【珍スポ観光 File032】
天念寺無明橋(大分県)
(その2)
国東半島の真ん中に天念寺という天台宗(←ここ重要!)のお寺があります。開基が718年と伝えられる結構歴史のある寺で、旧正月に行われる「修正鬼会(しゅじょうおにえ)」という、鬼が松明を持って回る行事で有名らしいですが、もちろん私は知りませんでした。
寺の前を流れる長岩屋川には、「川中不動(かわなかふどう)」と呼ばれる巨大な岩に彫られた不動三尊像があって、こちらはよくガイドブックなどに写真が載っているので、ご存じの方も多いかもしれません。
天念寺のすぐそばには「鬼会の里・歴史資料館」という施設があります。先ほどの 「修正鬼会」のビデオを観たりできるほか、国の重要文化財である阿弥陀如来立像 などもコチラに収められているようです(はっきりしない物言いなのは、中に入らなかったからですね )。
それより個人的に気になるのは、やはりコチラの人形(?)でしょうか。モデルとなったキャラクターを当てるのは、結構難易度が高い問題だと思われますが、一応「アラレちゃん」と正解することができました!
あれっ!? 答えを見ても分からないぞ……。TAISEIって誰? 知ってる人がいたら教えて!
手に持っているのが何なのか悩みましたが、どうやら松明ですね。
さて、目的の橋はこの「鬼会の里・歴史資料館」の裏に見えるという話ですが……。
おっ!! 発見! 皆さんお分かりでしょうか? 想像していた以上に険しいところにあるじゃないですか。
よく分からないという方のためにアップにしてみます。
(さらに大きく見たいという方はここをクリック[1024×683pixel])
この橋、「無明橋(むみょうはし)」という名前だそうです。「無明」というのは、仏教的に「迷い」とかそういった意味ですね。
帰ってから調べたら、大分には「無明橋」と呼ばれる橋がいくつかあって、そのうち中山仙境と津波戸山にあるものは、この天念寺に劣らぬデンジャラスな橋のようです。ただ形状は両方とも一本橋なので、土木的にはコチラのアーチ形状の天念寺の方が見応えがあるといえます。
そもそも、なんでこんな橋が架けられたのかというと、元々国東半島には山岳信仰があり、そこに天台系修験などが合体して独特な山岳仏教文化が育ったようなのです(天台宗と修験道の関係は説明すると長くなるので、興味のある方は各自調べてみてください)。それでこの辺りの岩山は行者の修行の場となっており、岩山の上は行者道となっているのです。一般通行者の便を図るためではなく、厳しい修行のために造られた橋なので、あえてこのように危険な場所に、危険な(手すりなども無い)形で架けられているのでしょう。
(続く)
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