8月にブラジルで初の原爆展 現地被爆者の会会長が田上市長訪問
(「長崎新聞ホームページ」5月27日付から全文抜粋)
長崎、広島両市は世界各国に写真パネルや資料で被爆の実相を紹介する原爆展を、8月1日から9月7日までブラジルのサンパウロ州立移民記念館で開く。海外での原爆展は両市が1995年から毎年共催し、これまで米国やロシアなど核保有国を含む12カ国の延べ35都市で実施してきたが、南米では初めて。
来日中の在ブラジル原爆被爆者協会の森田隆会長(84)が26日、長崎市役所に田上市長を表敬訪問。原爆展開催に謝意を述べ、平和を訴え長崎から始まった「高校生一万人署名」活動の輪がブラジルの若い世代にも広がってきていることに期待感を示した。
ブラジルでの原爆展には、長崎、広島両市が所有する熱で溶けたロザリオなど被爆資料19点と、原爆投下直後の惨状などを写した写真48点を展示予定。今年がブラジルへの最初の日本人集団移民から百年の節目に合わせた。
広島で被爆し、ブラジルで自身の被爆体験を講話したり、若者たちの平和活動を支援している森田会長は「若い人たちに平和の尊さや核兵器の恐ろしさを伝える被爆者はやがていなくなる。とにかく、(平和の)種をまき続けていきたい」と話した。森田会長は同日、長崎市を修学旅行に訪れた岐阜県の中学生に被爆体験を語り聞かせた。
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