CBS(クリニカル・バイオホログラフィック・システム)

 CBSとは、解剖学、生理学、経絡理論などの基礎医学を踏まえながら、身体をホログラフィック なシステムとして捉え、アプライド・キネシオロジー(Applied Kinesiology: AK)を軸に、カイロプラクティック、オステオパシー、軟部組織モビリゼーション、クラニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)、筋膜の解放、東洋医学、食事・栄養療法、ライフスタイルの指導、ホメオパシー、薬草療法、アロマテラピー、筋スラッキング療法、電気治療、超音波療法、光線療法、サイマティクスセラピー(音響波動療法)、クライオセラピー(冷却療法)、運動療法、キネシオテーピング、カウンセリングなど様々な治療を統合して創り上げられたものです。
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カイロプラクティック&オステオパシー

 一般に知られている様な、捻ったり、強く押したりするような矯正法はあまり行ないません。そのため、ボキボキと言う矯正音を好む人には物足りないかもしれませんが、この矯正音がする・しないは、治療効果にはまったく関係ありません。むしろ現代人には、肉体労働や運動選手のオーバーユーズのような、からだを酷使したことによる問題よりも、精神的なストレス及び身体を使わないことから生じる問題が多くなっています。このような人達は、からだを支持する組織が弱いため、捻ったり、強く押したりするような矯正法は、かえって組織の損傷を増悪させる結果になります。この様な理由から、CBSではノンフォース・テクニック(暴力的でないテクニック)を主に使用しています。しかし、カイロプラクティックのアジャストやオステオパシーのスラスト(矯正)を行なわないわけではありません。CBSで現在使用している、
主なノンフォース・テクニックには、

@ カイロプラクティック・マレッタを使用しての矯正
A ブロック・テクニック
B トラスコット・テクニック
C 筋エネルギー・テクニック
D カウンター・ストレイン
 などがあります。

 背骨や四肢に対するアプローチは、主にカイロプラクティック・マレッタと呼ばれる道具を、骨盤の調整には骨盤ブロックを使用しています。反射ポイント(神経血管反射、神経リンパ反射、ストレス受容器、手・足の反射などのポイント)なども治療に使います。

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鍼・灸

 脉診流経絡治療による、気の調整の為の治療を中心に行なっています。髪の毛よりも細い金または銀の鍼を使用し、手足の経穴(通常は2〜4箇所)に鍼を打ちます。この様な治療を本治法といいます。必要に応じ、標治法(主訴・症状のある部位に直接行なう治療)も行ないます。古典的な脉診流経絡治療以外にも、東洋医学の原理に基づく治療も行なっています。
 脈診流経絡治療家で、刺激鍼(経絡治療が古典を基にしているのに対して、解剖生理を基にしているため現代鍼とも言われる)を行なう治療家はほとんどいません。しかし当院では、運動器疾患に対しては電気鍼や運動鍼等も使用しています。
 慢性疾患に対しては灸(通常は、軟膏の上にもぐさを置いてお灸をしますので、熱くもなく、灸痕も残りません。直接すえる場合も、痕は残しません。悪いほど、気持ちよく感じます)等を加えて行ないます。

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筋肉テスト筋肉反応テスト

 当院では、クリニカル・バイオホログラフィック・システム(CBS)と呼ばれる方法によって、構造・化学・精神・環境の4面から診断および治療を行なっています。CBSでは、診断のために多くの検査法を使用していますが、その中でも主要な検査法に『筋力テスト』と『筋肉反応テスト』と呼ばれる方法があります。
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筋膜の解放 -頭蓋仙骨療法-

 背骨は、24個の脊椎によって出来ています。この背骨の中に袋が入っています。この袋は脊髄硬膜と呼ばれ、仙骨(お尻にある骨)についています。この硬膜の中には、脊髄と脊髄液が入っています。頭蓋骨(頭にある骨)の中にも袋があり、これを脳硬膜と言います。この中には、脳と脳脊髄液が入っています。脳硬膜と脊髄硬膜はつながっており、ちょうどおたまじゃくしのような形をしています。脊髄液は、硬膜の中でいつもある一定の量を維持しながら、増えたり、減ったりしています。このリズムを『頭蓋仙骨リズム』とか『頭蓋リズム・インパルス』と言います。健康な人ならば、一分間に10サイクルで増えたり減ったりしています。

