番 外 編

文責:女王様1号

※ 1バーツ=3円弱(2003年GW当時) ※

◆ 女王様 vs SARS ◆

 イラク戦争も始まってしまったがタイ行きには影響なさそうと思っていた4月、突如ニュースを賑わし始めたのがナゾの新型肺炎・SARS。 「原因も治療法もわからない死の病」のようなセンセーショナルな報道が多かったため、さすがに女王様たちもビビったが、ネット等であれこれ情報収集をしてみると
  • 感染しても死に至るとは限らない(回復する確率の方がはるかに高い)
  • タイでも感染者7名(当時)、うち死者2名が出ているが、国外で感染したもので、タイ国内は感染地域ではない
  • タイとベトナムはSARSの国内感染を防いだ模範例と言われている
  • 感染地域からのタイ入国時&入国後のSARSチェックは日本より数段厳しそう
などということがわかってきたので、あまりヒステリックな対応をするのも愚かしいし、ここは一つ腹を据えて予定通り行くことに。
(情報源:東京都感染症情報センターSARSの情報源サイトなど)
 しかし直前になって、3号の会社で感染地域(「感染者が出た地域」と広く解釈されていた)への渡航禁止令が出たため、既にタイ行きを告知していた3号は泣く泣く留守番をするハメになってしまった。 (T_T) 2号と10号の会社は大丈夫だったが、職場の人にはタイのタの字も言うことなく(笑)出発することとなった(帰国後に、感染地域に限らず&公用私用を問わず渡航自粛令が出た)。

 一応SARS対策としては、以下のものを持参してみました。

 ・マスク
 ウィルス・花粉用で「インフルエンザウィルスを99.9%カット!」というもの。でも300円くらいのフツーのガーゼ製マスク。 医療機関でSARS防御用に使用されているマスクは品切れらしいし、ものすごく呼吸が苦しくなるらしいし、そこまでするなら最初から行かなきゃいいじゃん(笑)、ということで。
マスク姿の女王様  しかし、持って行ったのはいいが、装着するタイミングが難しい。成田空港の出発ロビーで既にマスク姿の人も見かけたが、出発ロビーが危険だったら論理的には日本国中どこでもマスクしてなきゃならないということになってしまうだろう。 機内に入るとマスク率がちょっと上がったが、これまたずーっとマスクしているのか?というと、機内食を食べるときには外すんだろうし、あまり意味がナイ。
 結局女王様たちは、バンコクの空港に着いてからようやく装着。入国審査もマスク姿のままで通過。何も言われなかったけど、こんな大きなマスク(写真参照)をしていて本人確認ができるのか??? テロリストがスルーしても知らないぞー。
 だが、フツーのガーゼ製マスクでも暑季のタイでは相当に息苦しく、ロビーで現地ガイドさんを待つ間に耐えきれず外してしまった。装着時間、約10分で終了。 f(^^;
 翌日以降の観光時にはいっさい装着せず。プーケット→バンコクに移動する機内で、1号と2号の前列のおばちゃんが急に激しく咳き込んだときには「しまった、マスクしてないよ~!」と焦ったが…(通路を挟んだ10号の席の隣が空いていたので速攻で移動した)。 タイの街中ではマスク姿の人は全然見かけなかった。

 ・除菌ウェットティッシュ
 これはSARSに関係なく結構役立った。おしぼりなど出ないプーケットの地元レストランでも活躍。SARSウィルスは薬用アルコールに弱いらしいし。

 ・うがい薬
 開封すらせず(笑)。
 まあ、うがい薬こそ使用しなかったものの、SARS防御の最大の策はこまめな手洗い&うがいだということなので、その辺は日本にいるとき以上に注意したつもり。

 それにしてもSARSの影響は甚大で、4月29日というGW本番開始の日に出発だったにもかかわらず、成田空港は閑散としていた(夕方発だったので午前中よりさらに人が少なかったようだ)。 チェックインも出国審査も待ち時間ゼロ。「こんな成田空港見たことない!」と思わずガラガラなカウンターの写真を撮ったりしてしまう女王様たちだった。
 行きの機内は6割くらいの搭乗率。コーラル島で一緒になった新婚さんたちは、乗るはずだったエア・インディアが乗客不足で(?)欠航になったと言っていた。
 タイに着いても日本人観光客を見かけることは稀で、現地ガイドたちにも「SARS(タイの人々は「サー」と濁らずに発音)怖くないですか?」と聞かれたりした。 プーケットのバンタオ・ビーチでは、半分くらいの客室を閉鎖して営業しているホテルもあったらしい。女王様たちが宿泊していたラグーナビーチリゾートはほぼ満室だったけど。
 帰りの飛行機は、やはり乗客不足で飛ばなかった他の便の乗客を吸収したらしく、4つくらいの便名を兼ねていて、だいたい満席だった。

