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6 袁軍迎撃

F:えーっと、胸の話が済んだところで、徐州軍は1マス押されました。
第1ターン終了

限界ライン
●徐:袁○

川(+2)
限界ライン

F:「あたしに勝てると思ったかー!」と、文醜はご機嫌そうに突っ込んできます。あと2マス押されると、徐州軍は壊滅です。
陶双央:うーん……計算が狂ったのか予想通りの猛将ぶりなのか、判断できないなぁ。
F:なお、実際には仲間割れは発生しなかったのですが、しばらくそっちのふたりは使えないものと思ってください。物理的に。
趙二英:ぜーっ、ぜーっ……
楊花玉:はーっ、はーっ……
陶双央:(ルールブックを見直して)うーん……戦闘が始まってから使える計略は残ってない(注1)なぁ。換えておけばよかったかな?
陳小理:あたしでなんとかできる状況じゃないっすからねぇ。
陶双央:カード貸して(手持ちの『鶏鳴狗盗』カードを確認中)……ん?
F:砂時計出していいですか?
陶双央:ちょっと待ってね。えーっと(ルールブックを見ている)……えーじろ、別動隊出していい?
 戦争中の「特殊な作戦」として、別動隊を編成することができます。この部隊が戦場に到着した際、戦況が不利だったら1マス押し戻すことができますが、使用にいろいろと制約がついています。
F:えーじろやめましょう。それは、戦争開始前に宣言しなきゃならない類のものですね。
陶双央:猛攻を受けて一部の部隊が恐慌をきたし逃げ出した風を装う。
F:次に、別動隊と本隊の耐久力は同じでなければいけません。現在1400いる兵のどれだけを回すつもりか判りませんが、兵力が千未満の場合、耐久力は2に落ちます。
陳小理:いま負けたらそのまま潰走するっすね。
陶双央:それは覚悟の上で500を分けるつもりだけど……
F:では、−4(別動隊を出すのに成功するための、通常のペナルティの2倍)で対抗判定をしてみましょうか。失敗したらこのターンを落としたことにして、1マス押しますね。また、端数と『指桑罵槐』はナシですよ。これを成し遂げるのは、それくらい困難だと思ってください。
陶双央:うん……勝負。(ころころ)……出目は8だから、16。
F:こちらは(ころころ)出目が10だから、15だな……。いいでしょう、別動隊として500の兵が戦場を離脱します。誰が率いますか?
陶双央:二英に花玉をつけて……
陳小理:仲間割れさせるつもりっすか?
陶双央:――我に、策あり。
F:……やっぱり怖いわ、このヒト。ともあれ(サイコロひとつ)5ターン後(注2)に別動隊は、戦場に到着します。もちろん、それまで持ちこたえられなかったらそれで終わりですが。
陶双央:うん、おっけー。
F:では、第2ターンの戦闘処理に移ります。二英と花玉さんがいないので、双央さんか小理ちゃんが指揮を執ることになりますが……双央さんでしょうね、ここは。
陶双央:当然。えいっ(ころころ)……6か。足して15。
F:こちらは(ころころ)6だから、足して15ですね。ドローですので、コマはどちらにも動きません。「くっ、やるじゃない……!」と文醜は悔しそうです。
第2ターン終了:別動隊到着まであと5ターン


限界ライン△徐:袁△


川(+2)
限界ライン

陳小理:ぎりぎりだったっすねー。
陶双央:うん。じゃぁ、次のターン。計略はナシで。
F:はい。こちらも使いませんので(ころころ)7と云って……16です。
陶双央:(ころころ)8だから……17。よしっ。
第3ターン終了:別動隊到着まであと4ターン


限界ライン○徐:袁●

川(+2)
限界ライン

F:押し返されたな。「何をしているの、文醜さん! その程度の連中、とっとと押し潰しておしまいなさい!」と後方から声が上がったところで第4ターンに入ります。(ころころ)くっ、また2ゾロか……。
陶双央:勝負どころかな。小理ちゃん、サイコロ貸して。
F:あ、コラ!
陶双央:聞こえませーん。えいっ(ころころ)よしっ、11。足して20!
F:何で僕の時は、あんな出目だったのに……? えーっと、顔良が慌てて「文ちゃん、文ちゃん!」と文醜に駆け寄っているのが見えますね。かなり焦っているようです。
第4ターン終了:別動隊到着まであと3ターン


