙・楊・陳























楊花玉:お姉ちゃんは、とりあえずこのターンはすることがないわねェ。
趙二英:「鼓舞」もないの?
楊花玉:「威圧」ならあるけど、「鼓舞」も「治療」もないわ。パス。
趙二英:……なんか、似あいのスキルね。
F:アキラが雷薄隊やるので、小理ちゃんは僕が代わろう。スキル「鼓舞」で(ころころ)……成功。徐州軍全部隊の士気が+1されます。
趙二英:じゃぁ、アタシは前進。……「威圧」できる?
F:さっき使ったばかりだろうが。前回「何で小理は『鼓舞』を何度も使わなかったの?」と聞かれたが、同じスキルは1日(3ターン)に1度しか使えないと規制している。
趙二英:じゃぁ、アタシも行動終了。
A:雷薄、いきまーす。前進して、二英隊に攻撃。「魚鱗陣を敷くのじゃー!」
趙二英:魚鱗……じゃぁ、方円陣を敷いて、これ(戦法カードを1枚、伏せて出す)。
A:こっちは、コレで(伏せて出す)……勝負!
 二英隊:『突撃』○ vs ×『射撃』:雷薄隊
A:いっ!?
趙二英:甘い。えーっと、優勢相性だから『突撃』レベルが倍になって?
F:戦力値と陣形分、ダイスが増える。方円陣は『突撃』に修正がないから、お前の戦力値分のみ。
趙二英:じゃぁ『突撃』が4D、戦力値でもう2つ、兵数カードの攻撃力が2D6+3で士気と武勇を足して……8D6+13から+10が5セット。計算機!
F:さすがに暗算しろとは云えんなぁ。
 ころころころころころころころころ×5
趙二英:216!
楊花玉:死んじゃうわねェ。
A:こっちは85。訓練度は五分でも戦法で劣勢だとダメージがケタから違うね。
趙二英:……意外と痛いわね。
A:こっちほどじゃないだろーがね。えーっと……うん、まだ挽回可能のはず。

第2ターン
























雷薄
二英
村(本陣)
花玉・小理























楊花玉:では、お姉ちゃんは「威圧」を実行するわね。
A:むっ……。
楊花玉:(ころころ、ころ)……あら、出目がいいわ。合計で22よ。
A:出るかい! えーっと、「鼓舞」と武勇で2D6(ころころ、ころ)18か……。
F:士気がゼロまで落ちたか? それだと。えーっと、小理ちゃんはやることがないからパス。
趙二英:じゃぁ、アタシはスキル「計略」を実行。
F・A:……はい?
F:おい、いつの間にそんなモン修得した?
趙二英:さっき、2レベルで持っておいたわ。「計略」の「相手を混乱させる」で(ころころ、ころころ)……23。
A:えーっと……どうするの?
F:智略と理性(注8)と士気、あとスキル「収拾」があるならその分のダイスがつくけど……何もないよね。
A:智略も理性も1で士気がゼロだから、2D6+2で23を出せと!?
F:……はい、雷薄隊は混乱しました。収拾判定に成功するまで収拾判定しかできず、攻撃を受けても陣形を使えず、戦法は『防御』しか選べません。
楊花玉:あらあら、勝負ありかしら。
F:オレもそう思う……。
A:どーやって治すの!?
F:智略に2D6とスキル「収拾」分のダイスで、最初の「計略」だから23を出せば、混乱から回復します。また、1ターンごとにダイスひとつを余分に振れる。
楊花玉:時間が経つにつれて治りやすくなるのねェ。
A:どう頑張ってもしばらくは治せないよ!
F:あと、混乱している間は毎ターン、士気が兵士カードの枚数だけ下がるから。
A:ゼロだった士気がマイナス3まで落ちたっ!?

第3ターン
























雷薄
二英
村(本陣)
花玉・小理























楊花玉:ここは、お姉ちゃんも戦線に加わるべきね。前進して攻撃するわ。
A:「こっち来るなじゃー!」いや、ホントに!
楊花玉:聞かない。「鶴翼の陣を敷きなさい!」はい、勝負!
 花玉隊:『射撃』○ vs ×『防御』:雷薄隊
楊花玉:ワタシの『射撃』が4になって、陣形で4D、戦力値も4で、えーっと……14D6+11が2回ね。
A:14Dってナニ!?
F:オレ、取り返しのつかないくらいボケたルール作ったかなぁ?
楊花玉:(ころころころころころころころころころころころころころころ)70の52、122ね。
F:で、雷薄隊は『防御』しているので、受けるダメージは25パーセント(端数切り捨て)になります。
A:不幸中の幸いか!? えーっと……30人か。
F:小理ちゃんは戦列には加わらないでおこう。花玉さんの部隊は士気+1、雷薄隊は−1な。
A:ぜんぜん幸がない……。
趙二英:アタシは偃月陣で『迎撃』ね。
 二英隊:『迎撃』○ vs ×『防御』:雷薄隊
A:……『迎撃』レベルいくつ?
趙二英:3だから、倍で6。戦力値が……アタシも14D6で、+13から+10が5セット。ちょっと待ってて。
A:ごゆっくりどうぞ……。
趙二英:(ころころころころころころころころころころころころころころ)61、63、72、62、66で……えーっと、324? 4分の1でも81ね。
A:1枚落ちた……。士気もさらに下がってマイナス5……あー、もぉ!
F:落ちつけ。とりあえず、3D6に智略で……1か。まだ治らんだろうなぁ。
A:治るか!
F:幸い、とは云えんが下がる士気は2点でいいぞ。