 からだは水の入った袋のようなもので、この袋を『筋膜』と言います。筋膜は何層もありますが、すべてがつながっています。硬膜も筋膜とつながっています。皮膚も筋膜とつながっています。心臓の鼓動や呼吸の動きが、からだに手を置くと、どの場所でも感じることが出来るように、どの場所でも脊髄液のリズムを感じることが出来ます。このリズムは、からだがふくれたり、ちぢんだりすることでわかります。関節が動くとき、からだを包む膜は関節の動きと一緒に伸びたりちぢんだりしなくてはなりません。癒着や瘢痕、からだのねじれ、関節の異常、みんなからだを包む膜に影響します。膜どうしの癒着やすべりの悪さも問題を起こします。過度のストレスやけが、悪い食事、ウイルスや細菌、重金属や化学物質、すべての問題が筋膜の正常な動きを阻害します。結果として、頭蓋仙骨リズムを乱します。風邪を引いて熱が出てくるとリズムは速くなります。極度に疲れたり衰弱してくるとリズムは遅くなります。治療によって問題を改善すると、とたんに頭蓋仙骨リズムが正常になり、自然治癒力が高まり、免疫力が上がり、自律神経のバランスやホルモンのバランスが整ってきます。また、からだの緊張がとれ、精神的にも落ち着いていきます。

筋膜とからだ
 結合組織と呼ばれる筋肉、筋膜、靭帯などは、人のからだの枠組みをつくり、からだの各部を一定の場所に収め、各部が各々の機能にかなった働きをすることを可能にしています。また、筋肉繊維を包んでいる筋膜は、腱となり筋肉と骨を結び付けています。それぞれの筋膜・筋肉は、お互いに適度な張りを持つことによって、骨格の位置関係を定めバランスを保っています。

 理想的には、筋肉がバランスのとれた張りを持ち、地面に垂直な軸(これを専門用語では、正中重力軸と言います)を中心に、前後、左右、上下、内外で緊張のバランスがとれ、かつ調和のとれた動きが出来ることが必要です。この時、からだは地球の重力に対して最も抵抗が少なく、安定し、かつ自由で、リラックスした状態にあります。正常な筋膜は、しなやかで弾力性に富んだ半流動体の物質で、すべての筋肉繊維や器官を包んでいて、地球の重力、日常に起こるさまざまなストレスなどを吸収し、ケガなどの故障に対応し、からだのバランスを取ろうとしています。ところが、事故やケガ、精神的ストレス、偏った生活習慣、老化などによって水分を失うと、柔軟性がなくなり固くなったり、ねじれて萎縮したり、分厚くなったり、隣接する組織にくっついたりしてしまいます。そのため筋肉は短く緊張し、筋肉どうしがくっついてしまい、それぞれの自由な動きを阻害してしまいます。この結果、慢性的なからだの痛みや不快感、柔軟性の低下、運動能力の低下などが生じてきます。バランスが崩れ、からだの垂直性が失われると、地球の重力は身体を傾いている方向へ引っ張るため、それを支えるための圧力が常に筋肉や筋膜にかかることになってしまい、日常で身体をまっすぐに保っていることにさえ身体的エネルギーを浪費しなくてはならなくなります。また、本来は別々の働きをする複数の筋肉が一体化してしまうため、身体が本来持っている動きの効率性を低下させてしまいます。これは、からだの不調の原因やエネルギーの浪費となるばかりではなく、その人の行動、心理、感情などにも影響を与えてしまいます。からだは、元の正常な状態のバランスに戻ろうとしますが、いったん習慣となってしまったアンバランスは、それを作り出した元々の怪我やストレスなどの原因が無くなったとしてもなかなか元には戻りません。

筋膜リリース
 今お話したように、からだ全体としての歪みが定着してしまうと、筋膜をはじめとする組織全体としてのシステムの調整が必要となります。単に筋肉をほぐしたり、ボキボキと矯正したりしても、全体的には歪んだままであり、遅かれ早かれ元のアンバランスな状態に戻ってしまいます。そこで、全身の筋膜に対して、様々な側面からのアプローチが必要となります。このアプローチの一つに、筋膜リリースおよび筋膜モビリゼーションと呼ばれる方法があります。当治療室で行なっている軟部組織のモビリゼーション(STM)や隔膜リリースには、これらのテクニックが取り入れられています。筋膜リリース・筋膜モビリゼーションによって、コラーゲンを主成分とする筋膜のシステムの柔軟性、流動性を次第に回復させて行きます。それによって、固定化し動きを失っている身体の構造に、変化するためのスペースを作り出して行きます。また同時に、癖となっている身体の動きのパターンを変えて、より効率的な動きを取り戻せるように導いて行きます。その結果、身体は全体として統合され、機能性や柔軟性に富んだより高いレベルのバランスへと向かって行きます。

