ユニレンジャーV3(3D)
「敵の宇宙空母から、新たに数機の戦闘艇が発進した模様です」
レーダーを担当するオペレータの声は、シャド司令室に並んだ参謀に動揺を与えた。
この機に乗じて、一気に侵入してくるとは思わなかったのだ。
「数機とはどういう事だ。はっきりした数が分からないのか!」
「は、はい。一番近い偵察衛星が破壊されておりますので・・」
キリヤマの怒声に、オペレータが怯えたように答えた。
続いて、通信担当のオペレータが、キリヤマに報告する。
「キリヤマ長官。ユニブルーから連絡が入りました。
敵機を3機撃墜するも、ユニイエローの捜索は断念するとの事です」
「分かった。もういい。帰還させろ」
キリヤマの命令にフルハシが食ってかかった。
「もういいとはどういう事です!」
「ユニブルー1人では何もできんだろ!
ユニレンジャーは解散だ」
「しかし!!」
だが、キリヤマはフルハシの反論を拒否するように、アマギに向き直った。
「それよりも、アマギ!
メガビーム砲は発射できるのか」
「は、はい。ただ、まだ問題点の改良が・・」
「かまわん。敵の宇宙空母を撃墜しろ。
少々の犠牲はやむを得ない」
「はい」
キリヤマの気迫に圧倒されたかのように、アマギがメガビーム砲の
コントロールパネルに向かう。
「待て、アマギ。
お前、自分のやろうとしている事が分かっているのか!」
「やめろ、フルハシ。
今はこれしか方法はないんだ」
アマギを制止しようとするフルハシが、キリヤマやソガともみ合いになる。
その間に、メガビーム砲の発射スイッチが押された。
発射の振動が司令室にも伝わってくる。
その瞬間、フルハシは身体から力が抜けたように、机にもたれかかった。
「キリヤマ長官。あなたは間違っている」
フルハシはそう言い残すと、司令室を出て行った。