限界ライン
○徐:袁●
川(+2)
限界ライン

陳小理:押し返したっすー!
趙二英:……え? いま、どんな状況?
F:聞いてなかったのかよ?
(かくかく、しかじか)
F:というわけで、あと3ターンほどアンタたちの出番はないので。
趙二英:よく判んない事態になってたのね。
楊花玉:その間、何かできることはないのかしらね?
F:うーん、下手に動くといくらボンクラな袁紹でも気づきかねませんよ?
陶双央:(右手を水平に引いて、下におろす)
趙二英:……ま、仕方ないわね。
F:怖いよぅ……。では、第5ターンですが、袁家残党軍は戦法を変え『突撃』を実施します。
 『突撃』を戦場で使う場合は、まず「14+部隊耐久力の2倍」の『引率』判定に成功する必要があります。これに成功すると『陣形』ではなく『突撃』技能で対抗判定でき、勝てば相手を2マス押しこめます(6ゾロ・1ゾロは1マスのまま)。ただし、負けた場合はそのまま潰走しますが。
趙二英:ぅわ……こんなに難しいスキルだったワケ?
F:どっかの誰かさんは平気で使ってたがな。『引率』は(ころころ)出目10だから成功。では『突撃』行きますよ。
陶双央:こっちは『陣形』するしかないのに……(ころころ)わっ、5! えーっと……14。
F:こちらは……ん?
陶双央:……? なに?
F:……いえ、いいです。
 そういえば、部隊耐久力に差が出たから、こちらのサイの目には+1されるのを忘れていた。今さら云うのはちょっとタイミングが悪いだろう。
F:えーっと、『突撃』4で、出目は……(ころころ)9か。"指揮"は70なので、20です。「あたしと斗詩の愛の一撃、止められるモンなら止めてみろー!」「恥ずかしいよ、文ちゃん……」一気に2マスどうぞ。
第5ターン終了:別動隊到着まであと2ターン


