果物・肉の摂取と大腸ガンの関係
最新疫学研究情報No.11
米国ノースカロライナ大学の症例対照研究班から、「果物が多く、肉を控えめにする食事が、大腸ガンの発症リスクを低下させる」との報告がなされました。これまでも肉の多量摂取が大腸ガンのリスクを上げることが示唆されていましたが、今回の研究はそれを裏付けるような結果となっています。
研究チームは、大腸内視鏡検査を受けた725人を対象に、「腺腫(*ガンに進行する可能性のあるポリープ)が1つ以上見つかったグループ(203人)」と「腺腫が見つからなかったグループ(522人)」に分けて、食事パターンについての比較調査を行いました。
その結果、「肉を多く摂取する人」と「野菜を多く摂取し、肉を適量摂る人」は、「果物を多く摂取し、肉を少ししか摂らない人」に比べて、腺腫発症割合が70%も多いことが明らかになりました。
※多くの研究では「果物と野菜の摂取と大腸ガンのリスクに関連性がない」との報告がなされていますが、研究者は、「野菜を多く摂取することが、肉の悪影響を打ち消すかどうかを知る必要がある」と述べています。
出典
- 『Journal of Nutrition 2007年4月号』