人間は何を食べるべきか?

人間は、肉食ではなく“植物食”をベースに生きる存在として造られている

コラムNo.45

私たちの身体は、人智を超えた奇跡としか言いようのない種々のシステム(仕組み)によって形成されています。細胞・組織・臓器のどれを見ても、そこでは“人体を生かす”という共通目的のもとで一糸乱れぬ生命活動が展開しています。私たち人間の身体に備わっている驚異的なシステムは、まさに神の叡智と意図と目的を反映したものなのです。

古来、神と呼ばれてきた知性的生命(サムシング・グレート、大霊)の意図は、私たちの身体の隅々にまで反映しています。神の意図によって人体には、緻密で秩序ある仕組み(システム)が備わっています。人体に備わっている驚異的な仕組みの中には、「人間は何を食べるべきか」という指針も示されています。私たち人間が健康を維持していくための“正しい食”についての具体的な内容が、人体の構造やシステムの中に明確な形として現れているのです。その1つが人間の“歯型”です。歯型は、人間は何を食べるのが相応しいのかという“食性”を示しています。

私たち人間の「食」に関する指針は、歯型や消化器官の構造の中にはっきりと示されています。肉だけを食べて生きていく肉食動物の歯型と、草や木の葉などを食べて生きていく草食動物の歯型を比較してみれば、その違いは明白です。同じ地球上に生息する動物であっても、それぞれの歯型は大きく異なっています。トラやライオンなど肉食動物の歯は、鋭くとがっています。また、上下の歯が重ならないようになっていて、獲物の肉を引き裂くのに都合よくでき上がっています。肉食性の魚類の歯も、同じように鋭く尖っています。肉食性の昆虫も鋭い歯を持っています。

トラやライオンなどの肉食動物は、草や木の葉や果物を食べて生きていくことはできません。肉食動物の唾液には植物消化酵素であるアミラーゼが含まれていないため、草や木の葉を消化することはできません。肉食動物の腸は短くて体長の4倍ほどしかないため、その点からも、植物を消化・吸収するのに適していないことが分かります。

それに対し、シマウマやキリンに代表される草食性の動物は、肉食性の動物とは違った歯型を持っています。草食動物の歯は、門歯もんし(前歯)が発達し、臼歯きゅうし(奥歯)は平らで面積が広く、草を食べるのに都合よくでき上がっています。また、草食動物の腸の長さは体長の10倍以上もあり、草を消化・吸収するのに相応しい構造になっています。こうした草食動物に肉を与えても、食べることはできません。

このように動物の“食性”は、その歯型や腸の長さによって決まっています。そしてそれが動物にとって、自然界と調和したあり方なのです。動物は、肉体構造として示された“食性”の枠を離れて生存することはできません。

では、人間の“食性”はどうなっているのでしょうか。人間の歯型は、肉食動物とも草食動物とも違っていて、左右に犬歯が上下1対、臼歯が上下5対、門歯が上下2対になっています。ただし、人間の犬歯は肉食動物のように鋭く尖っていないため、生肉を引き裂くのには適していません。人間の腸の長さは身長の5~6倍で、肉食動物と草食動物の中間になっています。

こうした人間の身体的特徴をトータルして判断すると、人間は肉食動物や草食動物のいずれとも異なり、植物食と肉食がともに可能な雑食の能力を備えていることが分かります。長い人類史の中では、食糧難という生死を分ける厳しい状況が繰り返されてきました。そうした状況下では、人間は生きるために動物の肉や昆虫を食べなければなりませんでした。人間には雑食性の能力が与えられているために、食糧難の中でも生き延びることができたのです。

ただし、人間の食のベースは“植物食”で、肉食を中心とするようにはなっていません。人間の歯型や消化器官の構造は、人間の食性を示しています。私たち人間は、穀物・豆・野菜・果物などの「植物性食品」を主な食料とする存在として造られているのです。

歯型や消化器官の構造には、その動物が何を食べるべきかという「自然の法則(ルール)」が示されています。人間の歯型や腸の長さは、摂理に一致した人間の食が、穀物・豆・野菜・果物といった「植物性食品」であることを示しています。人間の歯型や腸の長さは、人間が必ずしも動物性食品(*特に陸上の動物)を摂る必要がないことを意味しています。知性的生命(サムシング・グレート、大霊)は、私たち人間を「大地の産物である植物を主要な食料として生きていく存在」として造っているのです。

人間にとって相応しい食とは、その歯型や消化器官の構造が示しているように“植物食”をベースとするものです。基本的に人間は、植物食をメインとする“菜食主義者”として造られています。「植物食をベースとした雑食」が人間の食性に合った食であり、「自然法則(摂理)」に一致した食のあり方なのです。言い換えれば、それが人間にとっての“正しい食”ということになります。歯型や消化器官の構造から、“肉食”は人間の食性に合った食ではないことが分かります。

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