限界ライン●徐:袁○
川(+2)
限界ライン

陳小理:あとがないっすよー!?
楊花玉:次のターン持ちこたえてくれないと、間に合わないわね……。
趙二英:何とかなんない?
F:いや、アンタらを別動隊に出したのがそもそも特例でしたから。これ以上の譲歩は致しかねます。
陶双央:そこをなんとか……ね?
F:いや、だからねー……下手なことをすると、別動隊の存在を気づかれて、効果がなくなりますよ?
陶双央:では、気づかれないように接近できるか判定で。
F:難易度20でなら引き受けましょう。別動隊に行っているふたり、どちらか『隠密潜伏』で判定。
趙二英:出るワケないでしょ! (ころころ)7で……12!
陶双央:あーあ、見つかっちゃった。
趙二英:フォローしなさいよ!
陶双央:小理ちゃん、『流言飛語』。「あの別動隊は賊の本拠地を狙っている」とね。
陳小理:ういっす?
F:そう来たか!? それを流されると、こちらとしては対策を講じざるを得ませんが、えーっと難易度は……
陶双央:あぁ、いくら高くても問題ないよ。『万犬実を伝う』があるから。
 「『流言飛語』の判定に必ず成功する」という、間諜の『超絶能力』。
F:……ここでしてやられたか!?
陶双央:えくせれんと! ふふふ、純粋な知恵較べなら一歩たりとも譲るつもりはないもの。
楊花玉:……えーっと、何が起こってるの?
F:いや、してやられました……やはり、このヒトだけは怖い。
陳小理:何事なんすか?
陶双央:長期戦になったら、スペックに劣るわたしたちが勝てる見込みは少ないでしょ? だから、何とか戦況を覆す方法はないかかんがえてみたの。で、『万犬実を伝う』カードを使うことを思いついた。
趙二英:別動隊を用いて、賊の本拠地を叩こうとしている……と、流言しようと?
陶双央:別動隊の到着する時間についてのサイコロ、えーじろが振ったでしょ? あれは、ホントはわたしが振れるの。でも、えーじろは自分で振って、別動隊到着までに勝負をつけるつもりだった。
趙二英:……出目に細工したンじゃないでしょうね?
F:何のオハナシでしょうねー?
陶双央:案の定長期戦になって、こっちは劣勢に追い込まれた。そーなれば、別動隊の到着を早められないか、誰かがえーじろに持ちかけるでしょ? でも、それを認めるえーじろじゃない。かなり困難な条件を提示してくるのは目に見えている。事実出して、実際に失敗したね。
趙二英:悪かったわね。
陶双央:ううん、そこが狙い。別動隊を見つけてくれないと、策戦通りの流言を流せないもの。『万犬実を伝う』はこのタイミングで使うのがいちばん効果的。このまま戦闘するならつかず離れずを繰り返して戦況を膠着させ、流言を事実にする。流言に惑わされて撤退するなら追撃する。どちらにしても戦況は覆せるよ。
F:……裏の裏をかかれたのは認めましょう。ですが、別動隊は500名。落ちついて判断すれば、混乱の起こるほどの兵員ではありませんよ。
陶双央:うん。じゃぁ『情報分析』で判定ね。
F:は?
陶双央:さっき二英たちが、敵の兵力がどれくらいかって判定を失敗したじゃない。それと同じだよね?
F:……やっぱり、アンタだけは敵に回すべきじゃなかったな。えーっと、ちなみに、難易度は15でしたので。
陶双央:どーぞ♪
F:顔良いきます。『情報分析』は持ってなくて"知力"50(ころころ)9……失敗か。
楊花玉:(裏声)「あの部隊はなにー!?」
陶双央:では、文醜さんもどーぞ♪
F:こちらも『情報分析』はなくて"知力"42……端数を使って(ころころ)7……またしても失敗。
趙二英:(裏声)「えええっ、あんなに大部隊がいたのか!? 大変じゃない!」
陶双央:ふふふ。
F:えーっと、ラスト! 袁紹……は"知力"30だから、6ゾロでなら成功じゃ!(注3)
趙二英:えーじろの〜♪
F:胸出せ!
楊花玉:お兄ちゃん!
F:はい。では……(ころころ)2と1!?
陳小理:……ひょっとして、師匠ってダイス運悪いっすか?
F:何を云うか。(サイコロを投げつける)
陳小理:わきゃっ?(頭でサイコロが跳ねる)
 ころころ……6ゾロ。
F:な? ヒトを使えば割と出目はいいンだよ。
陶双央:ふふふ。じゃぁ、賊の皆さんは大混乱だね。
F:……その通りですね。兵力不明の別動隊が本拠地を目指しているとの流言によって、混乱状態に陥りました。実際にその別動隊を見つけてしまったのが運の尽きです。「ちょっと、文醜さん、顔良さん! 何とかなさい!」と袁紹が悲鳴を上げています。……半ば演技じゃねェンだよな、オレ。
陳小理:とりあえず落ちつくっすよ、師匠。
F:ただ、混乱回復の機会は毎ターンありますよ。何しろ別動隊の兵員が少なすぎる。数さえ判ればそれほどの脅威ではないと、落ちつけばすぐに気づけます。
陶双央:えーじろ、ヒトを騙すときは?
F:……裏の裏の裏の裏をかけ。
陶双央:ここぞとばかりに『こんなこともあろうかと』で、二英に策を授けておいたことにするね。計略としての『声東撃西』で、賊の弱点を突くように。
 『声東撃西』は、戦争中に使うと「敵を二分し片方ずつと戦うようにする」効果がありますが、戦争によらず計略として使う場合は「敵の重要拠点への奇襲」という効果を得られます。
F:いや、ちょっと待った。その場合は「そこを突けば敵を動かせる攻撃目標を見つけている」という使用条件がありますが。
陶双央:その攻撃目標は、目立つ金の鎧と金髪で大声を張り上げて、場所を自供しているみたいだけど?

――相手は袁紹でしょ

F:袁紹でしたね……ええ。
趙二英:さすがにアタシ、同情するわ……。
F:ありがとよ……。えーっと、難易度16で『情報分析』の判定をしてください。
陶双央:12。
F:……13です。鎧と金髪と声で1点ずつ。
陶双央:おーらい。端数も使って(ころころ)……7。合計18だね。値切らなくてもよかったかな。
F:『声東撃西』が作動しました……二英別動隊は、袁紹の本隊に直接攻撃できます。
趙二英:文醜・顔良が『突撃』して手薄になっているのに加え、流言で混乱している袁紹の本陣に斬り込んだってところね。
F:えーっと、えーっと!? 袁紹は「あぁーれぇーっ!?」と悲鳴を上げて……えーっと、どうすればいいンだ、オレ!?
趙二英:アタシが云っていいことじゃないけど、とりあえずアンタが落ちつけ。
F:まず、袁家残党軍を大きく、顔・文率いる前衛……700と、袁紹の本陣300に分けて処理します。前衛、顔良が必死に「落ちついて、慌てないでー!」と制御しようとしていますが……(ころころ)ダメか(注4)。兵は完全に浮足立ってしまっています。
陶双央:じゃぁ、戦闘しようか♪
F:笑顔が怖ェよ! えーっと、混乱しているので技能は使えず、ファンブルかましたら2マス押されます。"指揮"の平目で……(ころころ)ここぞとばかりにピンゾロ!?
陶双央:(ころころ)7で、16。
F:えーっと、こっちは9だから、都合3マス押されて……あ、前後衛に分かれたから壊滅ラインだ。
本隊側戦闘処理