2日め行動順
 花玉隊(200)→小理隊(100)→二英隊(415)→雷薄隊(173)

第1ターン
























雷薄
二英・花玉
村(本陣)
小理























楊花玉:ワタシはもう1回『射撃』しようかって思うけど、戦法カードが終わるのよねェ。
F:小理ちゃんのターンで「補給」しますから、そこはお構いなく。
楊花玉:では、遠慮なく。
 花玉隊:『射撃』○ vs ×『防御』:雷薄隊
楊花玉:(ころころころころころころころころころころころころころころ)138だから……34ね。
A:まだ、まだなぶりものー!?
F:小理ちゃんは「補給」で手が止まるけど……。
楊花玉:二英さん、降伏勧告してみない? さすがに、これ以上は……
趙二英:まっとうな戦闘ならまだしも、混乱させてボロクソだものね。じゃぁ「敵将雷薄! これ以上の抵抗は無益であると思え! 命が惜しくば降伏せよ!」
A:(ちら)
F:(こく)
A:あーい……「あたしが悪かったのじゃ〜……」と泣きながら降伏します……。
F:では、戦闘終了。捕虜とか戦利品とかは、例によって小理ちゃんが裁きますね。生き残った袁術軍は武装放棄してひとまとめにされ、雷薄が君たちの前に引き出されます。
A:「命は助けておくれなのじゃ〜……」
趙二英:「だったら白状なさい。この村にあるお宝って、いったいなに?」
A:えーっと……台本どこだ? あ、発見。「あたしも詳しくは知らんのじゃー。ただ、袁術様からこの村に行って、お宝を奪って来いって云われただけなんじゃー」
楊花玉:「でも、村長さんはそんなものに心当たりはない?」
F:「はぁ……存じませんな」と、ハテナ顔。
趙二英:どうなってるの?
F:――全員、1D6。雷薄もだ。
A:(ころ)4。
趙二英:(ころ)……ここぞとばかりに1よ。
楊花玉:(ころ)3ね。
F:小理ちゃんは(ころ)3か……じゃぁ、いちばん高い雷薄が、それに気づきます。村の西にある山の方が、何やら光っているのに。
A(雷薄):「あ、アレはなんじゃー!?」
楊花玉:「光って……? 村長さん、あの辺りに何か?」
F(村長):「いや、何も知りませんが……!?」
趙二英:「……行ってみるわ。花玉」
楊花玉:「ついていくわよ」
趙二英:……じゃぁ、捕虜たちは小理に任せて、その光っているところに向かうわ。
F:おーらい。何しろ目印があるので、迷わずに近づけます。
楊花玉:お宝は白いものに入っている……ということだけど、それが光っているの?
F:ちょっと伝わり方が悪かったみたいですね。まぁ、占いをどうとらえるのかに言及しようとは思いませんが。
趙二英:……どういうこと?
F:たどりついたそこには、見慣れない意匠の装束に身を包んだ少年が倒れています。光っていたのは、その少年の白い服が日差しを反射していたようです。
趙二英:っ……!?
楊花玉:あらあら……こう来たわね。
A:ひとの気配に気づいて、眼を開ける。「……誰、ですか?」
趙二英:「……アンタは?」
A:「僕は……」

 ――これは、ひとつの外史。
 徐州に現れた白衣の少年と、彼を取りまく女性たちの繰り広げる、どこかおかしな物語。
 その結末は、またどこかで語られることになろう。

恋姫演技 Vol2.01 リプレイ 2 「趙二英、雷薄を退けるのこと」 終幕



注1 黄巾賊(強)並み。合計が華雄より低い黄巾賊(弱)もいるが、南群兵や益州兵よりは弱い。
注2 敵で云えば五胡兵も合計9。かつ、修正値合計が+5ないし+6の陣形を使用する強敵。……といっても、孔明ならパーフェクトゲームも可能だが。
注3 ひとつないしふたつしか陣形をもたないのが26人で、所有陣形数は平均すると3を割っている。
注4 真名の重要性が、『恋姫』から『真・恋姫』にかけてずいぶん軽くなった感もある。
注5 ただし、実際のゲームの拠点フェイズで、選択肢が発生するものはほとんどない。判りやすく云うなら、ということで。
注6 出目としては大成功というほどではないのだが、空気は読むべきと判断した。
注7 紙幅の都合で、友好ポイント3点分になる二英と村娘さんの絡みはカットになりました。
 「……アンタにしては気の利いたことするじゃない」
注8 5つめの能力値。

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