洗脳(5)

 

人質を解放するために自らを犠牲にしたスパイダーマン。

マシンベム洗脳獣が姿を変えた醜怪で堅固な電気椅子に囚われ、

両手両足に加え、首と腰までも拘束され、

頭には洗脳用のヘッドギアが嵌められてしまった。

 

「はぁ、はっ はあ、はあぁっ」

マシンベムの発生する微弱な電流刺激で、呼吸が不規則になり鼓動が高まっていく。

(ど、どうしたんだ・・・ これは・一体・・・)

スパイダーマンは次第に股間が熱く滾り、

それを意志の力で抑えることが出来ないことに戸惑いを隠せなかった。

 

マシンベム洗脳獣の変形した椅子に付いたモニターが点灯した。

洗脳獣は、微弱な電流によってコスチュームに包まれたヒーローの逞しい肉体を

官能的な刺激で愛撫するように包み込み、記憶を探っているのだった。

そしてヘッドギアによってスパイダーマンの脳の側頭葉を刺激し、

記憶の奥底から性的快感に強く反応する記憶を読みとっていた。

やがて、モニターにデタラメに映る過去の経験の断片の画像がつながり、

短いがハッキリと映像として再生されるようになった。

 

囚われたスパイダーマンの口から漏れるのは、呻きとも喘ぎとも付かない声だけだった。

「うっ く、くはぁ・・あは ぅ・あぁ・あ・・・」

次第に激しくなる刺激に、思わず喘いでしまったのだ。

(どうしたっていうんだ・・ こんな所で・勃ってしまうなんて・・)

自らの肉体に起こった変化に動揺しながら、

上気した全身をビクビクと震わせるスパイダーマン。

 

性的な刺激を模した電気信号が継続して加えられることにより、

光沢のある青いコスチュームの下では肉棒が勃起し、

その形状を艶やかに露わにしていた。

青い股間には、太く聳り立つ竿と、クッキリと張り出したカリ、

括れまでもがハッキリと陰影を刻んでいる。

 

スパイダーマンの肉体に起こった変化にアマゾネスが目を輝かせた。

「思った通りだ・・・ いや、予想以上に反応を起こすのが早いわね。

 ホホホッ 正義のヒーローは、怒りや憎しみ、苦痛には耐えられても、

 快感には全く抵抗できないようね。

 スパイダーマン用に特別に作った洗脳プログラムは気に入ってもらえたかしら?

 人間の精神の根底にある本能、性欲を呼び起こしているのよ」

「なっ な・ん・・だと・・・」

鉄十字団の狙いに愕然とするスパイダーマン。

「性欲を増幅されれば、どんなに強靱な精神力をもっていようとも、

 男なら必ず昇り詰め、射精への欲望に耐えられずにいずれは屈服するわ。

 お前が肉欲に屈し精を放った時、洗脳が終了するのだ」

「か・快感責めなど・・・ 俺には・通用しな・い・・」

(この程度の快感など抑えてみせる)

 

「さすがは正義の男、言うことだけは立派ね?

 でも本番はこれからよ。

 まだ責めが始まってもいないのに、もうこんなになってるわ。

 情けない姿だと思わないのかしら、スパイダーマン」

嘲笑うアマゾネスが指し示したスパイダーマンの股間では、

ドクドクと脈打つ血管が大きく勃起した竿を這い、

ヒーローの太い肉棒は完全にいきり立ち、その存在を誇示していた。

 

(う・うぅ・・ オレは正義のスパイダーマンだ。

 それなのに・・・敵の目の前でこんな姿を晒すとは・・・

 くそぉ、なんとか・・ こ、堪えるんだ・・)

アマゾネスの言葉によって羞恥心がかき立てられたスパイダーマンは、

勃起していく肉棒を抑えようと集中すればするほど、

自らの置かれている屈辱的な状況を強く意識し、

反対に、恥辱感によって性感が増幅されてしまうのだった。

上気し汗ばんだ筋肉が赤と青のコスチュームに張り付いて

全身の筋肉は筋繊維までがクッキリと浮かび上がり、

大きく隆起した大胸筋に付き出した勃起した乳首が、

スパイダーマンが欲情していることを雄弁に物語っていた。

 

マシンベムの頭部のモニターには、

スパイダーマンのこれまでに経験したセックスの中でも強く快感を感じた記憶が

再生されていた。

「メモリースキャンは終了したようね。

 洗脳獣の愛撫は気に入ってもらえたかしら?」

満足そうに口元を歪ませて笑うアマゾネス。

(く・・ こ、こんなことで・・・)

快感と必死で戦うスパイダーマンは、

目を閉じ、湧き上がってくる官能の記憶を否定しようと試みるものの、

これまで恋人と過ごしたベッドでの快感が生々しく蘇るだけだった。

 

「恋人の佐久間ひとみとのセックスが、そんなに気持ちよかったかしら?」

不意にアマゾネスが言い放った。

心の中を見透かされた様なその言葉に、思わず言葉を漏らしてしまうスパイダーマン。

「なぜ、それを・・」

「フフフッ お前の脳を走査し、性的興奮と結びつく記憶を読みとったのよ。

 マシンベムのモニターには、

 お前とセックスする佐久間ひとみの顔がハッキリと映っているわ!」

「くそぉっ」

(俺の記憶が読み取られてしまったのか・・・)

読み取ったスパイダーマンの記憶を再生するモニターには、

佐久間ひとみが豊満な白い胸を揺らしながら喘ぐ姿が映っていた。

 

「スパイダーマン、お前の正体はやはり山城拓也だったのね?

