観 光 編 <文責:女王様2号> |
今度の旅は、いつも激務でお疲れの3号(のら)を慰労するために計画されたリゾート旅行のはずでしたが、そこは貧乏性の女王様。 いろいろ観光もしてきました。
沖縄は鉄道がないので、移動はゴールド免許所有(別名ペーパードライバー)の2号(きち)の運転に託されることに。(1号と3号は無免許なのだ。)
レンタカー事務所で3人に与えられた車は日産サニー(シルバー)。 途中、ちょっと危険な運転もありましたが、幸い事故に遭うこともなく何とか済ますことができました。 沖縄はペーパードライバーにも優しい処です。
★データ★
所在地:読谷村宇座(098-958-2201)P50台 見学自由
ホテル日航アリビラのすぐ近くに残波岬がある。飲茶の昼食を食べたついでに、立ち寄ってみることにした。
1時間前は晴れ渡っていた空に、急な黒雲が現れ、ぽつぽつと雨が降り出している。 海岸線を進むこと数分。やがて、大きなシーサーが見えてきた。 ここが「残波岬いこいの広場」らしい。 道路脇の駐車場に車を止め、その像に近寄ってみる。説明によれば、高さ7mの巨大シーサー(残波大獅子)らしい。その横にある黒いオブジェ(?)は、琉球貿易に使われた貿易船の模型(というにはあまりにも。。。)だそうである。 その広場の奥には、鶏や山羊等が無造作に買われた柵もあり、なんだか妙な場所だな~と戸惑っているうちに急に雨が強くなってきた。
慌てて車に戻ったが、念のため、道路の先まで行ってみると、そこに「残波岬公園」が。 こちらの方が、いわゆる私のイメージに合った残波岬で、いこいの広場は、グランドゴルフやローラースケートなどが楽しめる場所だったらしい。(ガイドブックによる)傘をさして、岬の突端に向けて歩いていった。少し前に、アリビラのプライベートビーチで見た水色の凪いだ海とは別物のような、深い青、激しい波が岩場に激しくぶつかっている。 大きい波が来ると、岩場に波頭が砕け散って、なるほど「残波岬」の名前に納得する。 岩に腰をかけ、磯釣りをしている人が数名いた。残波岬は有名なダイビングスポットでもあるらしい。
波を見ているうちに、突発的な雨は止み、日も射してきた。 「あ、虹!」気づいたのは、1号だったか3号だったか、大きな虹のアーチの始まり部分が目の前の空間から伸びていた。
★データ★
所在地:恩納村山田1130(098-965-1234) P300台
料金:大人840円 営業時間:8:30~17:00 無休
琉球村は、沖縄に古くから伝わる文化を体験できるテーマパークだが、その実態は、まとまった土産物屋という感じである。 伝統工芸については、実演もあるし、自分で体験もできる。 体験工芸館のようなものがあるのかと思っていたら、実演している家(琉球の古い民家)の一隅でやる形式だった。 我々は、「沖縄伝統工芸紅型の作成体験をしよう。」と訪れたのだが、何故か紅型の体験場所に人が見あたらず、やむなく「ミンサー手織体験」を行った。(詳細は、工芸体験編参照)
後は、様々な沖縄特産品を食べて終了。(こちらの詳細は食事編へ)
ちなみに、この園の観光の目玉に「ハブとマングース対決ショー」があったのだが、動物愛護団体からの抗議が激しかったらしく、今は行われていない。
★データ★
ホテルにて受付 料金:2000円
2号は以前石垣島に行った時、川平湾でグラスボートに乗り、八重山諸島の海の素晴らしい美しさに大感動した経験があり(1号も昔、川平湾のグラスボートに乗っている)、もう一度その感動を味わうべく今回もグラスボートに乗ることにしたのだが。
ホテルのアクティビティとして扱われていたので、受付の看板に出ていた10時の回の集合時間ぎりぎりに行ってみると、もうその回は出発してしまっていた。事前に予約をしておかなければいけなかったらしい。 考えてみれば、この時から、既に暗雲は立ち始めていたのかも知れない。仕方なく、先に工芸体験をすることにして、改めて3時の回の予約をした。
午後になり、午前中の晴天は嘘のように曇天に。この回のグラスボートを申し込んだのは、我々3人のみ。バスで恩納村の小さな漁港へ降り立つと、ちょうどダイバーが海からあがって来たところだった。 我々を港まで送ってくれた運転手の兄ちゃんが、ダイバー達に「ちょうど良いときに上がってきたね。」と声をかけている。 どういう意味かな??と怪訝に思いつつ、港に行くと、沖の方からいかにも元海人:うみんちゅ(漁師)という風貌のおじさんの操縦するボートがやってきた。
ここでも運転手の兄ちゃんは「北、入って来ちゃったね。」とおじさんに話しかける。 後で体感してわかったことだが、これはどうやら「北風になって、寒くなり海が荒れる」という意味だったらしい。