限界ライン○徐:袁×
限界ライン
川(+2)
陳小理:勝負あったっすね!
F:まだだ……が、それは次のターンだ。先に後衛・袁紹本隊と二英別動隊の処理を行います。袁紹本隊は川辺にいるので+2の防御効果を持ちますが、"指揮"は30台で『陣形』も持ってない(注5)ンだよなぁ。「ちょっと、文醜さん!? 顔良さんはどこ!?」と泣き叫んでいるようです。
趙二英:この機を逃す策はないわね! 全面攻撃! (ころころ)8で……19!
F:対して袁紹は……(ころころ)ぅわ、またピンゾロ!?
楊花玉:呪われてない?
別動隊側戦闘処理


限界ライン(本隊)
川(+2)

限界ライン
○徐:袁×
F:一撃で粉砕されました……「あぁーれぇーっ!?」と袁紹は逃げ惑います。えーっと、袁家の残党は双方潰走ラインにまで追い込まれました。これは、兵士たちによる防衛ラインが突破され、指揮官自ら剣を取って戦わねばならない状況になったことを意味します。
楊花玉:つまり?
F:そのラインまで敵を追い込んだ場合は、このまま戦闘を続けるか、それとも一騎討ちに持ち込むかを選べます。これは、押し込んだ側が選ぶことになっています。
趙二英:一騎討ちができるの?
F:できます。もちろん、腕に自信があるなら選んでもいい、というものですが。
趙二英:顔良や文醜ならまだしも、袁紹相手にタイマンで負けるワケないでしょ。アタシは一騎討ちを選ぶわよ。
F:――では、袁紹は『おぉ、突然助けてくれる人が』を使って文醜を呼びます。呼ばれた文醜は「姫ーっ!? 御無事ですかぁ!」と駆けつけました。
 「突然、見知らぬ助力者が出現する」という『超絶能力』(注6)
趙二英:げえっ!?
陶双央:お下品。
F:「戦には負けたが、あたしがいる限り姫には指一本触れさせないからな!」と、文醜はグレートソードをかまえます。一騎討ちに入りましょう。
趙二英:三国志でも上から数えた方が早い武将と、まさかこんなタイミングでタイマン張れるなんてね……! いいわよ、相手になってやるわ!
一騎討ち:初期状態




趙:文



F:ちなみに、さっき云った通り『とてもかなわじ』の使い手です。"武力"93の『白兵』4ですから。
趙二英:平目で13ね……。でも、やるしかないでしょ! 行くわよ!
陳小理:サイコロどうぞっす。
F:翡翠ちゃん!
趙二英:(ころころ)……ホントに出目いいわね、このサイコロ。6ゾロだわ。合計24("武力"65+端数+『白兵』3+武器攻撃力+『指桑罵槐』)
F:オレにも貸せ(ころころ)7か……21だな("武力"93+『白兵』4+武器攻撃力)。数字としては高いンだが、一気に4マス押されたな。
一騎討ち:第1ターン終了




◎趙:文●
陶双央:出目の差が5なのに、数値としては大差ないなんて……。
陳小理:20より武力差があると、確かに勝ちめは薄いっすね。
F:ここで『大したものね、でもまだまだ!』を使って、コマを中央に戻しましょう。
 『うム、これほどの腕の者がおったか』の女武人ヴァージョン。戦闘中に押されている場合に使用でき、コマを中央に戻すことができる。