 これまで山城家の周囲には必ずスパイダーマンが現れたわ。

 だから今回も取材と偽って佐久間ひとみを人質にしたのよ」

アマゾネスがスパイダーマンの理性を抉るように言葉を続けた。

(ひとみを人質にされて捕まっただけでなく、俺の正体まで知られてしまった・・

 どうすればいいんだ・・・)

マスクの下の拓也の素顔が屈辱と焦燥に歪んだ。

 

「洗脳の第一段階は終了したわ。

 お前の快感の記憶を完全に読み取り、性感帯の分析も完了した。

 第二段階、リビドースティミュレーション開始!!

 恋人の前で屈辱的な姿を晒しながら精を放ち、

 鉄十字団の奴隷へと身を堕とすがいい!」

アマゾネスの言葉と共に、電気椅子の背から、

何本ものケーブルが生きているかのようにシュルシュルと伸びた。

ケーブルの先端は吸盤状になっており、

四肢を拘束されたスパイダーマンの内股、脇腹、乳首といった

敏感な箇所に次々に貼り付き、振動しながら電気刺激を開始した。

(な、なんだ・・ この・感触は・・・・)

貼り付いた吸盤はビクンビクンと震え、柔らかい痺れの様な甘い感覚が広がっていく。

 

吸盤が吸着しているのはスパイダーマンの肉体に点在する性感帯だった。

無防備なヒーローの性感帯に貼り付いた吸盤はゾクゾクする快感をもたらし、

とくに乳首への快感責めはスパイダーマンの想像を絶していた。

「ぉ・あぁ・・ はぁ、は・ああ・・・」

(あぁ・・・ こ・これは・・・)

鍛えられ大きく張りだした大胸筋が、

吸盤電極からの刺激にあわせてピクピクと震えながら悶えていた。

固く突き出した乳首に貼り付く電極は、

不規則な電気刺激によってヒーローの隆起する胸を揉みしだき、

勃起した乳首を舐め抓るような感覚をもたらした。

性感帯への刺激により、股間の勃起は勢いを増し、更なる刺激を求めていきり立った。

四肢からの微弱な電気刺激と、全身の性感帯への物理的な刺激によって

スパイダーマンは追い詰められていく。

電極を嵌められた頭を僅かに揺すり、快感と興奮を抑えようとするものの、

欲情した肉体は性感刺激を全て受け入れ悦びに震えていた。

「う・あぁ・・は・・ぁ・ぁ・・・」

全身を拘束されたスパイダーマンは、

性感帯への責めに対してただ喘ぎながら耐えるしかなかった。

 

(こ、このままでは・・ すぐにイッてしまう・・・

 我慢・する・・んだ・・・)

マスクの下で目を閉じたスパイダーマンは、

快感から逃れるために全く異なったことに意識を集中しようとする。

しかし、その行動をマシンベム洗脳獣は狙っていたのだ。

マシンベムは、スパイダーマンの頭部にセットした電極へ

特殊な周波数の電波を流し始めた。

洗脳の最初のステップのメモリースキャンによって読み取った

過去の性体験の記憶を増幅して呼び覚ますための信号を送っているのだった。

 

スパイダーマンの脳裏に過去の記憶が鮮やかに蘇った。

薄暗いホテルのベッドの上、佐久間ひとみが全裸になって艶やかな肢体を晒す姿、

騎上位で豊かな胸を揺らしながら腰をくねらせる姿、

ベッドに仰向けに横たわる拓也の、広げた脚の間で勃起したペニスをしゃぶる姿、

かつて経験した極上の官能の記憶が次々と目の前に表れては消え、

生々しい官能の記憶が再生されていく。

肉棒をひとみのヴァギナに扱かれ、舌で舐め上げられる感覚までもが蘇る。

山城拓也=スパイダーマンは興奮の渦へと飲み込まれてしまった。

 

目を閉じたことで、快感から逃れるどころか妄想が次々と湧き起こり、

股間で震えながら屹立する肉棒は、一段と大きさを増し、更なる刺激を待ちわびていた。

 

(こ・・これは・本物のひとみじゃないっ

 全て・・・鉄十字団の・・・罠だ・・・)

頭をよぎる妄想を必死で否定する様に自らに言い聞かせ、

スパイダーマンの理性は欲望を抑えようとするのだが、

抑制しようとすればするほど、ますます妄想は膨れ上がり、

理性とは裏腹に肉体は欲情し勃起は激しく猛り狂っていた。

薄いコスチュームを突き破らんかの勢いで突き上げるスパイダーマンの肉棒を

嘲笑うアマゾネス。

「フフッ ずいぶんと頑張るのね? スパイダーマン。

 さすがに、愛する恋人の前ではそう簡単にイクわけにはいかないわね。

 いいわ、前戯はこれでお終いよ」

アマゾネスの言葉が、スパイダーマンの意識を弄んだ。

(な・・なんだって・・・ こ、これが前戯だと? くそっ)

囚われたヒーローは、声にならない絶望の呻きを漏らすのだった。