【廃墟マニヤ File056】
A野劇場(茨城県)
(その3)
誰にも襲われることなく(当たり前?)無事場内へ。目が慣れるにしたがい、ようやく内部の様子がぼんやりと浮かび上がってきました(上の写真は長時間露光しているので、こんなに明るく見えていますけど、実際は真っ暗でした)。
ところどころ破れた天井からは、滝のように雨水が落ちています。
入ってすぐ左手にあったトイレ。妖しげな光の加減がいい感じです。男性用のマークが見えますけど、そんなもの必要なんですかね。というのは、ここって女性客はほとんどいなかったはずですよね。そうすると女性用のトイレは無いのでは……?
場内中央にのびる花道と、その先端に円形のステージ(?)。そして、それをささやかな客席が囲む、典型的な昭和のストリップ小屋の姿といえるでしょう。
高温の炎であぶられた壁面は不気味な生物の皮膚のようです。
そして、ステージの上はかなり傷みが進んでいて、よじ登った途端踏み抜きそうになりました。
踊り子がたくさん出てきて、こんな階段の上でも踊るショータイムがあったのか、あるいは従業員が照明などの作業をしていたのか、それとも客が立って観ていたのかわかりませんが、今となっては廃墟探訪者を楽しませるオブジェと化した階段です。
恐らく踊り子登場の扉でしょうね。周囲を縁取る電飾の痕跡からわずかに往時の様子を偲ぶことができます。
(続く)
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