2022年に続いて、今回も北極圏のスヴァールバル諸島を訪れました。フッテンルーテンの「スヴァルバール諸島周遊-ホッキョクグマの王国 10日間」というクルーズです。コースは、スピッツベルゲン島のロングイェールビーンからニーオーレスン、北西スピッツベルゲン国立公園、東スヴァーバル自然保護区、南東スヴァルバール自然保護区、南スピッツベルゲン国立公園、ベルスンエリア、イースフィヨルドとスピッツベルゲン島を一周するものです。島の東側は気温も低く、ホッキョクグマが最も多く生息する地域で、ほかにもトナカイやセイウチなど多くの野生生物が生息しています。
 今回乗ったフラム号は、2007年に建造された探検船で、ナンセンやアムンセンが極地探検で使用した船に因んで命名されたものです。前回乗ったノールチャーネン号と比べて船が大きいため、ホッキョクグマも何度も見られましたが、岸から離れて観察するため見ずらかったのが残念でした。
 今回は延泊して、フィヨルドの街ベルゲンを訪れました。登山鉄道のフラム鉄道に乗り、ソグネフィヨルドを高速フェリーでベルゲンに行く旅は雨の中でしたが感動の連続でした。またベルゲンはとても美しい街で、魚が美味しくてとても感動しました。
 ちなみに費用は、クルーズ代金が1,155,607円、航空券代金が247,472円、ホテル代金が97,577円、オスロからベルゲンまでの交通費46,692円、あわせて約1,547,500円でした。このほかには、食事代やみやげ代がかかっています。

 シップデータ
総トン数:11,647t 就航年:2007年 改修年:2020年 
全長:114m 全幅:20.2m 乗船デッキ:8層 キャビン数:127
 航 路 デッキプラン
最北端証明書
 
1日目(6.29) 羽田からヘルシンキに

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 羽田8時25分発JAL47便で約13時間のフライトです。現地時間15時40分にヘルシンキに着きました。
Comfort Hotel Xpress Helsinki Airport Terminal ★★★★  
                
Terminaali,Lentoasemantie,01530 Vantaa,フィンランド
 空港ビル内のホテルです。極めてシンプルでした。217号室に泊まりましたが窓はありません。一泊27,760円でした。
2日目(6/30) ヘルシンキからオスロへ
        オスロ市内観光
 7時30分発AY911便で1時間20分ほどのフライトです。時差は1時間。予定どおりオスロに着きました。当初の予定では、オスロからロングイヤービエンに飛んでフンケンロッジに宿泊することになっていましたが、変更になって、空港内のラディソンホテルに宿泊し翌日ロングイヤービエンに飛んでそのまま船に乗ることになりました。1日予定が空いてしまったので、頂いた空港特急のチケットでオスロの街を散策してきました。
Radisson Hotel & Conferrence Centre Oslo Airport ★★★★  
                      
