【廃墟マニヤ File056】
A野劇場(茨城県)
(その4)
スローシャッターでは妖しげな世界となっていた場内も、ストロボを光らせればこの通り。
健康に良さそうなほど炭化してしまったスピーカーボックス。
開いていた扉から舞台裏手へまわってみることにします。
ステージの真裏になります。楽屋だったようで畳が残っていましたが、忍術を極めていても歩くのは無理でしょう。
さらにその先にも建物の残骸が見えますが、足場が悪いのと雨がひどいので、面白いものは何もないということに勝手に決めて引き返します。バタフライが残っていたりすれば、またリビドーが高まったりして違うんでしょうけどね……。
場内を抜けてロビーまで戻り、2階へ上がってみることにしました。
2階は操縦席じゃなくて照明とかPA(ストリップ劇場ではなんて言うんですかね? ミキサー室かな?)とかのコントロールルームですね。学生の頃、放送委員などが朝礼で放送室にいるのが羨ましくてしかたがなかったことを思い出しました。
これでBGMを流していたと思われます。
スポットライトもありました。
2階は真っ暗で汚いだけなので(失礼!)早々に退散することにします。
このサイトをご覧の方で、ストリップを観たことがあるという人はどれぐらいいるのかわかりませんが、私は結構いい歳したオトナなので、仕事のつきあい的なものがあったりして(言い訳する必要もないのですが……)、まあ何度か観に行ったことがあるわけです。
当然表面的には「エロ」を求めて……というノリで行くわけですが、本当は、登場した外人ダンサーが服を着たまま踊り続け、「おっ! 脱いだ!!」と思った瞬間、暗転して終了。それに対して「なんじゃそりゃぁぁぁぁ!!」とツッコミを入れたり、あるいは大槻ケンヂが書いていたように、やる気のないイアン・ギラン(私たちの年代のロックファンにとって知らない者のいないロックミュージシャンですね。もちろん男)などの『外タレ』(?)が登場するのをみて、後で「ジム・モリソンは実は生きていたんだ!」などとヨタ話をするのが楽しみなわけです(オレだけか?)。
最近はきれいなショーとして見られる興業もあるらしいのですが、この「A野劇場」で展開されていたのは、どちらかというと私好みの見世物小屋的ないかがわしい世界だったような気がします。
いずれにせよ、こうして昭和テイストのストリップ小屋がまたひとつ消えていったことは間違いないようです。
END
(2006.7)
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