隔膜リリース
 筋膜のほとんどは、縦に走行していますが、横方向へ走行している筋膜もいくつかあります。家で言うなら、縦系が柱で、横系が梁と言えます。横系の筋膜や筋肉などを専門用語で『隔膜』と言います。最初に横系の最も底部にある骨盤隔膜を治療します。片手をお尻の下に入れ、手の平を仙骨に置きます。もう一方の手の平を恥骨に置きます。場所的に嫌な人もいるかもしれませんが、とても大事な治療なのでガマンして下さい。蝶が止まる程度の圧で、優しく、ゆっくり、ていねいに触れていきます。自分の手が患者のからだに溶けていくように、お互いが一体になるように、からだと対話するように触れて行きます。浅いところから徐々に深いところへ入って行きます。このとき、私達の右脳はめちゃくちゃ活動しています。なぜなら、研ぎ澄まされた感覚のみが働いているからです。私達の手の情報収集が終わると、今度は左脳が働いてきます。感覚を知識で解析していくためです。最後に、左と右の脳の渡り廊下、脳橋が結果をまとめます。続いて、横隔膜、胸郭の上部の隔膜、舌骨といってあごの下、咽仏の上のほうにある骨にくっついている筋膜や筋肉、頭の後ろと頚との境(後頭底と言います)など、五ヶ所の隔膜を同様に解放していきます。解放とは緊張をゆるめていくことです。

どんな感じ?
 治療されている人は、触れている手が熱くなってくるのを感じるかもしれません。眠くなってくるかもしれません。からだの奥の方から緊張がほぐれていくような気がするかもしれません。不思議なリラックス感につつまれるかもしれません。痛みがでたり、強くなったりすることもあります。また、過去の思い出が湧き出てきたり、わけもなく悲しくなったり、涙が出たり、いらいらしたり、どきどきしたり、色々なことが起こります。しかし、治療を続けているとなぜかすっきりしてきます。私達が触れているとき、東洋で言う『気』も含まれますが、もう少し複雑な癒しのエネルギーを使っています。エネルギーは使っていますが、循環している優しい包み込むようなエネルギーなので、治療している私達が疲れることはありません。むしろ、皆様と共に元気になって行き、リラックスして行きます。

どんな人にいいの?
 隔膜の解放(リリース)は、どんな人にやっても問題はありません。赤ちゃんから老人まですべての人に効果があります。元気のない人や調子の悪い人は、元気になり調子が良くなります。元気でどこも悪くない人は、さらに元気で調子良くなります。

どんな効果があるの?
@ 身体の機能性の向上(姿勢やからだの動きの改善)
  からだを重力に対して無理のない状態に整えてゆくことによって、からだ全体のバランスが良くなり、姿勢が改善され、心身両面におけるリラックスと身体機能の向上を得ることが出来ます。その結果、身体の動きはより調和されたものとなり、より高いレベルのバランスを獲得していく事が可能となります。
A リラクゼーション&リフレッシュ
 今までの慢性的な過緊張状態から解放されるため、深いリラクゼーションを得ることが出来ます。呼吸も深くなり、伸び伸びとした、より自由で活力に満ちた状態に変化し、心身共に軽くなった感じがします。

何回ぐらい?
 通常、1〜3回で変化が出てきますが、習慣となってしまったアンバランスが改善されるには多少時間がかかります。また、個人差や問題の大きさ、体力などもあるので一概に言い切れません。良くなっても、健康維持のため、オプティマスヘルスをめざすために、時々治療をしておくことが最善です。隔膜リリースとともに、頭蓋の治療も行ないます。頭蓋の治療は、わずかなものを除いて、隔膜の解放よりもさらに優しく軽い力で行ないます。隔膜の解放と同じく気持ちの良い治療ですが、癒しのエネルギーのみの気持ち良さではだめです。癒しのエネルギーに、高度な感覚と知識が伴なって始めて効果が得られます。
筋膜の解放や頭蓋の治療が有効な疾患には、次のようなものがあります。
乳幼児の疾病    感情の問題
脳と脊髄の外傷による損傷    顎関節の問題
頭痛    学習障害(LD)
慢性的な疲労    ストレスによる問題
運動協調性疾患    外傷後のストレス疾患
からだ全身の理由が不明の疼痛    筋骨格系の問題
側彎症    内臓の問題
中枢神経の疾患       ホルモンのアンバランス

