平成11年 中青戸小学校全校写生会

Sketch Festival at Nakaaoto Elementary School, 1999

うこそ!1年生から6年生までの風景写生の絵が約100点展示されています。

写生とは、見て、感じて、表現することです。技術は自然の模倣(アリストテレスの言葉)と言われるように、自然の中にはたくさんの恵みと答えと驚異があります。
それらを描きながら、私たち人間は自然の中にあり、自分を表しながらも共に生きていかなければならないことを学んでいきます。



●天候が気になる時は、生活気象情報のサイト 
[ウェザーニュース]
をご覧下さい。(リンク承認済/1999)
https://weathernews.jp
1.ねらい Objective
(1)自然に親しみ自ら課題を見つけて主体的、創造的に取り組む。○総合的な学習[SI][S6][G1]
to gain an appreciation of nature. to choose and creatively develop one's own theme. (Integrated Study)

(2)自分たちの地域環境に対して積極的に関わり、それについて考えたり判断したりすることができる。○総合的な学習[S4][K3][K7]
to gain an opportunity to be involved and make decisions regarding the local area and environment. (Integrated Study)

(3)見たものや感じたことを、描材の特性を生かして自分らしく表し、その楽しさを味わうようにする。図画工作科[A表現]
to learn to utilize art materials and creatively portray one's own observations and feelings. (Art Education)

(4)安全に気を付け、公徳心をもって、自然や動植物を大切にする。道徳[内容]1.3.4
to act in a safe and acceptable civic manner. to learn to protect nature and animal wildlife. (Study of Ethics)

(5)作品などを進んで鑑賞し、その良さや表し方の特徴などを感じることができる。図画工作科[B鑑賞]
to be able to bring to completion one's work. to esthetically feel and appreciate the special qualities and characteristics of one's art work. (Art Education)
2.実施日 Date of Event
 4月30日(金)雨の場合は室内で「花のある教室」ねらい(1)(3)(5)
April 30, 1999 (If rainy conditions, Sketch Festival will be held in individual classrooms. Theme: "Classroom with Flowers"
3.学年場所&描材 Sketching Location and Type of Art Materials

1年

1st Grade
校庭の木や花(校庭)遊んだ後で
"Sketching School Yard Trees and Flowers After Recess Play" pastels
パス
11M.M.
11R.I
11R.T
11S.I
11S.K
11T.I
12S.I
12T.I
12T.I
12T.S
12T.Y
12Z.H

2年

2nd Grade
校舎と木や花(校庭、中庭)
"School Building, Trees, and Flowers" (outer and inner school yard) pastels and water colors
パスと水彩絵の具
21A.K
21M.I
21M.S
21R.N
21R.W
21T.K
22A.N
22A.O
22S.H
22T.T
22Y.T
22Y.Y

3rd Grade
学校横歩道からの風景
"Scenery of Road Beside the School" conte pastel under sketch and watercolors
コンテで下絵、水彩絵の具
31M.K
31M.Y
31N.Y
31T.Y
31Y.I
31Y.T
32H.Y
32N.G
32S.H
32T.I
32Y.Y
32Y.Y

4th Grade
屋上からの風景
"Scenery As Seen From School Roof Top" pencil under sketch and water colors
鉛筆で下絵、水彩絵の具
41A.S
41F
41F2
41F3
41F4
41Y.N
42A.T
42H.M.
42K.K
42M.N
42M.S
42T.K
42T.U
42Y.A
42Y.T

5年

5th Grade
青戸平和公園
"Aoto Heiwa Park" pencil under sketch and water colors
鉛筆で下絵、水彩絵の具
51I.K
51K.H
51K.I
51K.K.
51N.E
51K.O
51S.I
51T.H
52A.N
52K.K
52K.K
52K.S
52M.M.
52S.H.
52T.O
52Y.O
53A.I
53A.K
53M.H
53N.Y
53Y.H
53Y.I

