解説 | 生態 | 幼生 | 戻る |
食餌 | 主食:県内では主にイヌガラシ、タネツケバナなどのアブラナ科野生種。 代替:タネツケバナ属(コンロンソウ、ヒロハコンロンソウ、オオバタネツケバナ、ジャニンジン)、ハタザオ属(ヤマハタザオ、ハタザオ、ハマハタザオ)、イヌガラシ属(スカシタゴボウ、ミミイヌガラシ)、ヤマガラシ属(ヤマガラシ)、マメグンバイナズナ属(マメグンバイナズナ)などの野生種、ダイコン属(ダイコン、ハマダイコン)、アブラナ属(セイヨウアブラナ、キャベツ、カブ、ハクサイ)、オオアラセイトウ属(オオアラセイトウ)、ワサビ属(ワサビ)などの栽培種が利用可能。栽培種では特にダイコン、ワサビ、オオアラセイトウなどを好むという。このほかにフウチョウソウ科のセイヨウフウチョウソウ、フウチョウソウ、ノウゼンハレン科のノウゼンハレンなどを食べるというが試していない。 増殖:イヌガラシ・タネツケバナ:実生、株分け、根伏せが可能。実生は、種子が小さいので、初夏から盛夏に熟した果実を茎ごと採取する。乾燥に注意して保管し、初秋に蒔く。発芽率はかなり高いので、苗が込んできたら間引く必要がある。株分け、根伏せは成長期に行うが、きわめて容易。刃物を使用しても手で分けても定着する。水揚げは非常に良いので、周囲にふんだんに生育しているのであれば、花瓶挿しでも十分。 また、山取りして鉢植えにしても容易に定着する。 |
採集 | ステージ:卵、幼虫(中齢以降)、蛹。卵は日当たりの良い林縁に生じた食草の葉裏などに1個ずつ産付されるので、丹念に食草を精査すると見つかる。若齢幼虫は食草の葉裏で静止しており、かなり小さいので見つけにくいが、中齢以降になると食草の葉表や茎上で静止するので比較的発見しやすい。非休眠の蛹は食草で蛹化することが多いので比較的見つけやすいが、越冬蛹はほとんどすべて食草を離れて分散するので、発見するのは難しい。 適期:卵は4月下旬〜5月上旬、7月上旬〜中旬、8月下旬〜9月上旬、10月下旬。 幼虫は5月、7月中旬〜8月上旬、9月、11月、非休眠蛹は5月下旬〜6月上旬、8月、9月下旬。卵は10月下旬、幼虫は11月のものが越冬蛹を生じる。越冬蛹は11月〜翌4月。 |
難度 | 幼虫:容易。食草さえ切らさなければ、ほとんど手がかからないくらいカンタン。 成虫:可能。飛翔力は比較的弱く薄暗い環境を好むので、吸蜜植物さえ用意しておけば、室内でも十分に飼育可能である。但し、夏季には室内温度が上がり過ぎないように換気が必要となる。 採卵:比較的容易。複数の♂♀を同時に用意し、室内に放置しておけば割合容易に交尾する。また、食草を用意しておけば、交尾した♀は勝手に産卵する。人工交配については不明だが、吹流し法が有効と考えられる。 |
飼育法 | 密閉容器などで飼育すると、特に夏季にはウイルス病などで融けて死ぬ個体が多く、葉も腐敗しやすいので、食草を花瓶に挿したり鉢植えにしたりして、開放飼育を行ったほうが無難。食草を十分に用意しておけばネットも必要ない。ただ、晩秋の終齢幼虫は、蛹化の際にほとんどが食草を離れるので、ネットがけが必須となる。若齢時はかなり小さいので、食草を交換する際に、古くなった草と一緒に捨ててしまわないように注意すること。 |
備考 | 初夏に採集した幼虫には、蛹から脱出するコバチ類(キアシブトコバチ)、ハリバエ類(マガタマハリバエ・ノコギリハリバエ)が寄生していることがあるが、幼虫の外見では判別できない。蛹化後、体の一部が黄色くなったりして変色したものは、ほぼ間違いなく寄生されている。 |
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採集 | 記録 | 蛹型 | 性別 | 食餌 | 備考 | |||||||||
St | Date | Loc | 産卵 | 孵化 | 終齢 | 前蛹 | 蛹化 | 羽化 | 産卵 | 給餌 | ||||
2003年 第2化(夏型) | ||||||||||||||
1 | E | 2003/4/27 | 千葉市緑区 | 4/27 | 5/3 | 5/14 | 5/19 | 5/20 | 5/29 | 黄緑 | ♂ | イヌガラシ | イヌガラシ | |
2 | E | 2003/4/27 | 千葉市緑区 | 4/27 | 5/4 | 5/15 | 5/19 | 5/20 | 5/30 | 黄緑 | ♂ | イヌガラシ | イヌガラシ | |
3 | E | 2003/4/27 | 千葉市緑区 | 4/27 | 5/4 | 5/15 | 5/20 | 5/21 | 5/31 | 黄緑 | ♀ | イヌガラシ | イヌガラシ | |
4 | E | 2003/5/5 | 千葉市緑区 | ? | 5/6 | 5/16 | 5/21 | 5/22 | 5/31 | 黄緑 | ♂ | イヌガラシ | イヌガラシ | |
5 | E | 2003/5/5 | 千葉市緑区 | ? | 5/6 | 5/18 | 5/22 | 5/23 | 6/1 | 黄緑 | ♂ | イヌガラシ | イヌガラシ | |
6 | E | 2003/5/5 | 千葉市緑区 | ? | 5/6 | 5/20 | 5/22 | 5/23 | 6/1 | 黄緑 | ♀ | イヌガラシ | イヌガラシ | |
7 | E | 2003/5/5 | 千葉市緑区 | 5/5 | 5/10 | 5/21 | 5/23 | 5/24 | 6/2 | 黄緑 | ♀ | イヌガラシ | イヌガラシ | |
8 | E | 2003/5/5 | 千葉市緑区 | 5/5 | 5/10 | 5/21 | 5/24 | 5/24 | 6/3 | 黄緑 | ♂ | イヌガラシ | イヌガラシ | |
9 | E | 2003/5/5 | 千葉市緑区 | 5/5 | 5/12 | 5/25 | 5/30 | 5/31 | 6/10 | 黄緑 | ♂ | イヌガラシ | イヌガラシ | |
10 | E | 2003/5/5 | 千葉市緑区 | 5/5 | 5/12 | 5/26 | 5/31 | 5/31 | 6/10 | 黄緑 | ♀ | イヌガラシ | イヌガラシ | |
※採集総数15個体、死亡個体5(うち3齢(2)・終齢(3))、死因はすべて感染症。羽化個体10。 |
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