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4 義軍崩壊

 募兵の結果、街頭演説で180、高札で95(6ゾロが出た)の兵が集まった。
F:合計で……425名の義勇兵が翌日までに集まりますね。数では曹豹の指揮する城兵に匹敵しますが、募兵されたばかりなので戦闘力では一歩劣ります。
趙二英:訓練はできないの?
F:スキル持ってたか?
趙二英:……ないわね、誰も。
F:どっちにせよ簡易領国経営ルールでも3ヶ月かかる設定だ。すぐにはできんよ。
陶双央:まぁ、その辺りは指揮官の能力で補うことにしましょ。
F:ですか。では、双央さんと二英が軍令を、花玉さんと小理が軍政を司って、部隊として使えるように義勇兵をまとめていましたが、ある日、双央さんは陶謙老に呼ばれました。
陶双央:あ、はーい。何日経ったの?
F:1週間くらいですかね。ある程度の形にはなってきた頃です。
陶双央:おーらい。「刺史さま、お呼びでしょうか?」
F:「あぁ、来たね。義勇兵の様子はどうだい?」
陶双央:「協力してくれている者たちのおかげで、ある程度の形にはなりつつあります」とそのまま応えるね。
F:いいですけどね。老公は満足そうにうなずいて「それなら安心だね。実は、例の援軍がきょう辺り到着すると連絡があったのさ。お前、悪いが迎えに出ておくれ」
陶双央:了解しました。それで、援軍を率いているのは……?」
F:(ニヤリ)「それが、劉なんとかという男らしいンだが、どんな奴なのかは判らないのさ。お前に行ってもらうのは、その辺を見極めてもらうためでもあってね」とのことです。
趙二英:(挙手)えーじろ、ちょっと作戦タイム。
F:どうぞ。つーか、えーじろやめろ。
 4人、集まる。
趙二英:なるほど、と思ったわ。
陶双央:なにが?
趙二英:パワーアップブックに入ってるシナリオに手を加えたものみたいなのよ。アレは確か、架空の城に賊が襲ってきて、漢王朝の末裔を名乗る劉なんとかって武将が援軍に来るってものだったわ。
陳小理:劉備さんっすか?
趙二英:そう思わせておいてあっさり死んで、プレイヤーが兵を引き継いで迎撃の指揮を執るってシナリオなのよ。
陶双央:場所を徐州にしたことで、なおさら誤解するように仕向けた……ってことかな?
趙二英:問題は、アレがその程度で収まる男かって話よ。
4人:……うーん
陶双央:もっと凄いこと企んでる可能性、あるよね……
趙二英:うん、本物の劉備出してくるくらいはやりかねないわ。
楊花玉:でも、お兄ちゃんあんまり劉備さんは好きじゃないわよ?
陳小理:っすよねー。うーん、判断に困るっす……
F:ゲーム内で1時間経過ー(手元の砂時計をひっくり返す)
陶双央:陶謙さんのもとは、もう辞してるのね?
F:ですね。ちなみに(ころころ)あと2時間(注1)で到着です。
趙二英:……どうする?
陶双央:迎えるのはお役目だからやらなきゃいけないけど、その先どうするのかはまだ考えなくていいンじゃないかな? そのシナリオを知っているヒトがいるのを判った上で、同じことをするとは思えない。何かするとは思うけど、対策はその場で講じても間にあうよ。
趙二英:頼りにしてるわよ。
F:ゲーム内で1時間経過ー(手元の砂時計をひっくり返す)
趙二英:あぁ、もういいわよ。シナリオ進めて。
F:はいはい。では、本国から送られてくる援軍を迎えるために、皆さんは北門に向かいます。
趙二英:判定する?
F:いや、しなくていい。で、待つこと少しすると、街道の向こうから兵を率いた一団が向かってくるのが見えました。
陶双央:旗印は?