趙:文
趙二英:残念でした、『それはお見通しよ』を使うわ。
 『なんの猪口才な』の女武人ヴァージョン。戦闘中にしかけられた『超絶能力』を無効化する。




××××趙:文
F:やはりそう来るか。「これほどの使い手が、徐州にいたとは!」文醜は、むしろ嬉しそうです。
趙二英:アタシは気が気じゃない。このターン『やあッ!』を使うわ。
 『えぉォッ!』の女武人ヴァージョン。使用したターンはサイの目が+3される。
F:では文醜は『この勝負はお預けだ』を使いましょう。
 『勝負は預けた』の女武人ヴァージョン。無条件で戦闘から離脱できる。(注7)
趙二英:……は?
F:「文醜さん、お急ぎなさい!」とすでに逃げ支度が整っている袁紹が叫んでいます。文醜はそれを見届け「次の勝負を楽しみにしてるからな!」と云い捨てて逃げ出しました。袁紹が逃げる時間を稼いでいたワケです。
楊花玉:追いかける?
趙二英:……いや、こっちはいいわね。双央の援護に回るわ。
F:では、双央さんたちの処理です。やはり、一騎討ちかそのまま攻めるかを選べますが。
陶双央:ここは素直に攻撃しておこうかな。わたしも小理ちゃんも戦闘できない"武力"だし。
陳小理:っすね。
F:対して袁家残党軍は、顔良が出てきました。双央さんは『陣形』で、こちらは"武力"に『白兵』での対抗判定になります。
陶双央:二英相手に+4以上の使い手が、勇を奮って殿軍に立っているの?
F:今回の判定でこちらが勝つと、通常の戦闘処理に戻りますよ。もっとも、本陣が撤退しているので、そう長く踏みとどまってはいないでしょうけど。
陶双央:正念場だね……(ころころ)10だから、19。
F:こちらは(ころころ)6か……19ですね。ドローですのでもう一度になります。
本隊側戦闘処理


限界ライン


△徐:袁△
限界ライン
川(+2)
陶双央:ぅわ……出目に4の差があるのに引き分けになるなんて。
F:えーっと(サイコロ1個)2だから、次のターンには二英別動隊が到着しますね。
陶双央:花玉は残しておくべきだったかな。とりあえず……(ころころ)11で、20と云って攻撃。
F:(ころころ)……5だから、18か。負けたな。
陶双央:わ、やった!
本隊側戦闘処理