効果の持続
 からだの変化は一時的なものにとどまりません。からだの使い方次第によっては、治療によって得られた新しいバランスや動きを、さらに発展させて行くことができます。
からだの内側に意識が向くようになるので、 自分のからだに対する気づきが増します。 その結果、ストレスや環境に対してより柔軟に対応できるようになり、体調の維持管理も上手にできるようになります。
 筋膜の解放は、局部の痛みを取り除いたり、病気の「治療」を目的とする対症療法的なものではありません。しかし、からだのバランスを改善してゆく過程で、慢性的な腰痛や肩凝り、頭痛、歯の噛み合わせの異常など、からだの構造の歪みやストレス状態が原因となって生じている症状が改善されて行きます。 
 からだに生じる歪みや緊張の大半は、感情や心理的なものに起因しているとも言われています。したがって当然の事ながら、肉体的な緊張の解放は、精神的な緊張の解放にもつながっていきます。治療を重ね、からだが全体としてストレス状態から脱していくと、いわゆるトラウマとして身体に溜め込まれ、記憶されていたものが解放されてゆき、身体と同様に今までの感情的、心理的なパターンからも解放されてゆきます。例えば、今まで「○○○すべき」と、自分を制約していた枠組から自由になり、他の行動ややり方があっても良いのだと感じられるようになります。各人各様のプロセスがあり一概には述べられませんが、治療を受けたことが、自分のこれまでの生活習慣や考え方をあらためて見直す良いきっかけとなるかもしれません。

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サイマティックス・セラピー

 1809年、ドイツの科学者エルンスト・クラドニは、砂を薄くまいた皿のそばでバイオリンを弾き、砂が複雑な幾何学模様を描くことで、『音波は物体を動かす』ということを証明しました。
 スイスの科学者ハンス・イェニーは、クラドニの実験の追試を行ないました。イェニーは、砂、鉄紛、プラスティックの微粒子、水銀などの色々な素材を紙の上に置き、周波数の異なる音を下からあて、音の周波数や増幅の度合い、素材の違いなどによって、三次元的な奥行きや独特の質感をともなった複雑な模様を描く様子を『トノスコープ』と言う装置を使って映像化しました。イェニーはさらに、細胞には独自の周波数(肝臓には肝臓独自の、腎臓には腎臓独自の周波数がある)があることを発見しました。
 1981年代、国立フランス科学研究センターの生物学者エレーヌ・グリマルとフランスの作曲家で生体エネルギーの研究家ファヴィアン・ママンは、低周波(30〜40デシベル)の音が人間の細胞におよぼす影響を顕微鏡下で観察しました。彼らは、正常な細胞とガン細胞に色々な音を聞かせて、その反応を調べました。その結果、ある可聴域の音が、ガン細胞を死滅させることを発見しました。

 イギリスの医師ピーター・ガイ・マナーズは、イェニーやグリマルとママンの理論をさらに研究し、人間の各組織の周波数の乱れが体の不調を引き起こし、病気を引き起こすという仮説を立て、周波数の乱れた組織へ正常な周波数(音)をあて、本来の組織の周波数に調律すれば、体の調子を整えられる のではないかと考えました。マナーズは、彼の仮説を実証するため、サイマティック装置を開発しました。この装置は、細胞や臓器の周波数ばかりでなく、生命活動に関係する様々な波動を含む約450の音を出すことが出来ます。各音は、五種類の可聴音域の合成音からなり、この合成音をアンジュレータと言う振動子で振動に代えて、患部または鍼灸のツボに直接接触させて治療したり、トランスミッターと呼ばれる装置で、音を電気信号に変換して手首から流すことで治療します。この装置を使った治療法を、サイマティックス・セラピー(音響励振療法Cymatics Therapy)と言います。

 21世紀は、『波動医学の時代』と言われています。その中でも特に注目を集めているのが、サイマティクス・セラピーです。残念なことに、日本でのサイマティクス・セラピーの歴史は浅く、サイマティック装置もあまり普及されていないため、あまり知られていません。しかし、アメリカやヨーロッパでは研究が進んでおり、イギリスのBBC放送で紹介されたり、インターネットで国際的なネットワークが作られつつあります。