F:劉の一文字。先頭には耳が肩まで届く男がいて、その左右には長髭の大男と虎髭の大男が控えています。
4人:……ぅわ。
趙二英:……やったわね、この雪男。
 ちなみに、話は全部聞こえていました。
陶双央:近づいてきたところで前に出るわ。「徐州城で書記を務める陶双央と申します。劉隊長であられますか?」
F:先頭の大耳男が、馬から下りてきました。両手は膝まで届きます。「うむ、自分が劉玄徳である」
楊花玉:……下の名前は?
F:さっきも云ったが、それを聞くのはずいぶん失礼な行為です。ホントに聞きますか?(注2)
楊花玉:んー……
陳小理:じゃぁ「お連れのひともお疲れサマっすー」って声をかけるっす。
F:ふむ。すると劉玄徳は、大男ふたりにも馬から降りるよう指示する。「このふたりは、自分の義兄弟で関長生・張益徳と云う。お迎え痛み入る」と3人で拱手。
趙二英:正史で来たわね。
陶双央:……ふむ。「このたびは徐州を救うべく来ていただき、まことにありがとうございます。天下に名高き劉隊長に来ていただいたと知られれば、袁家の残党どもも震えあがりましょう」
F:「うむ、自分たちに任せておくがよい。まずは刺史殿にご挨拶させていただこう」
陶双央:「ご案内いたします。どうぞこちらへ」……(小声で)このあとどうなるの?
趙二英:(小声)賊が襲撃してきて劉隊長は戦死。
陶双央:(小声)で、私たちが指揮を引き継ぐのね……うーん。
F:連れてきた兵士たちにはとりあえず食事を配布して、劉玄徳たち3人は陶謙老が応対します。双央さんは臨席できますが、他の皆さんはさすがに出席できません。
楊花玉:じゃぁ、兵士さんたちに隊長さんのことを聞いてみましょ。「劉隊長というのは、お強いのですか?」
F:では"交渉"行為判定を。技能使ってもいいですよ。
楊花玉:じゃぁ『愛想』で(ころころ)出目は10だから、19ね。
F:すると兵士は「いやぁ、副長のおふたりが腕利きだから戦えてるみたいなモンさ」と応えます。
楊花玉:……『本音』で判定。(ころころ)ちょっと低いわね、15。
F:ふむ……(注3)。「いや、ここだけの話、ほとんど左遷に近いのよ。あの隊長、官渡でもその後でもいいとこなかったから。手柄を立てようと焦っては失敗しかけて副長ふたりに助けてもらうってのが続いててね」
楊花玉:それは……ちょっと頼りないですね」
F:「あぁ……。できればもっと頼れるひとの下で戦いたいモンさね」
趙二英:割と重要な情報が入った気がするわね。
陳小理:っすね。あたしたちも、情報収集するっすか?
F:んー、得られるのはだいたいそんなオハナシだね。劉玄徳は頼りない。そして、手柄を焦っている。
楊花玉:双央さんに伝えられる?
F:まだ無理。陶謙さんとの歓談が続いているので。
陶双央:じゃぁ私は……
F:えーっと、プレイヤーが得ている情報とキャラクターの有する情報とは別物なので、外で皆さんが集めた情報を双央さんは知らないと思ってください。
 RPGの鉄則。初心者がつまづく第一歩でもある。
陶双央:……『情報分析』で行為判定をしてもいい? 劉玄徳について、事前の知識を持っていたのか、だけど。
F:いいでしょう。振ってみてください。
陶双央:えいっ(ころころ)……ピンゾロ!?
趙・楊・陳:何やってるの!?
 やった、らっきー。
F:あなたは、劉玄徳なる武将についての知識を持っていませんでした。
趙二英:……これは、仕方ないと云わなきゃいけないかしらね。
楊花玉:あらあら、残念ねェ。
陶双央:えーっと、もう1回できない?
F:それは、要するにサイの目が悪かったから振り直したいと云っているンですがね?
陶双央:本音としてはそう云いたいの。他に使えそうなスキルなんて持ってないし……
F:まぁ、諦めてください。さて、外の3人は命数で行為判定。いくつが出ました?
