タイガーマスク(4)

 

 ビキニ越しとは言え、イエローデビルに股間を噛みつかれた俺は、

体を海老の様に丸め、股間を両手で押さえながら

「うぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・・」と呻きながら、マットの上を転がり廻ることしか

出来なかった。

俺も今までの対戦相手に色々な反則をしてきたが、相手の股間・・・

まして睾丸にまで噛みつきをした事は無かった・・・・・・・

(「虎の穴」の連中は抹殺する相手の1箇所のみ集中して攻撃して来る・・・・

 っと言うことは俺に対する集中攻撃は男にとって最も大切な股間の急所・・

 そっ、そんなー。ここだけはどんな大男だって鍛え様が無い・・・・・)と

俺が焦りながら、試合の運びを組みなおそうとコーナーロープを掴み立とうと

した時に、イエローデビルのドロップキックを背中にマトモに食らって、

場外へと頭から叩き落され「ぐへえぇぇぇぇ・・・」と喘ぎ声を上げ

場外のマットの上に倒れこんだ。

 

 そんな俺を見たイエローでビルは、トップロープから俺の腰を目掛けて

ニードロップを入れてきた。

「ぐうぅぅぅぅ・・・こ、腰があぁぁぁ・・・・」と俺は仰向きになり

両手で腰に手をあてがった。

イエローデビルは俺のマスクを掴み「タイガーよ。こんな程度で虎の穴の処刑だと

思うなよ〜。処刑はまたまだこれからなんだからなぁー」と不敵に言うと

俺の顔面をコーナーポストにぶつけた。

「ぶつっっはあぁぁ・・・」と俺は呻き後ろに倒れそうになったが、

イエローデビルはもう1度マスクを掴み今度は脳天をポストに叩きつけた。

「ぶっ・・・」と口から吐血し今度は、後頭部から場外のマットの上に倒れこんだ。

 

 俺の口からは泡と血が混ざり、ピンクの泡が出ていて、全身がピクピクと

激しく痙攣していた。

イエローデビルはそんな俺を軽々とリフトアップすると、今度はリングの中に

俺を放りこみ「さぁータイガー。今度はどんな風に料理されたい?」と余裕を

見せ大股開きで俺の前に立った。

 

 イエローデビルはうつ伏せに倒れている俺のマスクを掴もうと中腰になった。

その時、俺は「お返しダー」と奴の股間にストレートパンチを食らわした。

俺のストレートは見事なまでに奴の股間に見事に決まり、俺の拳に奴の玉の

感触が伝わった。

奴は「ぐはぁぁぁ・・・こ、このヤロー・・・」と股間を

押さえこみマットに両膝をついて、足をばたばたとマットの上に叩きつけ

苦しんでいる・・・・・・・。

 

 俺はイエローデビルに「オマエは股間の急所を狙うことしか虎の穴で

教えて貰えなかったのかぁー。それなら俺はオマエに対しては虎の穴で仕込まれた

反則で答えてやるぜー」と言うなり足をバタバタとばたつかせてる奴の両足を

掴むと、素早く奴の体を仰向きにさせ又裂きにしておいて、

奴が「このヤロー・・」と何か言いかけた時に俺の足が再び奴の股間に

突き刺さった・・・・。

「く゛ふうぅぅぅぅぅぅ・・・・・」と喘いでいる。

 

 俺は股間を押さえ喘ぐイエローデビルに対し「さっきオマエが俺に仕掛けた

急所攻めの激痛はこんなものじゃなかったぜぇー。それこれも食らいナー」と言いながら

股間を押さえた奴の手の上からだが、俺の膝を叩きつけた。

それでも、イエローデビルは「くうぅぅぅぅ・・・・」と呻き声を洩らし

股間の激痛に喘いでいる。

 

 俺は奴の両足を掴んだままね今度は奴にジャイアントスイングを決めに掛かり、

俺は奴の足を抱えたまま「それー、それー」と言って奴を回し始め

観客達は一斉にカウントを取り出す・・・・・

「・・・10、 ・・・・11、 ・・・・12 ・・・・・」

観客達にしてみれば、この死闘もただの試合としか受け取っていない。

 

 観客達の数える声が「15」に達した時奴の両足を放し、ロープの方向に

投げ出した。

奴はロープの反動で戻ってきたが、今度はラリアートで再びマットに沈めた。

マットに激しく叩きつけられたイエローデビルは「うぐぅぅぅ・・・」と

呻き体を反らして喘いでいる。

そんな奴を俺は俺はマットから引き起こし「これで終わりだイエローデビル!」

と叫びながらイエローデビルにアルゼンチンを仕掛け奴の身体をグイグイと締め上げた。

 

 イエローデビルは不様に身体を弓なりに反らせ、俺が締め上げるたびに

奴の口からは「ぐうぅぅぅ・・」と呻き喘ぐ声が漏れてくる

俺は(もう、これで決まりだなぁ!)と思い、俺の右肩上で呻く奴の方に

顔を向け「イエローデビルよ!ギブアップか?」と奴に問い掛けた。

 

 その時、締め上げていた俺の技が少し緩んだ。

 

 イエローデビルはその瞬間を見逃さなかった!!!!

 

 イエローデビルは技が緩んだ瞬間、素早く俺の頭上からエルボーを叩きこみ

バランスを崩した俺は奴に掛けていたアルゼンチンを解いてしまった。

奴は苦しい呼吸をしながら俺にヘッドロックをし、「今度は俺の番だぜェ〜」

と言いながらサミングで俺の両目を突こうとして、Vの字になった奴の指が

迫ってくるが、ヘッドロックされた俺は逃げ場が無い・・・・・・・・・。