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キネシオテーピング

当院では、クリニカル・バイオホログラフィック・システム(CBS)と呼ばれる方法によって診断・治療を行なっています。CBSには既存の療法の哲学、原理・技術が取り入れられていますが、その中で治療の補助として使用しているのがテーピングです。テーピングの中でも、最も頻繁に使用しているのが『キネシオテープ』です。
身体の動きに関する学問を、キネシオロジーと言います。このキネシオロジーの理論から生まれたのが『キネシオテープ』です。キネシオテープは、カイロプラクター加瀬健造によって、治療・リハビリの為に考案、開発されたものです。このテープが、スポーツ障害の治療はもとより、筋力のパワーアップ、スキルアップ、障害の予防にもすぐれている為、現在では、プロ野球、相撲、バレーボール、ゴルフなど、スポーツ界においても広く使われるようになってきています。

スポーツテーピングは、障害の部分を動かないようにしたり、激しいスポーツ等によるケガの予防に働きます。固定することが第一の目的の為、動きを押さえるように患部に巻きつけます。一方、キネシオテープは、筋肉に沿って貼り、筋肉の動きをサポートし、筋肉・筋膜のバランスを保ち、皮膚の下を流れるリンパ液と血液の流れを良くする為に働きます。最近の研究から、キネシオテープを貼ると、貼った筋肉の血液供給や、貼る位置により、下肢・上肢の血液循環が、既存の物理療法(鍼、マッサージ、遠赤外線・・・など)よりも遙かに向上することがわかっています。

私たちは、関節に痛みがあると、関節そのものが障害されて痛みを起こしていると思いがちです。もちろん、関節内の軟骨や組織が破壊されて痛みが生じることもありますが、この様な障害は、コンタクトスポーツ(アメリカンフットボールや相撲等)や事故等によって引き起こされることがほとんどで、多くの場合、外科的処置が必要となります。しかし、実際には、このような障害による関節の痛みはまれで、骨と骨(関節)を動かしている筋肉や、骨と骨をつないでいる靭帯等、軟部組織と呼ばれるものの異常に起因していることが多いのです。それらに歪が生じると、いろいろな障害が引き起こされてきます。例えば、普段あまり運動をしてない人が急に運動をすると、必ず筋肉痛を起こします。これは、急な運動で一時的に筋肉が肥大した結果です。もし、筋肉が元に戻らなかったらどうなるでしょうか。苦しかったり、痛かったりすると、そこをかばおうとして他にも無理が生じて、連鎖反応的に障害が広がってしまいます。そんなとき、キネシオテープが役に立ちます。

CBSでは、身体が様々な原因によって、静的・動的重心から逸脱すると、運動軸が変化し、その結果、力学的な問題が生じ、最終的に機能的な障害が生じてくると考えています。
治療により、逸脱した重心を許容範囲にもどすわけですが、長期に悪い状態にあった人は簡単には回復していきません。このような場合、逸脱した重心を許容範囲にもどすようにテープを貼ります。テープの持続的な効果が治療効果を高め、非常に良い結果を得ることが出来ます。
キネシオ・テープが他の市販のテープと違うところを、以下にあげておきます。
 @他のテープと比べて伸縮性(30〜40%)に富んでいる。これは、皮膚とほぼ同じ伸縮性である。
 A良質の糊及びテープの粘着部分に小さな穴をたくさんあけることで、かぶれにくくしてある。
 B粘着力がすぐれているため、はがれにくくなっている。はがれにくく、かぶれにくい。
  この相反する要素をうまく調和させてある。
 C薬品類を一切使っていませんので、皮膚に対する副作用の心配がない。

キネシオ・テープの効果が得られるのに数時間かかるため、かゆみや痛みの増加がなければ、しばらく貼っておきます。入浴をした場合は、ぬれたテープが体を冷やしますので、テープをはがすかドライヤーなどで乾かしてください。

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アイシング療法

 患部に直接氷を当てるアイシングには、痛みを抑える効果があります。体の痛む部分を冷やすと、痛覚の伝導を遅らせたり、炎症を抑えたりする作用があります。リウマチ、痛風、五十肩、腰痛や膝の痛みなど、『痛み』全般に効果を発揮します。多くの方が冷やすことに抵抗をもたれていますが、『冷える』と『冷やす』は違います。カイロなどで皮膚表面を温めることは、基本的には良くありません。そのため、当治療室では、痛みを緩和するため、患部や痛みの根本的な原因となる部分をアイシングすることを勧めています。

