5月23日(金) “〈『中国新聞』『長崎新聞』より−〉森田会長、国会を訪問 …与野党が協議の可能性へ”

 21日東京入りした森田会長は、23日に国会などを訪ね、与野党議員や厚生労働省職員などと会見。在外被爆者援護を改めて強く要請しました。

 その結果、私たち日本国外に居住する被爆者が住んでいる国で被爆者健康手帳を取得できるようにする「被爆者援護法」改正案が、今国会で成立する可能性が開けてきた!―― と、23日付『中国新聞』が伝えてくださいました。関係議員の皆さまが理解を示してくださったということです。

 また森田会長は、手帳に加え原爆症の認定申請も居住国でできるよう、また現地治療の支援制度を確立するよう、要請をしました。

 22日付および23日付「中国新聞ホームページ」、23日付「長崎新聞ホームページ」が、これら森田会長の要請の様子を報じてくださいました。
 森田会長による報告に代えて、以下に紹介させていただきます。

(ホームページ管理者)

在外被爆者支援の法改正遅れ
(「中国新聞ホームページ」5月22日付から全文抜粋)

 海外に住む被爆者が来日しなくても被爆者健康手帳を取れるようにする被爆者援護法改正案は、今国会でも成立の見通しが立っていない。与野党の対立が背景にあり、在ブラジル原爆被爆者協会の森田隆会長は22日、関係議員へ早期成立を要請する。

 与党と民主党がそれぞれ法案をまとめ、前回の臨時国会に提出。衆院に出した与党案は継続審議になり、参院に出した民主党案は審議未了で廃案になったが、民主党が参院に再提出した後、与野党で協議して成立を目指す方向で合意していた。

 しかし、道路特定財源問題で深まった与野党の対立が、後期高齢者医療制度の問題で激化。野党4党は23日、同制度の廃止法案を参院に提出する構えで、民主党の簗瀬進参院国対委員長は「国民の関心度から、厚生労働委員会に出す法案の中ではこれが最優先。ほかにも法案がたまっている」と、今国会での再提出は難しいとの見通しを示した。

 在外被爆者や支援者のもどかしさは募る。森田さんに同行する支援団体「在韓被爆者問題市民会議」の及川佐事務局長は「もともと野党議員が熱心だった法案。対立を超えて前進させてほしい」と訴えている。

ブラジル被爆者「法改正を」
(「中国新聞ホームページ」5月23日付から全文抜粋)

 海外でも被爆者健康手帳が取得できるようにする被爆者援護法改正案について、在ブラジル原爆被爆者協会の森田隆会長(84)らが22日、国会を訪れて与野党の議員に支援を要請した。民主党が与党との協議に入る姿勢を見せ、今国会で成立の可能性が出てきた。

 民主党副代表で党原爆被爆者問題議員懇談会会長の高木義明衆院議員は森田さんの要請を受け、「高齢化した被爆者を待たせられない」と強調。参院への再提出ができていない党独自の法案と、衆院で継続審議になっている与党案との一本化を図る考えを示し、「衆院から(成立へ)動かすのも手だ」と話した。与党との協議の窓口役を務める犬塚直史参院議員も「調整次第だが、今国会で成立を目指す」と明言した。

 森田さんは、原爆被爆者対策に関する与党プロジェクトチーム(PT)や厚生労働省の担当者らとも面会。手帳のほか原爆症認定の申請も海外でできるよう要請した。与党PTの河村建夫座長(自民、山口3区)は「援護法改正を突破口に、ほかの点も国内と同水準に持っていきたい」と答えた。

「在外被爆者の賠償を」 支援4団体が厚労省に申し入れ
(「長崎新聞ホームページ」5月23日付から全文抜粋)

 【東京支社】日本原水爆被害者団体協議会(被団協)など在外被爆者を支援する四団体は二十二日、被爆者が出国で健康管理手当の受給権を失うとした旧厚生省四〇二号通達(二〇〇三年に廃止)が最高裁で違法とされたのを受け、厚生労働省に対し、在外被爆者全般への国家賠償を求めた。

 通達をめぐっては、最高裁は〇七年以降、手当の未払い分支給などを求めた在外被爆者訴訟の上告審で違法性を指摘し、通達を根拠に支援の枠外とされてきた被爆者への国家賠償を認定。昨年十一月、舛添要一厚労相は原告以外の在外被爆者への賠償について「できるだけ救う形で努力している」と述べた。

 四団体によると、東京都内の衆院議員会館での協議(非公開)で、厚労省健康局の北波孝健康対策推進官は「(ほかの在外被爆者も)裁判に訴えるのが最も早い道なのではないか」と述べ、現時点での在外被爆者全般への国家賠償に否定的な考えを示したという。

 このほか、在ブラジル原爆被爆者協会の森田隆会長らは、原爆症認定などを検討する与党プロジェクトチームに、現地治療への支援制度確立などを求めた。

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