ホリスティック医学における“身体観”
コラムNo.9
現代西洋医学は、人間を肉体(物質的身体)だけから成る物質次元の存在と考え、肉体以外の要素を認めようとしません。そして物質としての肉体の構造や機能を分析的に明らかにしようとします。こうした西洋医学の本質を一言で言えば“唯物医学”ということになります。
それに対してホリスティック医学では、人間は単なる物質だけの存在ではなく、物質的身体(肉体)以外に、心や意識・霊といった別次元の構成要素を併せ持つ存在であると考えます。
ホリスティック医学の身体観の最大の特徴は、肉体以外に「霊的身体(霊体)」と呼ばれるもう1つの不可視の身体があるとしていることです。これは目に見える肉体だけを対象とする現代西洋医学とは180度異なった身体観であり、西洋医学の唯物主義と根本的に対立するものです。
ホリスティック医学では、“霊体”と“肉体”という2つの異質の身体が重なり合って人間を構成しているとします。この「霊体と肉体の二重構造論」は、真のホリスティック医学における身体観の一番の基本です。肉体は物質的身体であり、不可視の霊体は非物質的身体です。私たちの目に映るのは肉体だけですが、その同一の場に霊体が重複して存在しているのです。