アスター国の王4 途中

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 タルートリーと暫く一緒に過ごして分かったこと。
 1つ目、彼はプライドが物凄く高い。初日に、夜に寂しかったらすぐに会いに行く……の発言で烈火のごとく怒ったのがいい例だ。
 2つ目、努力家である。彼は、少年王であることから軽く見られがちで、その高いプライドをいたく傷つけられているわけだが、見返してやるとばかりに勉強する。王だから遊ぶ暇などと言っていたのは、ジャディナーの所為ではなく、王の名に恥じないために彼が寸暇を惜しんで勉強しているからだ。
 3つ目、それゆえに弱い人間を理解できない。彼はたった6歳の時から優しく守る者もなく、一人で王として生きてきた。努力を惜しまなかった。そんな幼い自分でもこれほど出来るのに、何故、大人であるお前達が……というわけ。
「うーん……。問題は3つ目ですよね。」
 プライドが高い。これは付き合う上では厄介だが、王族なんだから当然だろう。むしろ、低い方が問題だ。努力家。これは長所だ。頑張り過ぎてるきらいはあるが、養育係である自分が適度な息抜きを覚えさせればいい。「戦時ならともかく、平和な国で心の強さを求めても……。
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