楊花玉:(ころころ)出目は4で、12だわ。
趙二英:(ころころ)16。
陳小理:(ころころ)15っすね。
F:じゃぁ、全員気づきます。徐州城の南方で、明らかに兵士が動いていると思われる砂埃が立っています。
趙二英:例の、袁家の残党?
F:今度は"知力"で行為判定。持っているなら『情報分析』を使ってもいいですよ。
趙二英:ないのよね……(ころころ)げ、4。えーっと、8ね。
陳小理:あたしも持ってないっす。(ころころ)出目は10だから、15になったっす。
楊花玉:『情報分析』は1レベルで(ころころ)9……合計15ね。
F:15のふたりは、その部隊が袁の旗印を掲げているのに気づきます。
楊花玉:判りやすい敵だこと。「小理ちゃん、双央さんのところに連絡! 賊が攻めよせてきたわ!」
陳小理:「おーらいっす!」急いで双央姉さんのところに向かうっす!
趙二英:「お待ち!」首根っこつかまえるわ。敵の兵力は?
楊花玉:あ、それは併せて知らせないと……また『情報分析』すればいい?
F:そうですね。
趙二英:いちばん肝心な軍師が席外してどうすんのよ……(ころころ)出目5だから、9!
陳小理:落ちつくっすよ。(ころころ)……あたしも5っすから10っす。
楊花玉:何でふたりともそんなに低いの? (ころころ)あら、ここぞとばかりに1ゾロだわ。8ね。
陶双央:今度は私が云うわね。何してるの?
F:あー、その場にいないひとは口を出さないように。とりあえず、よく判らないけどいっぱいですね。
陳小理:じゃぁ巻き込むっす。政庁の中に駆け込んで「敵襲っすー!」と雄叫ぶっす。
陶双央:「敵襲? 数は?」と、真顔で尋ねるわね。
陳小理:(サイコロひとつ転がす)「だいたい400人くらい見えたっすけど、まだ増えるかもしれないっす!」
陶双央:うまく云い逃れるね。「だそうです、刺史さま」
F:「聞いての通りだよ、劉隊長。兵を率いて迎撃に出ておくれ。うちからも一部隊出そう」と老公が云うと、劉玄徳は立ち上がって「おう、願ってもない! 関さん、益徳、行くぞ!」とお供ふたりを引き連れて出ていきます。老公はそれを心配そうに見送りました。
陳小理:劉備さんなら大丈夫だと思うっすけど、口には出さないでおくっす。
陶双央:賢明ね。
F:陶謙老はすぐに視線を双央さんに向けます。「陶書記、お前さんも出ておくれ。城には曹豹を残すから、劉玄徳と一緒に賊を迎えうつンだ」
陶双央:「了解しました。小理ちゃん、行くわよ」
陳小理:「おーらいっす」急いで姉さんたちのところに戻るっす。
F:「……双央、お待ち」
陶双央:……小理ちゃんを先に行かせて、立ち止まります。
F:陶謙老は、不安そうに双央さんに近づいてきます。「年寄りの気苦労だといいンだが……あの男、劉玄徳はどうにも信用ならん。何と云うかね、背中に死神が見えているような気がするのさ」
陶双央:……いさめるね。「出陣前に不吉なことを云わないでください。ね?」微笑んで、不安をやわらげる。
F:苦笑して「そうだね……悪かった。だが、云っておこう。もし、あの男に何かあったら、お前が代わって指揮を執るンだ。徐州の守りは任せたよ」
陶双央:「……はい、拝命します」拱手して、小理ちゃんの後を追うね。
F:老公は、そんな双央さんの背中を見送っています。
陶双央:……もう一度振り返って、笑顔を見せておくね。
F:すると、しっかりした表情でうなずいてくれました。(サイコロひとつ)"命数"を5点あげましょう。
陶双央:あ、らっきー。……では、改めて花玉たちと合流。
F:では、ここで『超絶能力』を決めましょうか。
趙二英:……あ、そんなのがあったわね、そーいえば。
