“臓器移植”について
肉体生命だけに価値をおく(唯物的死生観に基づく)間違った治療法
コラムNo.8
現代西洋医学にとって肉体の死は、人間の消滅を意味します。死によってすべてが無くなることは、最大の悲劇・不幸であり、死を人類の敵と考えます。
霊魂の存在や死後の世界を認めない現代医学では、肉体生命を永らえさせることが医学の使命となっています。治療の甲斐もなく死を迎えることは医学の敗北であり、反対に懸命な治療によって少しでも寿命を延ばすことができれば、医学の勝利を意味します。そうして現代医学は、ひたすら延命のために奔走してきました。
こうした死を敵視する考え方が、“臓器移植”といった方向に医学を向かわせることになっています。今では臓器移植の中でも、特に子供の心臓移植のケースが増えています。そこでは莫大なお金を募って延命治療が施されています。「この世限りの地上人生」という考えに立てば、家族が臓器移植という最後の手段にすがろうとするのは無理もないことと言えます。医学にとっても、悪くなった臓器や組織を新しいものに取り替えて寿命を延ばすことができるなら、それは医学の進歩であり、人類に対する貢献であると考えているのです。
このように、臓器移植の根底には「死ねばすべて終わりである」という唯物的思想があります。その唯物思想が「肉体生命こそ最も大切である」という肉体生命至上主義をつくり出しています。
当研究所が提唱する「真のホリスティック医学」では、臓器移植のような不自然な手段を講じて肉体生命を永らえさせる必要はない、と考えています。人間は、死によって消滅する存在ではなく、「死後の世界(霊界)で永遠に生き続ける」という霊的事実を明らかにしています。臓器移植は自然の摂理から外れた行為であり、霊的事実に対する無知から生じた間違った治療法なのです。(*臓器移植には“脳死判定”という複雑な問題も絡んでいますが、それについては別の機会に取り上げる予定です。)