珊瑚礁を泳ぐ熱帯魚達さて、ボートに乗り込み、いよいよ出航である。ボートはスピードをあげて湾内を通過し、珊瑚礁の海へ出る。しかし、最初に見えるのは、白い砂と黒くなった珊瑚の死骸ばかりである。 透明度もそれほど良くない。この段階で、2号は、川平湾の状景を期待するのはやめた。 そもそも、川平湾は海水浴すら禁止された完全な保護区域で、沖縄本島とは状況が全然違う。 ボートに乗る前に気づくべきだったのだが。。。
ある地点で、ボートはスピードを緩めた。生きた珊瑚礁が広がり、今までとはうって変わって熱帯魚が乱舞している。大きなしゃこ貝がこの地点の目印らしい。 魚の名前に疎いので、うまく説明できないが、黄色や青の綺麗な魚が大小入り乱れて泳ぐ様は美しい。小さな魚は群れており、比較的大きな魚は1匹で泳いでいることが多いようだ。
陸に着いた時には、3人とも無口になっていた。バスでホテルに帰ると、誰ともなくベッドに入り、しばしの休息に入るのであった。
「この先、10m落ちます。」おじさんがパンくずを取り出し、海に巻き始めた。魚がすごい勢いで海面に上がってくる。 慌てて船底のガラスから目を離し、海の外を眺める。魚は、ボートについていれば餌にありつけることを知っているようで、しばらくボートの後を追っていた。
「この先、10m落ちます。」無口なおじさんが、突然に口を開いた。 ボートはゆっくり動き、目の前の珊瑚礁が不意に切れ、崖っぷちを埋めるように深遠な海が現れる。 深いブルーの世界に魚達が縦の空間を使って群れている。 このGAPは結構感動的であった。空は相変わらず曇天で、陸地の方では雨が降っている模様である。沖合の波はだんだん大きくなり、旋回する小舟の揺れは、時を追って激しくなってきた。 要するに揺れるのである。船に弱い2号と3号は、だんだんつらくなってきた。
ミントのピンキーをなめてごまかすのも限界というところである。船は港を目指して戻り始めた。 ガラスから見える景色も、また荒涼とした白い砂と珊瑚の死骸、後はナマコばかりとなった。 ナマコにも、青や黒や黒と黄の縞模様のもの等、いろいろな種類があることを知った。 おじさんは「ナマコは最近誰も食べないから増える。」と言ったが、そうなのだろうか?
★データ★
所在地:北中城村大城503(098-935-5719) P100台
料金:300円 営業時間:9:00~17:00 無休
グスクとは、琉球が一つに統一される前の時代、群雄割拠の時代に作られた石の城跡で、沖縄各地に残るグスクの中でも、中城城跡は遺構が最もよく残っていると言われている。 実は、前回2号が沖縄を旅行した時(沖縄グルメの時)、様々なグスク巡りをした。 だが、時間の都合で中城城跡だけ行けなかったのだ。ということで、3日目、ホテルから空港まで戻る間の観光プランとして、中城城跡観光が加えられることになった。史学科出身らしく、沖縄の過去に思いをはせるのである。(??)看板の矢印がどの方向を指しているのか非常にわかりづらかったため、本島の中央部にあるはずなのに、なぜか東海岸まで突き抜けてしまったりしたが、「グスクは丘の上にあるはず。」という2号の経験による勘(?)を働かせ、何とか駐車場にたどり着いた。
「北が入った」沖縄の空はどんより曇り、雨の気配で一段とうらさびた雰囲気の漂う入口で入場券を買う。 ここで、中城城跡が世界遺産登録を狙っていることを知った。 (そして最近、沖縄グスク群として世界遺産に登録されたらしい。)入場口から正門まではちょっと遠い。丘を迂回するような未舗装の道路を500mくらい歩き、更に丘の上に登ってようやく正門である。琉球石灰岩の切石を積み上げて作られた門をくぐり進んでいく。 中城城跡は約4300坪あるという。まずは兵馬の訓練をしたといわれる西の郭(芝生と木立のみ)を横目で見ながら一の郭へ。ここには正殿があったらしい。 入場口で渡されたパンフレットを見ながら美しい石組みを眺める。基本的に、グスクに残るのは石灰岩の美しい石組建築(屋根はない)と開けた芝生の台地で、ほかには何もない。
階段を上がり、石のアーチ門をくぐり、二の郭へ。ここは女性専用の郭だったらしい。
続いて三の郭へ。ここと、その横の北の郭は、一の郭&二の郭とは、石積みの方法が違っている。 三の郭は、丘の一番上になるので、石垣の上に登ると、眼下に東海岸がよく見える。
この頃から雨が降り出してきた。お弁当を食べようとしていたらしい数人の若者達が困り果てた様子でうろうろしている。しかし、何とか裏門まで見て回り、見学を終了した。余談だが、2号の趣味で言うと、一番お薦めのグスクは、残波岬の近くにある座喜味城跡である。 ここは石の色が実に美しい。
もちろん、中城城跡も良い。1853年に来島したペリー提督も「賞賛すべき石造建築」と称えただけあって、その規模と遺構の残り方は一番である。
沖縄でリゾート三昧ももちろんよいけれど、たまには、どこかのグスクに行ってみるのも、お薦めです。(でも晴れた日にね。)
一の郭(正殿)
石垣の眼下に東海岸
二の郭を囲む石垣
裏門