 それぞれのキャラクターは、人物種類に応じた特殊能力を持っています。三国志演義で、万余の軍勢を単騎よく圧倒したり、百万の軍勢を火計で焼き払ったりしますが、それを再現できるようにするのがこれらの能力です。
 ・武人は『死中活(戦闘系能力)』(+『知敵知己』)
 ・文人は『三十六計(策謀をはかる能力)』(+『計を授ける』+『こんなこともあろうかと』)
 ・間諜は『鶏鳴狗盗(建物に忍び込んだり軽業を使う能力)』
 ・商人は『四海同胞(交渉や物品の入手能力)』(+『有朋遠来』)
 ・女傑は『巾?英雄(色々な能力が混在しそれらを格好良く見せる能力)』(+『知敵知己』)
 これら『超絶能力』は1シナリオにつき、それぞれの人物種類のメイン能力値(武人なら"武力"、文人なら"知力"といった具合)の能力値修正値(10の位)に等しい数を得られます。その回数だけサイコロを振って、出目に設定されているものを使えるようになりますが、同じものをふたつ以上得ることはできません。
 本来ならシナリオ開始前に決めておくものなのですが、導入部で消費されるのは好ましくなかったので、ある程度話を進めてから決めることにしていました(二英が戦闘やらかしたので、この判断は正しかったように思えます)。
F:これらはぶっちゃけ魔法みたいなもので、使うと絶大な効果を得られます。ただし、回数が限られているのに加えて、同じものはふたつ以上得られません。使いどころと使い方には注意してくださいね。
陶双央:へー、三十六計そのままなんだ(ころころ)……6つ取れるの?
F:"知力"65なら6つですね。サイコロふたつだと1から6が2巡で36通りの出目でしょう? 丁度いいわけです。他の4つは18種類しかないですが。
陶双央:(ころころ)んー……(ころころ)振り直しは、例によってできないの?
F:規定個数得た後で、ひとつだけ好きなものと入れ替えてもいいです。ただし、その場合でも得ているものは得られませんが。あ、もちろん同じ出目だった時は振り直してくださいね。
陶双央:それはそうね(ころころ)(ころころ)(ころころ)……さて?
 双央さんは『三十六計一覧表』を見ながら、変えるべきか悩んでいます。こういう場合に口を出すのは趣味じゃないので黙っていることにします。
陶双央:ふむ(コイントス)……変えなくてもいいの?
F:よろしいかと。決めたら申告してくださいね、カードあります(注4)から。
陳小理:……うーっ、何とかしてくださいっすー。
F:なにごと?
陳小理:このサイコロ、だいたいどっちかで6が出るから、何度も何度も振り直しになるっす。
F:……終わってからでいいが、そのダイス譲ってくれ。長引いているうちに、残る文人用超絶能力について説明しておきますね。『計を授ける』は、文人が得ている『三十六計』を他のキャラクターに使わせるものです。持っているカードを他のひとに渡せるワケですね。
陶双央:ふんふん
F:『こんなこともあろうかと』は、シナリオで起こっている事態をあらかじめ予測していたことにして、それに対する策を弄しておいたことにできるものです。ただし、『計を授ける』は無条件で成功しますが、こっちを実施するにはこちらで指定した難易度の『情報分析』判定に成功しなければなりません。
陶双央:たとえば劉玄徳さんが討ち死にしそうになったら『走為上(無条件で戦線離脱できる)』を授けておいたことにできる、ということ?
F:できます。もちろん、判定に成功すればですが。そろそろ終わった?
陳小理:何とかっす……
F:おーらい。では、シナリオを再開します。徐州城の南には、歩いてでも渡れるくらいの深さ・幅の川がありますが、その向こう側から賊は近づいてきます。劉玄徳率いる一千の部隊が前衛、双央さんたち率いる425人の部隊が後衛として、川に向かっています。
陶双央:今度は私が『情報分析』してもいいね?