 行ってしまえばほとんどSARSの危険を感じることもなく、タイを満喫して成田空港に帰着。到着ロビーに出ると、正面にどこかのTV局のカメラが。 しかし、このときは誰もマスクを装着していなかったので、「マスクをしていない人は被写体として価値がないから撮られないだろう」と軽~い気持ちでカメラの前を通過。 バンコクの空港でマスク姿の写真を撮りそびれていたので、わざわざ到着ロビーでマスクを取り出し、無事帰国の記念撮影(写真はこの時のもの)を行ってから解散したのだが…。
 この日の夕方、昼寝から覚めた1号が、この時期に海外旅行に行ってきた脳天気観光客代表としてNHKのニュースに映っている一行の姿に驚愕することになろうとは、神ならぬ身の上、知る由もなかった。 (^^;; 知っている人が見ればなんとなくわかる程度には映っていたようだが、とりあえず2号&10号の職場の人にはバレなかったらしいのは不幸中の幸い。


◆ 銀傘を探して ◆

 暑季の太陽が照りつける灼熱のタイランド。バンコクで最初にワット・プラケオ&王宮を見学しただけで既にクラクラ状態の女王様たちの目を突然まばゆい銀の光が射た!
 …って何だと思ったら、向こうから歩いてくる女性が外側が銀色にコーティングされた日傘を差していたのだった。これならかなりバッチリと太陽光線をはじきそう。周りの人間はまぶしくて迷惑だが(傘の内側は銀色ではない)。
銀傘の外側&内側  この銀傘は今タイで流行のアイテムなのか、バンコクとアユタヤでは何度も見かけた。なんと我々の現地ガイドさんも、アユタヤ観光時にいきなり取り出していたし。 アユタヤのワット・プラ・スィー・サンペットでは、親傘の上に子傘が乗ったナゾの二重傘まで目撃。 現地ガイドさんに10号が聞いたところ、晴雨兼用で値段は50バーツくらいらしい。
 これは今後の観光時にゼヒ欲しい!とナライパンプーケットタウンでの買い物時にキョロキョロしたのだが、最後まで発見できず。 ガイドさんにどこで売ってるのかも聞けばよかった。熱帯化が進みつつある日本に個人輸入して販売したら、結構イケるんじゃないか?と目論む女王様たちだったのだが(笑)。

 などと言っていたら、既に同様の傘が日本でも販売されており、10号が早速購入(右写真、マウスポインタを乗せると内側の柄と切り替わります)。銀座の雑貨屋にて、定価1,900円がバーゲンで30%オフだったそうです。 タイの銀傘と違って折りたたみ式で、内側は水色の花柄でなかなかオシャレ。
 皆様も今年の夏はこれで太陽光線をシャットアウトだ!(売り文句によれば紫外線99.8%カットとのこと。)


◆ 日本語ガイドあれこれ ◆

 今回の旅では全部で3名の現地ガイドさんに世話になった。
 タイでは結構日本語ガイドの需要が高いと思われるが、その分日本語ができればとりあえずOKという感じなのか、皆一短一短(not一長一短)ある人たちだった(笑)。
・バンコク&アユタヤ担当(30代女性)

 初日は一行の飛行機が予定より30分くらい早く到着したためにまだ迎えに来ておらず、到着ロビーに常駐しているらしいタイ政府観光庁の人や全然関係ない他社の現地ガイドの手を煩わせて連絡を取ってもらうハメに(これは彼女のせいではないが)。
 彼女の最大の問題点は日本語能力。アユタヤであちこち観光しながら解説をしてくれるのだが、半分くらいしか理解できなかった(爆)。いちいち聞き返すのも面倒なので、女王様たちは曖昧な笑顔でおとなしく聞いていたけど。 ときどき突然「~ダヨ」とタメ口になるのが特徴。
 そして彼女は「説明」という言葉を「オススメ」と間違えて覚えていた。 道理で、バンパイン宮殿の自由行動に入る前に「○分後に『オススメ』の看板の前に集まってください」と言ったり、日本人町跡で日本語の説明ビラを渡しながら「これ、『オススメ』です」とわけわからんことを言っていたわけだ。 「説明の看板(=案内図のこと)」と言いたかったのね。 (^^;