 体の痛みは、なかなか回復しないものです。それは、一度痛みが起きると、体にとって悪い『痛みの悪循環』という状態が出来上がるためです。  体に痛みが起きると、まず交感神経が興奮して筋肉が緊張します。筋肉が緊張した状態が長く続くと、血液の循環が阻害され、乳酸という老廃物が体の中に蓄積されます。体がこのような状態になると、発痛物質であるブラジキニンなどが出て、さらに痛みが増します。この悪循環がずっと続いていくことになります。
 アイシングは、痛覚を鈍くし、『痛みの悪循環』を断ち切り、損傷した組織の回復の為の時間的余裕を与えます。
 またアイシングは、機能が低下した副腎にストレスを与えます。ただし、このストレスは心地良いと感じるタイプのものなので、副腎は働きを亢進し、副腎皮質ホルモンを活発に分泌するようになり、抗炎症作用や抗アレルギー作用が期待できるのです。

0℃の氷を使って、患部を直接冷やす。
 アイシングには、痛みの要因となる歪みの部分を冷やす方法と、痛む部分を直接冷やすという方法があります。
 前者の歪みの部分は、後頭環椎関節や仙腸関節などに多く見られます。ただし、根本的な原因となる場所は、病気・症状によって様々に別れますので、ここでは患部に直接氷を当てるという方法のみを紹介します。

 アイシングは、氷を氷嚢、またはビニール袋に入れて痛む部分の皮膚に直接当てるという簡単な方法ですが、ここで注意してほしいのは、0℃の氷を使うことです。
多くの場合、冷却した氷はマイナスの温度になっています。水割りなどを作ると、氷がビシッという音をたてるのを開いたことがあるのではないでしょうか。このような氷は、密度が高くて0℃以下のものです。
 氷を作る、または買ったら、必ずボールに水をはって、その中に一度氷をくぐらせて下さい。そうすれば、密度の低い0℃の氷になります。
 十分に水気を切ってから、氷のみを氷嚢かビニール袋に入れて下さい。
 痛みが軽い場合は、一日10分間、1〜2回患部に当てます。痛みがひどい場合には、一日に何度やってもかまいません。ただし、必ず30分〜1時間の間隔をあけるように注意して下さい。
 アイシングを始めたばかりの3〜5分は、病みやしびれ感がありますが、そのうち無感覚になります。ただし、高齢の方や体温の低い方は入浴するなど、一度体を温めてから行うようにして下さい。
 病気を癒すには、医者だけに頼らず、自分で「病気を治そう」という主体性を持つことが大切です。自分なりに良くなるために努力すること。その極めて簡単な方法として、アイシングを是非取り入れていってほしいと思います。

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自然医学とは

自然医学(ナチュロパシー)は、身体が本来持っている自然治癒力を使って健康を保ち、病気を治そうとする医学です。「ナチュロパシー」と言う言葉は、19世紀の末、米国に移住したドイツ出身の医師、ベネディクト・ルスト(1872年〜1945年)がニューヨーク市に「アメリカ・ナチュロパシー・スクール」を開設してから広まりました。しかし、身体に自然治癒力があるという考え自体の歴史は非常に古く、数千年前のインド医学(アーユルベーダ)、中国医学、ギリシャ医学(ヒポクラテス医学)などにも見られます。もちろん、現代の西洋医学においても、究極的には自然治癒力に頼っているのですが、18世紀から19世紀の中ごろまでは「英雄医学」の時代で、瀉血(しゃけつ:ランセットという針で静脈を切って出血させる治療法)などの乱暴な治療法により、随分と患者を死亡させたと言われております。こうした英雄医学に対する疑問から生まれた医学の流れの一つに、ナチュロパシーがあるのです。ナチュロパシーの医師は、食餌療法、臨床栄養学、生活の仕方(ライフスタイル)の指導、ホメオパシー、鍼治療、薬草療法、水療法、運動療法、マッサージ、電気治療、超音波療法、光療法、カウンセリング、薬物療法などを組み合わせて治癒に導きます。しかし、忘れてならないのは、ルストの「健康への道は清浄で簡素な生活である」という哲学そのものかもしれません。世界保健機構(WHO)も、通常の医学とナチュロパシーの統合を勧めております。
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