冬のトンボ
12月。木枯らしが強くなり、水面を渡る風も日増しに身を切るような冷たさとなる。水辺のガマの穂も飛び散り、枯れ茎が目立つようになる。ヒシやヒツジグサも枯れ、水面がよく見えるようになる。北総地域の小さな池では水面が凍ることもあるが、まだこの時期には日中になるとすべて融ける。田んぼの周りも枯草ばかりだ。前半には生き残ったアカトンボが地上で日光浴していることもある。
1月。水辺にみえるのは枯草だけだ。北総では水面が凍る日が増え、日陰などでは夕方まで融けずに残る。田んぼにも霜柱が立ち、非常に寒々しい。この時期になると、もうトンボの姿を見ることはできない。
2月。房州南端部の無霜地帯を除き、県内のほぼ全域で水たまりが凍るようになる。北総地域では氷も厚く、子供の頃は田んぼでスケートができたほどであるが、近年はそんなこともないようだ。後半になると雪が積もることもあるが、その後数日は暖かな日が続く。そうなると陽射しのある林縁などでは緩やかに飛ぶトンボに出くわすこともある。が、春まではまだ今しばらくの時が必要だ。
冬は基本的にトンボのいない季節である。ほとんどの種は幼虫で、休眠することなく成長を続けている。ただ、県内には成虫越冬のトンボが3種いて、暖かい日に活動することがある。冬に見られるトンボはこれだけである。
最終更新日 2003/10/30
凡例 |
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未成熟個体が中心の時期 |
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休眠している時期 |
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活動することがある時期 |
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ほとんど見られない時期 |