・コーラル島担当(20才男性)

 コーラル島ツアーは英語ガイド(100バーツ安い)で申し込んでいたのだが、同じツアーに申し込んだ新婚さんたちが日本語ガイドを希望したということで、日本語の話せる若者がやってきた。 ちょっとツリ目であまりタイ人ぽくない顔立ち。
 彼はまあまあ親切なのだが、まだガイド歴が浅くて日本語がイマイチわかりにくい。それなのにやたらとギャグを飛ばそうとするのが困りもの。 3回くらい「はい?」と聞き返した挙げ句にヒアリングに成功してギャグだとわかっても、今更笑えず(もともとそんな面白くないギャグだし)「はぁ…」とスルーあるのみ。ギャグを仕入れるより、まず日本語を勉強しましょう(笑)。
 さらに彼はレオナルド・ディカプリオがピピ島で「ザ・ビーチ」のロケをした、という話に持って行くマクラとして「今日(5月3日)は何の日か知ってますか? ディカプリオの誕生日です」と言っていたのだが、この日付はまったくのガセであることが判明。 (-_-#

・プーケット担当(20代男性)

 これまた新米ガイド。女王様たちに対し唐突に「元気ないね! 大丈夫?」と聞いてきた。女王様たちは年相応のレディ(?)としてごくフツーに会話していただけだが。日頃、そんなにテンションの高い客ばかりなのか?
 そして、空港からホテルまでの車中でしつこくピピ島オプショナルツアーを勧めてきた。「後で考えます」と言っておいたら、10分後くらいに「決まりましたか?」と催促されたよ。やはり婉曲表現は通用しないのできっぱり拒否。
 彼の勧めるピピ島に行かなかったからか、3女王様は最終日の送迎ではかなりぞんざいに扱われた。 空港で荷物を預けるとき、女王様10号のスーツケースに前回のフライトの宛先シールが貼りっぱなしになっていたのだが、彼はそれをはがして丸めてなぜか10号に手渡したので、「ゴミを客に渡すな! 捨てろ!」と10号の怒りを買っていた。
 ホテルでのチェックイン時に記入するカードや、彼の所属する現地旅行社に対する満足度アンケート用紙を持ってくるとき、筆記用具は貸してくれないという気の利かなさも日本人客相手には大きなマイナスポイントだ。 もちろん、女王様たちはその点もしっかりアンケートに書いておきました(どうせ彼は日本語は読めまい)。 (^^)
 まあ短い日程であちこち移動したりしなければ、タイでは現地ガイドは不要かもしれません。 


◆ 暑季のタイ ◆

 四季のある日本と違って、1年が雨季と乾季に分かれている国というのはよく聞くが、タイにはその他に暑季という区分がある。だいたい、
  • 雨季(5月中旬~10月)
  • 乾季(10月~2月中旬)
  • 暑季(2月中旬~5月中旬)
というように分かれているらしいので、GWは暑季の末期に当たる。
 もちろん、読んで字の如く、暑季は暑い! 日中気温が40度を超えることも少なくないとのこと。女王様たちはバンコク&アユタヤで暑季の暑さを心ゆくまで?満喫した。 アユタヤでバンパイン宮殿を自由見学しているときに小雨が降ってきて、は~涼しい~と一息ついたのもつかの間、日本人町跡に着いたときは再び南国の太陽がギラギラと輝いており、女王様たちをガッカリさせた。 スコール

 プーケットの方がバンコクより南にあるのだが、ヒートアイランド現象もなく、海に囲まれているために過ごしやすかった(だからプーケットでは銀傘を見かけなかったのか?)。 しかし、プーケットでは「これぞ南国!」というスコールに2回も遭遇した。1回はコーラル島で、2号1人がシュノーケリングで沖の珊瑚礁を見に行っている間。 マスクが合わずに断念して引き上げてきた1号と最初から待っていた10号は、大慌てで荷物を抱えて屋根の下(昼食を食べた場所)へ待避。物売りのおっちゃんたちも急いで椰子の実ジュースやパラソルを撤収していた。
 もう1回は最終日にアンサナ・スパから戻ってきて、バンタオ・ビーチ内の他のホテルに昼食を摂りに出かけようとした矢先。 この時のスコールは前日よりさらに激しく、ホテルのロビーに面した池があっという間に増水して溢れんばかりの勢いだった(右写真参照。縮小してしまったのでわかりにくいが、水面が強い雨でバシャバシャになっている)。 そして、我々が考えるスコールというのはざーっと降ってさっと上がる、という感じだったのだが、思ったよりも長時間(コーラル島では30分以上、プーケットでは1時間以上)続いていた。


