真鞠子の家族

7 ルトーちゃん、ネットの画像を試す

 タルートリーは、ザンや子供達を叩く時に、いつも膝の上に乗せて叩いていました。でも、好奇心旺盛なザンがインターネットで見つけたお尻叩きのホームページには、様々な姿勢や道具が載っていて、彼は前からその姿勢を試したいと思っていました。

 ある日、ザンはタルートリーをとても怒らせます。

『あの姿勢で今日こそザンを懲らしめてやろう。』いつも怒られた時しか反省しないザンには、きついお仕置きが必要だと趣味と実益を兼ねてもタルートリーは思いました。

「ザン、今日はうんと厳しく躾てやるから、覚悟なさい。」

「はい、はい。」

「真面目に聞かぬと後悔する事になるぞ。」

「聞いてるじゃん。」

 タルートリーは頭に来ます。何処かまだ躊躇していた気持ちも吹き飛んでしまいました。

 まずはいつものように膝の上でお尻を叩きました。ザンはちっともこたえていないのか、痛そうな声も出しませんし、暴れもしません。でも、抵抗する様子もないので、いよいよだとタルートリーは、ザンを膝から下ろしました。彼女は、言葉の割に叩かれた数が少ないので、きょとんとしています。タルートリーはザンを床に寝かせました。

 最初は何が始まるのかと頭を回転させていたザンでしたが、ルトーちゃんの表情から、何か変な事をされそうだと思いました。しかし、ルトーちゃんがお尻を叩く以外の変態行為をする筈もないので、とりあえずは大人しくしていようと決めました。それに、何が始まるのか興味もありました。

 タルートリーは、イラストで見たように、ザンの足を持ち上げて押さえました。ザンの桃色に染まっているお尻が浮きます。彼からは、ちょっぴり不安そうなザンの表情と、悪いお尻が良く見えました。『こんな効果もあったとは。』いつもは顔なんて見えません。

「この姿勢なら、痛がっているお前の顔も良く見える。」

 またお尻叩きを再開しました。ザンは、平気そうにしていても、本当は痛がっていたのだと分かりました。最初はそれを楽しんでいましたが、なんだかそのうちザンが自分の性癖を理解して我慢してくれているのに、楽しんでいる自分がとんでもなく利己的に思えてきました。

 いつもならもっともっとお尻が真っ赤になるまでぶつくらいザンが悪い子なのに、良い人のルトーちゃんは、お仕置きをお終いにして、ザンに謝りました。

「わたしはどうしてこう…。」

 自己評価が低いルトーちゃんにザンはため息をつきました。そりゃ痛い思いをしている自分をいつまでも楽しまれるのは気分が良くないけど、だからってすぐ落ち込むのはどうかと思うと。でも、これが愛する夫ルトーちゃんなのです。ザンは、呆れているのを悟られないように優しく微笑みました。

「こんなちょっとのお仕置きで済むなら、いくらでも悪くなれるよ。甘い夫を持って、わたしはほんと、運が良いよ。」

 意地悪な言葉にある愛に、ルトーちゃんは甘えて言いました。

「誰がもう終わりだと言ったのだ。仕置きはこれからだぞっ。」

 二人はラブラブなのです。子供達は半ば呆れて見ていました。

 

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