【廃墟マニヤ File056】
A野劇場(茨城県)
(その2)
森の中にラブホテルが点在するような町はずれ。車を走らせていると、今日の私の目的地を示す案内看板を発見しました。
サイドを飾る電飾もほとんど失われ、一見無事に見えるアクリル看板本体も裏側は失われています。もちろん内部の蛍光灯も点灯しません(……というか蛍光灯自体がありませんでした)。
案内に従って細い道を奥へと進みます。
天候のせいでしょうか、かなり陰気な感じの森の中にそのストリップ劇場の廃墟は残っていました。
こんな場所だと、営業中も以前から知っている人か、情報誌などでしっかり場所を確認してきた人しか来られなかったでしょうね。
インターネットで調べると『A野ミュージック』とか『A野第一劇場』などといった名前だった時期もあるようです。廃業の理由も、手入れが入ったためではなく、火災のためといった説もあり、正解はどちらかわかりません。いずれにせよ、客が入らなかったせいではないというのが驚きです。まあ、いろいろなサービスが行われていたらしいので、こんな僻地でもそれなりに客は入ったのかもしれません。
写真ではわかりませんが、実はこの日は土砂降りの雨で、まだお昼だというのに夕方の暗さでした。こんな天気に廃墟巡りをしているトンチキは私ぐらいのものでしょう。
ゴミが散乱した感じのロビーに近づいてみます。
おそらくこちらが入場料を支払う窓口ですね。ちなみに料金は5000円ぐらいだったようですが、もちろん今日は無料です。
雨の音だけが響く静かなロビー。
シャツがぶらさげられた(驚かせるためのイタズラ?)扉の奥は真っ暗です。
……ちょっと緊張しながら(幽霊とか死んでいる人は恐くないのですが、生きている人間がいたりするとちょっとコワイもので)中に入ってみることにしました。
(続く)
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