温泉の化学作用
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温泉にはさまざまな成分が含まれている。ある面では有益であっても、他面では有害な作用がある。ここでは、『温泉学入門』に掲載されている「温泉湯のパワー」を紹介したい。成分が化学作用により毒性を発揮する事例が多い。
●硫黄泉は金属製品を黒く変色させる
銀は硫黄泉に含まれている硫化水素と反応しやすいので、指輪やネックレスを身につけたまま入浴すると黒く変色する。
●鉄泉は黒く変色した銀製品を元に戻す
温泉中に鉄がイオンの状態で溶存していれば、黒くなった銀製品を浸ければ元の銀色にもどる。鉄分を含んだ温泉でも酸化して茶色になったものはあまり効果がない。
●酸性泉は金属やコンクリートを溶かす
酸性泉は、鉄やアルミニュウムのほかにコンクリートまで溶かしてしまう。
*酸性湯の廃湯の大量流出により下流に土壌汚染を生じる
●硫黄泉と炭酸泉は生き物を殺す
硫黄泉は、溶けている硫化水素がガスとなって鳥や昆虫を殺すことがある。風向きや換気に気をつけないとガス中毒で人の命を奪うこともある。
また、炭酸泉から二酸化炭素が発生するので、量によっては人の気分を悪くさせるだけでなく虫や昆虫を殺すこともある。
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