十津川警部捜査行
神話と殺意の中国路

掲載内容 主な登場人物
再婚旅行殺人事件
  第1章 再婚列車
  第2章 グリーン車の客
  第3章 アリバイ工作
  第4章 一億円の披露宴
  第5章 急行「さんべ」

十津川警部「いたち」を追う
潮風にのせた死の便り
マスカットの証言
関門3600メートル
ISBN978-4-575-51148-2

2007/7/20第1刷発行

双葉文庫
648円(税込)
363ページ

(敬称略)
カバーデザイン/呉幸子
尾形尚子、井村正義、「さんべ3号」車掌・山下 木元謙一郎、石川有一
池内伸子、高倉君子、 十津川の妻・十津川直子
(再婚旅行殺人事件)

十津川警部「いたち」を追うは、リンクを参照

小早川ゆき、宿従業員・鈴木弓子・白石徹、友人・関根、徹の兄・白石貢
火事で焼けた旅館「きく乃」のおかみ、ゆきの友人・神林あい子、片桐建夫
(潮風にのせた死の便り)

十津川の妻・十津川直子
新日本商会総務部長・小田信威、妻・冴子
人事部長・木下、管理課長・中西・岡山支店長・高島
岡山駅助役・秋山(マスカットの証言)

国鉄総裁秘書・北野、副総裁・小野田
柴田敬、相川あや子、森、高田、野口、林亜矢、川村、青木
バーママ・はるこ (関門3600メートル)

捜査陣
十津川警部・亀井刑事(共通)

西本刑事・本多捜査一課長、桜井刑事
山口県警島田捜査一課長・外山部長刑事
警視庁捜査2課相沢警部(再婚旅行殺人事件)

十津川の部下・西本刑事・日下刑事
広島県警尾道警察署佐藤警部・原田刑事
東京世田谷署谷川刑事(潮風にのせた死の便り)

本多捜査一課長、三上刑事部長
山口県警下関署白石警部、福岡県警門司署秋山署長(関門3600メートル)
出雲から博多に向かう急行列車「さんべ3号」。通称、再婚列車の中で毒物による殺人事件が発生した。しかし、事件は迷宮入りに。
ところがスポーツ紙に掲載された結婚記事を目にした西本刑事は、迷宮入りした事件の被害者と記事の人物との奇妙な符号に気づいた。
事件は新たな進展をみせることになった。奇妙な運行ダイヤの巧妙なトリックに十津川警部が挑む。  (表紙裏解説参照)
最初の事件(再婚旅行殺人事件)は、表紙裏の解説を参照してください。
時代背景は、まだ出雲大社に向かう国鉄大社線が存在している頃の話。急行「さんべ3号」は、途中で分割され、それぞれ違う路線を 走り、再び連結されるという特有な列車で、「再婚列車」と言われていたそうです。今でもあれば、おもしろいのに。

「十津川警部「いたち」を追う」は、こちらに移動しました。リンクを参照してください。

「潮風にのせた死の便り」では、亀井刑事は家の近くで、折りたたんだ紙片を拾った。その内容は、坂の多い町で、 もし死んだら「あいつ」に殺されたと思ってください。私があなたを愛していて、その為に殺されるのだと思ってください。と いう内容でした。Y・Kのイニシャルが書かれてあるその手紙は、亀井宛のものではないが、気になった亀井は、十津川に相談し、 過去の事件を探ってみる事にした。という内容。坂の多い町・尾道で過去に起きた事件に関係しているらしい。

「マスカットの証言」では、東京駅八重洲口にあるトイレで、死体が発見された。その死体のポケットには、マスカットが3粒 入っていた。死体の妻である冴子の証言では、夫は神経質な方で、ポケットに絶対にキャラメルなど入れる人ではないとの事。 そして、初物は好きで、みやげを買ってくるタイプだという。ただ、胃の中には、マスカットはなかった。 キーワードは「マスカット」。岡山で有名な食べ物というと、吉備団子が一番にあげられるが、この事件の中、十津川警部の妻・直子が 「岡山のマスカットは、101年の歴史があるんだそうよ」と、十津川の為に、お土産を岡山駅から買ってきたマスカットの前で言う シーンがあります。これに感心した十津川。百年の歴史ではなく、101年というところが、もっともらしいというところからという事(笑)。 この土産をあきるほど食べて、翌日、この事件が起きたのだから、不吉な予感の前兆だったようですね。

最後の事件(関門3600メートル)は、110番に「キチが危ない」と通報があったところから始まる。 通報担当者は、不自然な切れ方を感じ、電話ボックスへの急行を要請。その電話ボックスの近くに男の死体を発見する。 さて、この「キチ」とは何を指すのか?亀井刑事は、息子の本から、ヒントを得る。
以前は、特急「おき3号」殺人事件で紹介してましたが、こちらに移行してきました。

評価 ☆☆☆☆ 星4つ(星5つで満点)    白鳥と心中?