霊的観点から見た肉食の間違い〈3〉

動物に対する利他性の欠如

コラムNo.57

今回は、肉食が間違った行為であるという2つ目の霊的理由について見ていきます。肉食が霊的に見て問題となるのは、“動物への利他愛”という摂理に反しているからです。人間は身体的な進化の点では、地球上における生物の頂点に立っています。そして唯一、永遠の霊的個性が与えられています。人間が他の生命体よりも進化しているという事実は、人間以外の生き物に対して先輩としての責任がある、ということを意味しています。進化の段階において高い位置にあるということは、人間よりも進化の遅れた生き物を援助する義務がある、ということなのです。

“利他愛”という神の摂理・宇宙の法則に照らしたとき、人間は「動物を愛し、援助し、その進化に貢献する使命」を担っていかなければなりません。人間以外の動物を愛することは、人間に与えられた義務であり責任なのです。

神の造られた世界――宇宙・自然界・生物界は常に、「利他性の法則」によって支配されています。利他性とは宇宙の根本法則です。そうした中で人間が無力な動物に対して残虐行為をすることは、神の摂理・自然法則(自然界の法則)に反していることになります。肉食は動物に対する悪なる行為の代表であり、肉食をする人はそれだけで神の摂理・自然法則に背いていることになるのです。肉食という食習慣は、摂理・自然法則に反した間違った行為であり、地球上に存在してはならないものです。そうした自然法則に反した行為を平気でしているのが、現在の地球人類なのです。大半の人間が自らの愚かな行為に何の疑問も抱かず、それを当たり前のことと思っています。肉食は動物虐待の最たるものであり、エゴ的行為の極みです。それをすることによって人間は、ペットとの間にせっかく築き上げた愛情関係を台なしにしているのです。人間はペットとの間に愛情関係を築いている一方で、家畜に対しては最悪の残虐行為をしているのです。

人間は他の動物にはない特別な能力を神から付与され、地上世界で最強の存在となりました。そして他の動物に対する支配力を持つことになりました。人間は自由意志と利他性の摂理のもとで、愛情によって他の動物を支配するように運命づけられているのです。人間には他の動物との間に愛情関係を築き、共生世界をつくるという使命が与えられています。これが摂理に一致した人間の生き方であり、摂理に一致した動物との関係なのです。「神の摂理(自然法則)」に基づく人間と動物の本来の姿なのです。

地球上の生命界の頂点に立っている人間は、自由意志に基づいて「自然法則(摂理)」を自ら実践していかなければなりません。「利他性の摂理」に基づいて他の動物と共生し、ともに進化向上の道を歩む使命が与えられているのです。しかし、現在の人類はそれとは正反対の状況にあります。人間中心のエゴ性を剝きだしにして動物を虐待し、殺す必要のない動物を無情に殺して、自分たちの肉欲を満たすために食料としているのです。

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