◆ タイ・フード・フェスティバル ◆

大混雑

 タイより帰国した週末(2003年5月9日~11日)、代々木公園にて「第4回タイ・フード・フェスティバル」なるものが開催されるとの噂を聞きつけ、まだタイ気分の抜けない女王様1号はすかさず行ってきました。
 代々木公園のどこでやっているのか知らず、花見したりするエリアの方へなんとなく進んで行ったがどうも違う。なんと道路を挟んだ代々木体育館側のエリア一帯がフェスティバル会場となっていた。 漠然と、以前インド旅行の前に行った「ナマステインディア」くらいの規模を想像していたのだが、ご覧の通り(右上写真)の大盛況。 万単位の人出で、またまたタイをなめていた1号を驚愕させたのだった。 タイ風ラーメン

 会場内は、食べ物屋台エリア・タイ産品販売エリア・ステージなどに大きく分かれている。屋台は都内各所のタイ料理レストランの出店らしい。ちょうど昼飯時だったので、タイ風ラーメン(左上写真)で腹ごしらえ。 左側が豚肉入り、右側が牛肉入り。どちらも500円。この他に当然?チャーンビール 300円も購入。それにしても、タイ帰り(笑)だと、食べ物類の値段が現地とギャップありすぎ…。
 屋台の近辺には一応テーブル&イスが並べられているのだが、満席で座れない。というか、タイののんびりモードになっているのか、食べ終わっても全然席を立とうとしない人々が多かった気がする。 マンゴー&ドリアン テーブルの上にビール瓶を林立させて、王様ゲームを始めているバカどもがいたのには本当に腹が立った。オマエら帰れ、今すぐ。 (-_-# リピーターなのか、準備良く敷物持参の人々もいた。来年行こうと思う方はそれがオススメ。仕方ないので1号は立ち喰いした。
 食後のデザートとして、カットフルーツの屋台も出ている。勇気を出してドリアン(右中写真:手前)にチャレンジ。意外にニオイはなかったが、味はかなり濃厚なクリーミー系。クセになるほど美味しいとは思えなかった。 タイでは思ったより見かけなかったマンゴー(右中写真:奥)だが、ここでは半分凍った状態になっていて冷たく美味しかった。どちらも200円

 2時からステージでタイ伝統舞踊が見られるというスケジュールだったので、人混みを縫って行ってみる。タイでは結局古典舞踊を見ることができなかったので、ここでリベンジだ!
盆踊り?  …と張り切っていたのだが、実際に見てみると本格的なショーではなく、「タイ舞踊&楽器入門」みたいな、解説&見本を見せてくれるだけのものだったのでガッカリ。 きらびやかな民族衣装のおねーちゃんの踊りを期待していたのに。どうもそういうのは7時からの回でやっていたらしい。他の見物人たちも途中からかなり飽きてきているのが感じられた(笑)。
 左中写真は、そんなガッカリ気分の中ステージ上で演じられていた、タイの盆踊りの模範演技。

 その後は物品販売エリアをブラブラと散策。食料品や衣類が主に売られているが、まだ自宅用に買ってきたインスタントトムヤムクンにも手をつけてない状態だし、どれを見ても「高っ!」と思ってしまうので、何も購入せず。
タイ衣装で写真撮影  面白そうなところでは、タイ衣装で写真撮影コーナーがあった。衣装着付け&メイク&写真撮影込みで1,000円と書いてあったような。1号は時間がなかったのでチャレンジしていない。 左下写真は、たまたま1号が通りかかったときに撮影していたお客さんです。
フルーツカービング  他には、フルーツカービングタイ料理教室など、参加型のコーナーもあった模様。右下写真は、神業のようなフルーツカービング作品。
 事前に得た情報ではタイ古式マッサージコーナーもあるハズだったのだが、残念ながら発見できず。

 毎年この時期に開催されているようなので、夏頃にタイに行こうという人は「慣らし」で行ってみるといいんじゃないでしょうか。あまりの混雑に、「タイをなめたらいかん!」というココロの準備もできるかも(?)。


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