第6話

 

陥落まで後一歩まで追い込んだタロウキラーだが、最後の最後に煮え切らないタロウ。

タロウキラーはタロウの右手をとり、自らの右手を重ねタロウの急所を強く摩擦した。

股間の赤い皮膚の下で、縦方向に突き上げ、その形をますます露わにするタロウの急所。

それを握るように位置するタロウの右手の赤い指先。

しっかりと重ね合わせタロウの指先をリードしていたタロウキラーの指先が止められた。

快楽の中断。

それに合わせ、タロウの臀部の中心に強く押し付けていたタロウキラーの膨らんだ

股間の動きがピタリと止まる。

タロウキラーの硬い股間が、タロウの赤い柔らかな臀部から引き離される。

突然の快感の中断。

静かに重なりあい直立する二つの赤いシルエット。

静寂。

「・・・・・・・・・・。」

(どうだ、タロウ。ここがお前の分岐点だっ。)

 

その時、静かにタロウがゆっくりと尻を突き出し、タロウキラーの膨らんだ股間に、

自らの尻をこすり付けた。

タロウが堕ちた瞬間だった。

それを合図に、再びタロウキラーはその右手で、タロウの右手を優しく包み握りしめる。

(よくやった。タロウ。)

通い合う二人の快楽。

一体となる興奮。

繋がった心。

折れた正義の力。

 

タロウは快感に身をよじりながら、小さな声で呟いた。

「ホーンロック 解除っ・・・・・。」

タロウの2本の角の付け根から閃光が発せられ、瞬時にその閃光が引いていく。

閃光が引いていった部分に、今までなかった1本の薄っすらとした亀裂が角の

付け根をぐるりと取り巻く。

ウルトラ直系の証であるウルトラホーンのロックが解除され、角が分離される。

 

「タロウ、俺は手伝ってやれない。自ら解放するのだ。」

やさしく、身体をタロウから離す、タロウキラー。

一人直立したタロウは、ゆっくりと頷いた。

そして、自らの赤い左手で、左の角を握りしめると、それをゆっくりと引きぬいた。

赤い左手に握りしめられる銀色に輝くウルトラホーン。

一方の右手で、右の角を握りしめた。

右角を握りしめた赤いタロウの右手が躊躇し、一瞬止まった。

この最後の一瞬の躊躇を、更なる快楽を待ちわびる欲求が押し流す。

 

赤い右手に握りしめられる銀色に輝くウルトラホーン。

 

タロウの一挙手一投足を、正面に回り込んだタロウキラーが満足げに見つめる。

(それでいいのだっ。タロウ。)

恥ずかしげにうつむき加減だったタロウが正面を向く。

タロウキラーがタロウを見つめ、ゆっくりと頷いた。

(いよいよだ。タロウ。)

タロウがそれに合わせて頷く。