Henrik Ibsens Veg,Gardemoen 2060 ノルウェー
 空港ビル隣接で歩いて行けるホテルです。3264号室に泊まりました。船会社の用意したホテルです。
3日目(7.1) オスロからロングイェールビーンへ
        ロングイェールビーン街中散策
 10時50分発SK4492便で3時間ほどのフライトです。雲は厚いですがスピッツベルゲン島の上空にかかると雪山が見えてきます。やがてロングイヤービエンが見えてきました。20分ほど遅れて到着しました。空港のホッキョクグマがまた迎えてくれました。
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 遅い昼食の後、スバルバルへの入境手続きを済ませて、街中をプラプラしました。2年ぶりのフンケンロッジ。やっぱりここに泊まりたかった。この本屋か図書館はあったかな、家が増えたような気がするな。などと思いながら歩きました。
 Mountain Aven(和名チョウノスケソウ)バラ科に属する匍匐性の常緑小低木です。  Arctic Cotton Grass(和名ホッキョクワタスゲ)カヤツリグサ科の多年植物です。
 18時にスバルバルミュージアムに集合して、バスで埠頭に着きました。すぐに乗船です。レセプションは広々しています。レセプションの奥はサイエンスセンターで、エクスペディションチームのデスクやレクチャールーム、サイエンスルームなどがあります。
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 われらが客室は、325号室です。丸窓ですが雰囲気の良い部屋です。水回りもこんなものでしょう。ポットがあるのはありがたいです。
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 船内探検です。船の一番上は8階の観察デッキになっています。(7階の観察デッキに張り出している白い屋根は、屋外のBBQ施設です。)8階と7階の間に中二階の様な場所があり、ホットタブ(ジャグジー)とサウナがあります。
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 7階の屋外は観察デッキです。観察デッキの最後尾にはテーブルとイスが設置されていて、国旗が掲げられています。一部にはゾデイアックが積まれています。屋内にはジムがあります。
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 7階屋内は、エクスプローラーラウンジ&バーです。色々な催しもここで行われます。一部がライブラリーになっています。6階、5階は客室です。5階の前部には観察デッキがあります。4階には客室はなく、レセプション、サイエンスセンター、ショップ、レストランがあります。食事時間以外はレストランは閉まっています。3階には客室と乗下船口があります。
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 パルカと長靴の配布が終わると、次は安全訓練です。耐寒用の装備の装着実演がありました。いよいよ出港です。ミツユビカモメ?が並走しています。
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 21時からエクスプローラーラウンジでキャップテンズウエルカムがありました。
4日目(7.2) ロングイェールビーンからニーオールセンへ
        ニーオールセン散策
 コングスフィヨルドに入ってきました。穏やかな海面です。  民間人の定住する最北の町ニーオールセンに上陸です。
 2年前と何も変わっていません。日本の極地研究所の脇に「極地研」のシールを貼った車が停まっていました。
 Moss Campion(和名コケマンテマ)ナデシコ科に属する常緑多年草です。  Tufted Saxifrage(和名チャボクモマグサ)ユキノシタ科の多年植物です。
 午後にはコングスフィヨルドの奥に進みました。ブロムストランドヤの島の向こうにスリークラウン、三つの王冠といわれる山々が見えています。スウェーデン、デンマーク、ノルウェーの三つの王国を意味するそうです。
 AECO(北極探検クルーズオペレーター協会)から北極上陸時の注意事項とクルーズ全般についての説明会がありました。全員参加です。  再びニーオールセンを見ながら次のフィヨルドへ向かいます。
 夕食時に、クロスフィヨルドの枝のリリーホックフィヨルドに着きました。最奥のとても静かで美しいところです。突き当りのリリーホック氷河は7㎞もの半円形です。
5日目(7.3) グラヴネスオデン上陸
        スメーレンブルグ上陸(中止)