F:どうぞ。
陶双央:(ころころ)7ね……それでも16にはなったけど。
F:ふむ……兵力はおおよそ一千。袁家の旗を立てていますが、外見はそこらの賊と変わりません。
陳小理:賊かどうかなんて、見て判るモンっすか?
F:たとえば日本の山賊にはユニフォームがあってな。熊の皮の袖なしを着て髭もじゃのボウボウ頭というものだが。
趙二英:……ステレオタイプってあるのよね。
F:その辺の賊も、まぁ見て判るモンだと思ってくれ。さらに詳しい『情報分析』してみますか?
陶双央:あ、できるの?
F:純粋に時間がかかりますがね。(砂時計を用意)
趙二英:1ターンと引き替えに敵の内情を探るワケね?
陶双央:うーん……どうする、花玉?
楊花玉:やっておくべきじゃないかって思うわね、いちおう。実際の戦闘は劉さんたちの部隊に任せるにしても、その内情を探っておいて損はないはずだもの。
陶双央:では、『情報分析』することで。
F:おーらい。ちなみに、先行している劉玄徳の部隊からは「益徳、突っ込め!」という声が聞こえて、300くらいの兵が突出するのが見える。
趙二英:……引き留めた方がよくない?
陶双央:「花玉、劉隊長に偵察が終わるまで突出は控えるよう伝えて!」と指示しながら、自分で『情報分析』するね。
F:はい(砂時計を裏返す)。では、先に花玉さん。劉玄徳は長い耳をぶるんぶるん揺らして「今度こそ、今度こそ……!」と血相変えていますね。
楊花玉:アキラが聞いたら『こんなの劉備じゃない!』とか叫びだしそうね……。「劉隊長、敵の内情を探るべく偵察中ですので、まだ動かれませんように」……でも、動いたのよね。
F:そうですね。玄徳は「出した兵をいまさら下げられるか! 一気に押し切ってしまえば偵察も何もあるかい!」と、かなりキレている様子で応えます。目が血走っていますね。
楊花玉:『説得』でも使おうかしら。
F:使いますか? 戦術としては、相手の体勢が整わないうちに攻撃するのは、責められることではないですが。
楊花玉:その辺りのオハナシはお姉ちゃんにされてもねェ。とりあえず『説得』で「慎重に兵を動かすことが名将というものでは」って(ころころ)……18。
F:対して劉玄徳は『おお、信じてください私を』と使います。
 「悪魔的な話術をもって相手に自分の言うことを信じさせる。相手はどんなとんでもない嘘でも信じてしまう。ただし目の前からあなたが消えた時点で気づく」という『四海同胞』のひとつ。
陳小理:何で劉備さんがそんなモン使えるっすか?
趙二英:確か劉備って、商人の上位ユニットよ。……だったわよね?
F:いや、文人の上位ユニット『卿相』だ。『三十六計』と『四海同胞』を兼ね備えているのは同じだが。
楊花玉:それを使われると困るわねェ。劉備さんのことを信じちゃうわけでしょ?
F:そうですね。花玉さんは「あー、きっと大丈夫なのねー」と劉玄徳を信じてしまいます。説得できなくなったところで、双央さんは『情報分析』で行為判定してください。
陶双央:同じことするの?
F:難易度が上がっています。サイの目によっては失敗しますよ。
陶双央:じゃぁ端数も使って(ころころ)……あ、11。合計21♪
F:では、賊たちの中に少しだけ、マシな格好をしている者がいるのに気づきます。その数は別して多くありません。
陶双央:それが何を意味するのかは、自分で考えないといけないよね……ふむ。隊長級の賊は、ちょっとだけマシってことかな。それとも……旗は?
F:は?
陶双央:旗とマシな賊の位置関係は?