限界ライン


○徐:袁●
限界ライン
川(+2)
F:力尽きたようで、顔良でも攻撃を支えきれず、袁家残党軍は総崩れになりました。「斗詩〜っ!」という文醜の声が聞こえ、引き揚げた本隊からいち部隊が突進してきます。
趙二英:もちろん、防ぐわよ。
F:文醜の部隊耐久力はゼロ扱いですが、修正値は"武力"と『白兵』に武器の攻撃力なので14です。二英の指揮するのは500(部隊耐久力2)なので、サイの目に+2の修正がつきます。
趙二英:アタシの"指揮"は60で『陣形』4だから、修正値は12か……ちょっと不利ね。(ころころ)でも、出目は9だから、22になったわよ。
F:文醜は(ころころ)5……
楊花玉:だから、呪われてるわよ?
F:えーっと、文醜の突貫は失敗しました。「斗詩、斗詩! 邪魔だ、どけー!」と文醜は叫んでいますが、二英の指揮する兵を抜けないでいます。
陶双央:ここで顔良を捕らえれば、徐州軍の勇名は天下に鳴り響くね。
F:えーっと、顔良はどうなるのか、『敗戦指揮官表』(注8)で……出目は4なので、重傷を負ったものの脱出には成功したことになります。
陶双央:追撃するよー。
F:うーん……では、本隊にいるふたり。まず"命数"で判定を。いくつになりますか?
陶双央:えーっと(ころころ)……17。
陳小理:あたしは(ころころ)15になったっすね。
F:(ころころ)11だから……うん、矢の雨が射こまれて、追撃を喰いとめますね。流れ矢が双央さんをかすめたりしていますので、下手に近づくと怪我しますよ。
楊花玉:さすがに『恋姫』の登場キャラを、勝手に殺しちゃまずいわよねェ。
 その通りです
趙二英:袁紹や文醜ならまだしも、顔良には屈強なガードがかかってるもの。手出しできないわよ。
F:……誰のこと云ってる?(注9) 否定はしないが。
陶双央:残念……かな。
F:……追撃の手が緩んだので、顔良はほっとしたように引き揚げていきました。徐州軍の勝利です。
陳小理:やたー!
趙二英:「アンタ何もしなかったじゃない!」と本気で怒るわ。ええ。
陶双央:「はいはい、仲間割れしないで。徐州に凱旋するよー」と、兵をまとめて……
F:えーっと、先に戦後処理させてください。『軍損害表』と云って、どれくらいの兵が死傷・逃亡したのかを決定するものがあります。代表者……は、隊長の双央さん。サイコロ2個振ってください。
陶双央:スキルは?
F:なしです。2D6に、戦況に応じた修正がつきます。まず、戦争に勝ったら出目+5(負けたら−5)、部隊耐久度に差があった場合は、それがそのまま修正を受けます。さらに、文醜が『突撃』を使ったので、双方が無条件で−2されます。また、『指桑罵槐』の効果は継続していていいでしょう。出目にこれらの修正値を足して、高ければ高いほど損害は少なくなります。
陶双央:えーっと……最終的な修正値は+4だね。出目は……(ころころ)9だから、13。
F:12以上になった場合は、90パーセントの兵が生存し、戦死2パーセント、負傷が3パーセント、逃亡して戻らなかったのが5パーセントになります。で、えーっと(ころころ)……相変わらず出目が悪いな。
陳小理:またしても2ゾロっすね。
F:袁家残党軍は、出目が4で修正が−6だから、2以下という最悪の状況です。40パーセントが戦死、40パーセントが負傷、20パーセントが逃亡するなどして、残兵はゼロという惨状です。
楊花玉:『恋姫』での袁紹の最後、そのままな状態ね?
F:そーですね……。で、このうちの逃亡した兵のさらに半分が、徐州軍に投降してきます。千の20パーセントの半分だから、ちょうど100名ですかね。
陶双央:えーっと、1400の兵のうち、戦死が28人、負傷したのが42人、逃げたのが70人。で、投降してきたのが100人だから……都合、1360人、かな。
F:戦死者は他に75人と、劉・関・張の3名です。
陶双央:あぁ、遺体は収容しておかないとダメね。
陳小理:ていうか、500人以上の死体を野ざらしにしておくわけにはいかないっすよぉ。
楊花玉:それもそうね。その辺りの処理を何とかしないと……
陳小理:それに、敵味方問わず、負傷者は収容した方がいいっすよ。負傷者が死者に変わるのは珍しくないっす。
陶双央:戦後処理になったら急にイキイキしだしたね?
陳小理:師匠の薫陶よろしいっすからねー。
 間違ったことも教えるけど、大事なことは守らせています。
陶双央:じゃぁ、出番がなかった「小理ちゃんに、この場は任せていいの?」
陳小理:「お任せっすよー」と安請け合いするっす。
楊花玉:……不安だから、『四海同胞』カード使っていくわね。『おぉ、突然助けてくれる人が』と『おお、ちょうど私に知りあいが』を使って、負傷者の搬送と死体の処理をする人員を集めておくわ。
 『おぉ、ちょうど……』は「現在必要とされている種類の技能・技術を持った人間を人づてに雇える」という『超絶能力』。『おぉ、突然……』は上記。
陳小理:「花玉姉さん、大助かりっす〜」
趙二英:アタシはできることがない……『これしきの傷、何ともないわ』は効果ないわよね?
 『手負いといえど、やわか、貴様ごときに』の女武人ヴァージョン。負傷していても、コレを使うと通常の戦闘ができる(注10)
F:ないって。双央さんは何かあります?
陶双央:じゃぁ『遠交近攻』で、どこかから協力者を求めようか。
 計略では「直接対立していない相手に協力を求めることができる」場合に使用でき、「何らかの援助を得られる」という効果がある。
F:……では、近くの孫呉領からも、人員が派遣されてくることにしましょうか。近くと云っても何日かかかるとは思いますが。
陳小理:それは助かるっすよー。
F:その辺りの処理を手配して、徐州に凱旋しましょう。双央さんたちが生き残った兵を率いて徐州城に戻ると、戦闘の様子を見ていた住民たちが喝采で迎えてくれます。人波に呑まれていると、政庁の方から陶謙さんが曹豹を連れてやってくるのが見えました。
陶双央:かきわけて近づくね。「刺史さま、陶書記帰還しました!」
楊花玉:「敵の首魁こそ取り逃がしましたが、賊の大部分を討ちとり、再編不能な被害を与えたことをご報告します」……って、云っていいの?
F:まぁ、報告には大言も必要でしょうね。でも、陶謙さんは花玉さんの台詞はほとんど聞いておらず、双央さんの手を取って「よく、よく無事で帰ってくれたね……!」と泣きそうです。
陶双央:……玄徳隊長の話を持ち出すのは野暮かな。おばあちゃんの手を取って「……ただいま」と。
F:老公は、喜びを隠せない様子で双央さんに抱きつきました。住民たちの喝采を受けながら、きょうのプレイを終えましょう。
陶双央:何とかめでたしめでたし、かな?
趙二英:一時はどーなるかと思ったけどね……。
楊花玉:玄徳さんたち、死んじゃったものね。
F:では、経験点付与のお時間でーす。
陶双央:あ、そんなのあるンだ?
F:次回、後編はもう少し苛烈なシナリオですから。少しだけでも成長しておいてもらわないと、こっちにも不都合があるンですよ。
趙二英:……縁起でもない発言ね。
F:まず、「最後まで生き残った」ということで全員に20点。また、募兵に成功した花玉さんに10点、双央さんに5点です。
趙二英:早めに出演した連中が有利ってどうなのよ?
F:兵がなければお前さんも戦えなかっただろうが。その点については文句を云うな。
趙二英:むっ……
F:続けますね。シナリオを通じて「見せ場があった」双央さんと二英には10点、花玉さんと小理ちゃんには5点あげましょう。特に小理ちゃんは影が薄かったンですけど、最後の戦後処理で頑張ったので。
陳小理:サイコロくらいでしか出番がなかったっすからねー。
F:お前のサイコロには泣かされたよ……。そして、「その他うまいプレイをした」ということで、全員にさらに10点です。
陶双央:頑張りました♪
陳小理:あたしも次では頑張るっす。
趙二英:文醜か顔良捕まえたら、もう少し上がったワケ?
F:実は、劉玄徳たちが生き延びていたら、ひとりにつき10点だった。
楊花玉:どうやって生き残らせるの!?
F:方法は用意していましたけど……まぁ、ここでは伏せましょうか。次回、迫りくる謎の軍勢から徐州を守り抜くことができるのか、というところで……
陶双央:それなら普段の調子でどうぞ。