6年

6th Grade
御殿山公園
"Gotenyama Park" pencil under sketch and water colors
鉛筆で下絵、水彩絵の具
61A.U
61K.Y
61M.K
61M.O
61M.Y
61S.T
61T.S
61Y.B.
61Y.S
62K.M
62R.I
62Y.H
62Y.M
62Y.M
62Y.Y
62Y.Y
4.事前の指導 *6年生は挙行報告の届け出
◇ 自然の中で、一生懸命、自分らしいかきかたをする。(自己の生き方)
◇ なるべく当日仕上げるようなかき方をする。(課題解決)
 学年のめあて(指導のポイント参照)、 用具の準備
 安全指導、公衆道徳(公園の草や木を傷つけない、汚さない)
5.準備
(1)教師−画用紙(A3):現場で配布,スケッチ画材(自分でかく方)
(2)児童−写生用具(水彩は画鉛筆,筆洗い,筆拭きぞうきん),敷物,
 クリップ(洗濯バサミ),ハンカチ,ちり紙,校帽,水筒(筆洗いの水を兼ねる),
 画板(45p×32p以上)◇女子はスカートをさけてズボンを着用。
6.当日の時程
8:45 ◆健康観察の後、学年毎に集合・出発・写生開始
9:10 写生開始(6年)
〇1・2年生は実態に合わせて早めに教室に入り室内制作にする。
○3年生は体育館前トイレを使用
○4年生は屋上の水道も利用する。
11:40 写生終了 ◎パレット等は公園では洗わない。
13:00 昼休み時間〜13:40で原則として掃除なし。(簡易清掃)
13:45 5校時/高学年写生のまとめ(実態に合わせ各教室)
〇担任の先生は完成した児童の補助教材の用意
14:30 写生完成(名札つけ、展示は後日)       
★未完成作品は持ち帰り、6日(木)までに自分の手で仕上げてくる
 ことになります。
7.指導のポイント
1年1st Grade
・校庭にある花壇や木などをかく。
・パスの好きな色を選んだり、いろいろな線やぬりかた考えるなどしながら思いのままに表す。
2年2nd Grade
・校舎と木、花壇など組み合わせてかく。
・パスで形をとり、中心や塗りたい所をパスで表し、周りを水彩で表す。
・表したいことに合わせて、色を混ぜたりぬりかたなどを考える。
3年3rd Grade
・歩道から見た建物や木の様子などをかく。
・コンテで形をとり、水彩絵の具はパレットに全色をだして着彩する
・ものの組み合わせの関係に気付き、水彩絵の具の混色や重ねぬりを工夫する。
4年4th Grade
・屋上から見た地域の様子や回りの自然などのをかく 。
・画鉛筆で大まかに形をかき、建物、木々の違いや美しさを表す。
・パレットに全色だして、色の仲間をつくったり、工夫して着彩する。
5年5th Grade
・公園のいろいろな木や花、公園にいる人などの様子をかく。
・画鉛筆で大まかに形をとり絵の具は、なるべく始めうすく全体にぬり、部分や影などは重ねぬりして仕上げる。(基本の淡彩技法)
6年6th Grade
・公園の様子を、構図や構成の美しさを感じてかく。(前景、中景、遠景)
・淡彩技法を基本に創造的な技法などを生かして表現する。
わかりやすい作品仕上げの支援(写生マニュアル)
形がさみしい場合 ◇花や草や木、建物や人などをかき足してみる。「にぎやかに」
◇かいてある形を、もっと細かくかいてみる。「くわしく」
色がさみしい場合 ◇使ってない色を(パレットに出して)画面にぬってみる。「楽しく」
◇混色して、いろいろな色を作ってみる。「自然の色、いろいろな色で」
ぬり方が単調でさみしい場合 ◇パスや筆のかき方(タッチ)を変えてみる。「感じがでる」
◇上から重ねぬりしてみる。「変化をつける」
8.担任外の付き添い
9.事後指導
(1)クラス5点〜6店を入選として、手刷りの努力表彰状を贈る。 
あなたは全校写生大会において自分の見つけたものを工夫して創造的に表現できました。
あなたの取り組みと個性をたたえこれを賞します。

(2)入選の中で学年数点を廊下、玄関に展示する。  
(3)クラス全員分を数日教室または廊下に展示する。(日曜授業参観に展示可能)
 1人1人の良いところや頑張った所を誉めるようにする。   
 ◎名札・表彰状の用意〜図工部
(4)本年度の時間数は図工教科の時間として、使った時間だけ処理する。
10.写生場所の地図(トイレ・水飲み場)


図画工作科の年間計画Curriculum Ideas

 自然を見て観察することは、自然に抗して自立することではありません。児童自らが大地に足を踏み入れて、私たちを護り育ててくれている自然を実感する学習なのです。
 自然の中の写生とは、自己の存在を手がかりとした個性的な自然観を作品として認めることです。しかし、一方では失われていく自然を客観的に認識させて、人間が自然の「うちに」あり、地球と「ともに」あることを意識さたいと願っています。そこで制作する手の働きは、工夫しながら自然を耕してきた文化と同じものです。
 そして、表現することで、自分を基に対象や道具などとコミュニケーションしていきます。写真のようにそっくり・うまく描くことが目標ではありません。自分の目で見て、自分らしく、精一杯表すことがこの写生会のねらいです。それぞれの子どもの主体的な取り組み(個性と様式)をご覧下さい。
 現在、図工の時間においては見て描く絵が軽視される傾向にあります。写生画でも、構想画でも、結局は目と手と心を総合して、調和して、自分のイメージや世界を現すことが図画工作科のスケッチなのです。
 未来を創る子どもたちが、美しいスケッチをしながら21世紀の平和と自然を構築していくことを、私達は支援していきたいと思います。

The study, which allows children independently to step into and actually experience the very surroundings which give them life and protection, is the observation of nature.
Sketching nature in actual natural surroundings gives an opportunity to develop and portray one's unique "view of nature" and offers clues to one's own being.
Through this study of "art in nature," my desire is that the students will give thought to the natural environment which is slowly decreasing here in Japan and remember that humans exist "in" and "with" nature. Furthermore, may they learn that the very hand which works to create art, also is the same hand that develops a culture which cultivates and protects nature. The expression displayed in the sketches can be seen as a communication between one's being and the art tools used to portray nature. A goal of the Sketch Festival is to encourage an artistic expression which involves a full effort to independently discover and express one's own character, point of view, and style. A picture which gives an exact representation of nature much like a photograph is a not necessarily a desired aim. Rather the unique art expression of each child is taken into consideration.
The idea of sketching from observation is becoming increasingly over looked in present art classes. However, whether, creating art from observation, or creating art from imagination, both methods require a harmony and synthesis of eye, hand, and feelings in order to express the image and world seen in one's own mind. The true sketch of art education is one which emphasizes such harmonious art expression.
Let us encourage our children who are creating the future to continue to sketch in beauty as they plan and build the nature and peace of the 21st century.

環境を考える美術教育/Environment Programe through Art Education
http://www5f.biglobe.ne.jp/~eLearning/Environment.htm


図工の学習Art Lesson Plans年間計画Curriculum Ideas

<制作> 中青戸小学校図画工作科 Nakaaoto Elementary School Art Class


Written by Makio Kawashima
Last updated on 2/24/2024