「よし、行こう!」
RYOは覚悟を決め、虎仮面に続いて地下工場に入った。
「おっ、婆さんも来とったんか。
まるで老婆と孫やな」
「さすがに阪神ファンだけあって、ストーブリーグのシーズンだけは賑やかだな。
おやっ、ユニレンジャーも一緒なのか」
「フン。こいつはオマケみたいなモンや」
睨み合う虎仮面とメデューサ。
一方、RYOもシオンと対峙していた。
「シオン、考え直してくれ。
君が30世紀を守りたいように、僕も今の時代を守りたいんだ」
「分かって下さい、ユニレンジャーさん。
人類は戦争を教訓として、少しずつですが平和への道を歩んできました。
これが最後の試練なんです。
永遠の平和に辿り着く為には、産みの苦しみが必要なんです」
「今まではそうだったかも知れない。
だが、21世紀の人類を信じてもらえないだろうか。
必ず戦争をしなくても平和な世界を作ってみせる」
「どうやってそれを保証してくれますか?。
何の保証もなしに、ただの口約束だけで数千兆の人命を
危険にさらすわけにはいきません」
「時代を変えねばいかんのだよ、ユニレンジャー」
メデューサも話に加わる。
「ユーゴの内戦には大国が軍事力を行使した。
だが、ルワンダは見捨てられた。
大国は『国益に関係なければ、出兵はしない』と豪語している。
彼らにとっては、戦争もまた投資に過ぎないのだ。
そういう社会を変えねばならないと思わないのか」
「婆さん。社会科の授業やないんや。
そういう話やったら、あの阪急ファンとしてくれ。
あいつ、社会科の教員免許持っとるそうやからな。
あいつも一つだけ、正しい事を言うたで。
正義が勝つんやない、勝ったモンが正義やいうてな。
討論会はこの辺にして、誰が正しいんか、腕ずくで決めようやないか」
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選 択 肢
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