 マグダレーヌフィヨルドの入口にあるグリ湾の東の砂州が上陸地点のグラヴネスオデンです。北海捕鯨の基地遺跡です。今回の初上陸です。
 前回もここに上陸しましたが、別の丘に登ったのでだいぶ景色が異なります。氷河が綺麗です。
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 Arctic Tern(和名キョクアジサシ)が抱卵しているそうです。この時期のキョクアジサシはとても攻撃的で頭を狙うそうです。ちなみにこの鳥は、夏の北極で繁殖し、非繁殖期は南極で過ごすそうです。
 北極で泳ぐ人間もいます。
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 グラヴネスオデンを出発すると間もなく、ホッキョクグマの親子がいますという船内放送が流れました。みんな一斉に観察デッキに出て「どこだ」「どこだ」と探しました。左の写真から徐々に焦点を絞って、遂に親子熊を見付けました。とても遠いので粒子が荒れています。
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 次の上陸地のスメーレンブルグに着きましたが、ホッキョクグマが現れたので上陸中止となりました。遠くて分かりにくいのですが、前回上陸したときはセイウチの楽園で沢山のセイウチを見ることができました。ホッキョクグマの出現でセイウチも海中に逃げてしまいました。
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 上陸できなかったからでしょうか、「ホッキョクグマ、北極の王者」という講座が開かれました。サイエンスセンターに展示されているホッキョクグマの手形は大きくてビックリです。
6日目(7.4) モナコ氷河ゾディアッククルーズ
        ムスハナム上陸
        モッフェン島(北緯80度)
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 モナコ氷河のゾディアックでのクルージングです。モナコ氷河はスピッツベルゲン島北岸にあるリーフデフィヨルドの最奥にある美しい氷河です。幅は約5kmありますが温暖化で氷河が後退して二つに分かれているそうです。小さなゾディアックで近付くとすごい迫力です。brunnich's guillemotK(和名ハシブトウミガラス)が食事に来ています。群れで飛んでいるのはミツユビカモメでしょうか。白鳥のような流氷が現れました。1時間ほどのクルージングでした。
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 ウッドフィヨルドのムシャムナに上陸します。ここには1978年に建てられた狩猟小屋あります。主にホッキョクキツネを狩るそうです。1kmほど歩いて小屋に向かいます。
 小屋に着きました。とても大きくて頑丈そうな建物です。今でも州知事の許可で利用できそうです。木材で組まれた矢倉はホッキョクグマからの退避用だそうです。小さな小屋はサウナです。
コケマンテマもチャボクモマグサも極北では株が小さい。
 Mountain Sorrel(和名ジンヨウスイバ)キンポウゲ科に属する多年草です。  Glaucous Gull(和名シロカモメ)かなり大型のカモメです。日本にも冬鳥として来ることがあるそうです。
 北緯80度に位置するモッフェン島です。沢山のセイウチがいます。ここを訪れると北緯80℃到達の証明書がもらえます。
7日目(7.5) パランデルダレン上陸
        アルケフィエレット(シーニッククルージング)
        アルデネセト上陸(ゾディアッククルーズに変更)
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 パランデルダレンに上陸です。パランデルダレンは、スヴァールバル諸島で2番目に大きい島でスピッツベルゲン島の北東にあるノルダウストランデット島にある入江です。スピッツベルゲン島の東側はとても気候の厳しい地域で、この日は天気も悪く、荒涼とした風景になっています。
 Svalbard Poppy(和名ホッキョクヒナゲシ)ケシ科に属するスヴァーバル諸島を代表する花です。氷雪に耐えている姿が美しいです。  Eider(和名ホンケワタガモ)カモ目に属する大型のカモで、北極圏で繁殖します。良質なダウンとされます。
 アルケフィエレットは、スピッツベルゲン島ロムフィヨルドの入口、ヒンローペン海峡に面した断崖で、ウミバトの大繁殖地として有名だそうです。船内放送では良く分からなくて、氷河を眺めていました。
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 セイウチのコロニーのあるアルドネセットに上陸予定でしたが、ホッキョクグマが出現したとのことでゾディアッククルージングに変更になりました。ホッキョクグマは見付けられませんでしたが、セイウチは数カ所に固まっているのを見ることができました。ゾディアックが相当に揺れてなかなか写真を撮れません。
8日目(7.6) サンドネセット上陸
        