F「続きは次回の講釈で」



注1 『声東撃西』・『遠交近攻』は使用タイミングが「合戦直前」、『反客為主』は「敵が計略を使ってきたとき」となっている。『借刀殺人』は間諜を捕らえていないので、『囲魏救趙』はものが河川(河川を除くには『瞞天過海』が必要)なので、それぞれ使用できない。
注2 別動隊が戦場に到着するのはサイコロ1個の出目で決めるが、本来はプレイヤーが振る。今回は特例として許可したので、こちらで振ったのだが……このことまで策のネタにされるとは思わなかった。
注3 最初から『情報分析』は持っていないし、あったとしても『恋姫』での設定に併せて(持っているとは思えない)なくしていただろう。完全に裏目に出たが。
注4 さっきやった「指揮官が敗れ動揺する兵をまとめる」で、混乱を鎮められるか判定した。難易度17に対して、顔良("風采"71+『士気高揚』3)の出目は5で、失敗。『威圧』にするンだった。
注5 袁紹の"指揮"は72なので、36にしておいた。『陣形』はもともと持っていない。……弱くしすぎたかなぁ。
注6 その通りの内容なので、文醜を呼ぶのはルール的にはアレです。それはともかく、袁紹も『卿相』なので、『四海同胞』を使える。システム上は『三十六計』も使えるのだが、どうせ通用するとは思えなかったので持たなかった。……こンなことになると判っていれば何か持っておいたのだが。
注7 先に『それはお見通しよ』を使わせておかないと、コレを出しても逃げられない事態が想定できた。追いこまれていた状況も状況だったが、『大したものね、でもまだまだ!』を使ったのはそれが目的。
注8 部隊が壊滅した時に、それを率いる武将がどうなるか決定する表。サイコロ1個で、6が出れば無事に逃げられるが、4・5で負傷、1から3だと死ぬか捕虜になる。
注9 実は、本気で焦った発言。
注10 負傷していると、戦闘を含む全ての判定でサイコロをひとつしか使えなくなる。ファンブルは起こらないが出目は最大でも6になるので、たいていの判定で失敗することになるだろう。

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