第4話

 

幸太郎の意識の中で、初めて、性の絶頂を感じ取ってしまったウルトラマンタロウ。

タロウは行為の後も、幸太郎の意識の片隅で、強く深くそして、長く喘ぎ続けていた。

完全に幸太郎とシンクロし迎えた自身の絶頂。

それ程に、この性の衝撃はタロウにとって大きかった。

 

ウルトラ直系の後継者であるウルトラマンタロウはその希少性ゆえ、

ウルトラ一族の種馬として育成されようとしており、

それまでの間は性への接近はタブーとされていた。

そして、彼の性の証は、その継承者の証であるウルトラーホーンにより封印されていた。

よって、幸太郎と共に経験したタカシとの交わりの瞬間までは、その種の快楽とは

無縁な存在であったのだ。

そのパンドラの箱をタカシは、見事にこじ開けたのである。

 

少年から青年への過渡期ではなく、青年から大人への過渡期に、

初めて性の快楽を体験したタロウ。

少年から徐々に慣れるのではなく、だいの大人になってからの性の経験。

それに溺れるのは容易かった。

タロウは幸太郎の意識の片隅で、逆に幸太郎に、タカシとの行為をもっともっとと、

その潜在意識を通じて、強く迫り求める様になった。

 

タロウが潜在意識を通じてもとめるがままに、何度も、激しく、幸太郎はタカシに

愛撫を求めた。

 

今日も、タカシのベッドの中で、タカシと幸太郎は愛し合った。

いや、それは同時に、タロウキラーとウルトラマンタロウが愛し合ったことでもあった。

(ふぅ。俺はタカシを通じて、幸太郎、いやウルトラマンタロウを征服した。

 もはや、タロウは俺のこのテクニックには逆らえぬ筈。

 待っていろタロウよ!俺はお前から全てを奪ってやる。

 ウルトラの後継者としての証、そのパワーと、お前の種馬としての種、

 そして、タロウお前自身をなっ。)

 

ウルトラ一族の研究をし尽くしたタロウキラー。

タロウのカラータイマーを破壊し、再構成させる方法も、歴史から学びとっていた。

ウルトラマンエースが、その歴史から消えたように。