 サンドネセットに上陸です。サンドネセットは、スピッツベルゲン島の東にあるバレンツ島にあるツンドラ低地です。岩だらけの丘がいくつかありますがその一つをゆっくりと散策しました。草花も多く、トナカイもたくさん見ることができました。
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 丘の中腹に小さな小屋がありました。1959年から1967年にかけてドイツの探検隊が研究調査した時に拠点として建てられたといいます。それにしても小さくて4人で一杯という感じです。
 Golden Whitlow Grass(和名不明)アブラナ科に属する植物でスヴァーバル諸島には5種類あるそうですが区別は難しいそうです。これは「Draba alpina」というらしいです。  Sulphur-colored buttercup(和名タカネキンポゲ)キンポウゲ科に属する多年生草本です。
 Alpine saxifrage(和名房状のユキノシタ)ユキノシタ科に属する植物でユキノシタの仲間はスヴァーバル諸島には数多くあるようです。  チャボクモマグサの群生ですが、その中にホッキョクミミナグサも混ざっていました。
 Cerastium arcticum(和名ホッキョクミミナグサ)ナデシコ科に属する多年生草本です。  Purple saxifrage(和名ムラサキユキノシタ)ユキノシタ科に属する多年生草本です。絨毯の様に広がっています。
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 ここの上陸はたっぷりと2時間コースです。東に続く岩稜をその外れまで歩きました。ここが終点です。
 目が慣れてくると向かいの崖面や遠くの平原に沢山のトナカイが草を食んでいるのが見えてきました。白いゴミのような点々がみんなトナカイです。
 Reindeer(和名トナカイ)かなり近くでも見ることができました。  Branta leucopsis(和名カオジロガン)大型のガンで北極が繁殖地です。近くに雛も見られました。
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 帰る頃には青空も見えてとても楽しい散策でした。
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 夕食前に講演「スヴァールバルのアザラシ」でした。残念ですがアザラシを見ることはできませんでした。夜の9時を過ぎてもこの明るさです。「Seasickness band」の演奏もありましたが…
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 夜10時半ごろ窓の外を見ると一面の流氷です。息をのむような美しさで、今回のクルーズの一番の感動でした。流氷のせいで航行が遅れ、翌日の日程が変更になりました。
8日目(7.7) ブルゲルブルグ上陸(中止)
        グノーローデン上陸(不参加)
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 前夜の流氷で時間が無くなり、午前中の上陸予定は中止になりました。昼前にクジラが現れたという船内放送で船首の観察デッキに出てみました。かなり雨が降っていましたが、大勢の人が出ていました。クジラの潮吹きと尾を見ることができましたが写真は撮れませんでした。4時過ぎに上陸が案内されましたが、天候も悪いので参加をしませんでした。グノーローデンは、ホルンスンドフィヨルドの中、この山の裏側が上陸地点になっています。鳥の崖と呼ばれる営巣地で、鳥の卵を狙ってホッキョクキツネが現れるそうです。(この写真はエクスペディションチームの撮ったものです。)
9日目(7.8) ヘムセダレン上陸
       
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 ヘムサダーレンは、イスフィヨルドの北部にある谷間で、色々な草花が咲いています。トナカイがこれらの草を食べに来ていて、あまり人を恐れずに近くまでやってきます。滝の上まで登りましたが、かなりの水量の流れでした。トナカイやお花の写真を撮りながら、1時間半ほどの散策を楽しみました。
 White arctic bell-heather(和名オニイワヒゲ)ツツジ科に属する常緑小低木です。  不詳。マメ科の植物?
 Drooping saxifrage(和名ムカゴユキノシタ)ユキノシタ科に属する多年生草本です。蕾です。  Tufted Saxifrage(和名チャボクモマグサ)ユキノシタ科の多年植物です。
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 ビレフィヨルドをクルージングしました。美しい風景です。
 なんと、2年前に乗船したノールチャーネン号に遭遇しました。感激です。それにしても随分と小さな船でした。
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 17時30分からチャリーティーオークションが催され、この航海で使用した国旗などが売られました。また、夕食後には船長主催のフェアウエルカクテルが催されました。いよいよクルーズも終わりです。
11日目(7.9) ロングイェールビーンからオスロへ
       
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 岸壁には前夜のうちに着岸していました。船からはロングイヤービエン市街や世界種子貯蔵庫、スヴァルバール空港も見えます。
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 8時過ぎに下船が開始です。エクスペディションチームがお見送りです。バスで空港に着きます。東京まで6830kmの標識があります。お別れです。
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 10時45分発SK4491便でオスロに向かいます。
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 無事オスロに戻ってきました。コインロッカーにスーツケースを預けて、ホテルに向かいます。次はベルゲンへの旅です。
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