F:えくせれんと。マシな格好をしているヒトは、旗の根元くらいにしかいません。他は目に見えて賊です。
陶双央:その辺りは賊ではなく、本物の残党である可能性が高いね。察するに、袁家の名のある武将が、直属の兵を中心に賊を集め徒党を組んだと見た!
F:返事はしませんよ。
陶双央:無用です。「前衛の劉隊長に連絡! 平押しではなく精鋭をもって攻めかかり、隊長クラスの者を潰すように……しちゃったのかな?」
F:基本的にはそーいう戦術に出たようですね。
陳小理:さすがは劉備さん……ってところっすかね?
陶双央:うーん……口出ししなくてよくなったみたい。
趙二英:判んない……。ここからどんなイベントになっていくのか、ぜんぜん読めないわ……
F:じゃぁ、戦闘処理に入っていいですか? 誰か、張益徳分隊のサイコロ振ってください。
陳小理:じゃぁあたしが……
F:お前はダメ!
楊花玉:(ころころ)8が出たわね。
F:8か……はい、おーらいです(砂時計を裏返す)。では、第2ターンに入りますね。賊の先頭集団と激突した益徳分隊が崩れ、賊は勢いを増して突っ込んできます。伝令兵が馬で、劉玄徳のところと双央さんのところにそれぞれ駆け込んできました。「申し上げます! 張益徳副隊長、討ち死ににございます!」
楊花玉:あっさり死んだの!?
趙二英:こう来たわね……「討ち取ったのは誰!?」
F:「はっ! 黄金の鎧を身につけた、大振りな両手剣を振り回す女です!」
4人:……はい?
F:(ニヤリ)それと聞いた劉玄徳は、血相変えて馬腹を蹴ります。「おのれ、よくも義弟を! 関さん、益徳の仇討ちだ! 突っ込むぞ!」と、前衛は突出します。
趙二英:ちょっと待って……待って
陶双央:えーっと……女? どういうこと?
楊花玉:まさか……いや、でも?
陳小理:どーいうことっすか?
趙二英:えーっと、とりあえず花玉、何とか引き止め……は、できないンだったわね。
F:そうですね、劉玄徳の姿が見えている間は、花玉さんは玄徳隊長を止めることができません。
楊花玉:困ったわね。見えなくなったら、そのまま討ち取られちゃうンでしょ?
F:もちろんです。おかっぱ頭のハンマーを振り回す女に、関長生ともども討ち取られます。
陳小理:何が起こっているっすか!?
F:(応えずに、砂時計を裏返す)
陶・趙・楊:えーじろ!
F:はい、何ですか? つーか、えーじろはやめて。
陶双央:陶謙さんって、おじいちゃんよね?
F:おばあちゃんをロールプレイしていたつもりでしたが、何か?
楊花玉:(額をおさえて溜め息)
趙二英:(両手を広げて肩をすくめる)
陶双央:なるほど……(うつむいて苦笑)
陳小理:なにごとっすかー!?
陶双央:判った、判りました……。翡翠ちゃんが知ってたらえーじろを叱りつけなきゃいけないってコトがね。
陳小理:え?
趙二英:……コレ、『恋姫』の世界の話なのね?
F:最初にそう云ったはずですが、今まで気づいてませんでしたか?
陶双央:……自分より上の謀略家向こうに回すのが、こんなに疲れるとは思わなかったな。
 それはこっちの台詞です。いや、マジで。



注1 サイコロは1個。
注2 パワーアップブックの原文ママ。
注3 対抗判定ではなく「出目がこの数値より上なら成功、これより上なら大成功」という基準を設けていた。実は『ここだけの話』を聞くには16以上の数値が必要ということにしていたのだが、先に『愛想』で大成功と云っていい数値を出していたので、1点おまけした。
注4 パワーアップブック付属の超絶能力カード。カード切り取り用と保存用にパワーアップブックを2冊買っていたのが、10年以上経って役に立つことになるとは思わなかった。

津島屋幸運堂は【真・恋姫†無双】を応援しています。
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