made in サロメ

第2話


 無人の惑星に突然現れた敵のアジトと思われる地下空間。

 単身、調査のために潜入するエース。

 忍び込む前に放ったウルトラサインは何者かの手によって妨害され、

光の国へは届いていなかった。

エース「やはり、ここは製造工場と考えてよさそうだな・・・えぇ?そう・・だろっ!」

ニセエース「侵入者・・発見!侵入っ・・・がががががが・・・」

ニセエース「抹殺します!抹っ・・ぎぎぎぎぎっ・・・・」

エース「お前らのおかげで証拠が掴めたぜ」

 地下空間にもやはり待ち構えていたニセエース。

 狭い通路では囲まれることもなく、確実に1体1体をしとめ先を進む。

 簡単に手に入った証拠、妨害のために放たれたロボットも容易く倒せたことで

エースの心に一瞬の油断が生じていた・・・。

 その瞬間的な弱点をアジトの主は見逃さなかった。

 狭い通路を力強く走り抜け、暗い通路から目も眩むほどの明るい空間へ飛び出した。

エース「・・・っ?!・・・なんだ・・ここは?」

謎の声「あなたを捕らえるための空間ですよ」

ガシンっ!ガシンっ!

シュゥゥゥゥゥゥゥ・・・・バチッ!

バチッ!バチチ!

エース「し、しまった?!罠か!卑怯だぞ、サロメ星人!」

サロメ星人「卑怯?自分で勝手に向かってきたのはあなたでしょう?」

エース「正々堂々・・・た、戦え・・(やはり冷凍ガスか・・・)」

 エースの走りこんだ空間・・・そこはサロメ星人が用意した処刑室だった。

 進路も退路も頑丈な扉に閉ざされ、完全な隔離状態。

 さらに、部屋の壁一面から噴出す白いガス・・・

それはウルトラ戦士の苦手な冷凍ガスだった。

 天井では紫色の電撃がほとばしっている・・・。

 どこにいるともわからないサロメ星人に怒鳴るエースだったが、

その体はすでにうっすら白く染まりだし、小刻みに震えているようにも見えた。

エース「こ、こんな部屋・・はぁ・・はぁ・・・見てろ!メタリウム・・・」

 大きく腕を振りかぶり必殺の光線を放とうとした瞬間!

ビリビリビリビリ!バリバリバリバリバリバリ!

 天井から紫電が降り注ぎエースの全身を貫いた!

 その瞬間、雷の通過した両足は簡単に地面に膝をつき、

腕はダランとぶら下がり光線は不発に終わってしまったのである。

エース「んぐぅぅぅっ・・・な、なにを・・・・し、した・・」

 脱力したまま立ち上がれず、両足が冷気の餌食になり動かなくなるエース。

 ピコン・・ピコン・・・・ピコン・・・・・・・ピコン・・・・・・

 戦いだしたばかり、それに冷気の影響もそこまで大きくない状態にも関わらず

タイマーがすでにゆっくりと点滅しているのだ。

サロメ星人「不思議ですか?この紫電・・これはアンチメタリウムエネルギーなんですよ」

エース「な、なに・・・」

サロメ星人「あなたの体にあるメタリウムエネルギーを相殺・消滅させるエネルギー・・もうおわかりでしょう?」

エース「な・・・るほど・・・・」

 息も絶え絶えに疑問が解けたエースだったが、

すでに体には打開のためのエネルギーは残されていなかった。

 四つんばいになり肩で息をし、その両腕もついに動かなくなってしまったのだ。

サロメ星人「では、おやすみなさい・・・エース」

バリバリバリバリバリバリ!

エース「んぐわぁぁぁぁぁぁぁっ・・・ぁぁぁっ・・・っ・・・・」

ピコン・・・・・・・・

ピコン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ピィィィィ・・・・

 四つんばいで動くことさえ出来ないエースに容赦なく紫電が襲い掛かる!。

 体の隅々まで電撃がほとばしると、タイマーのある背中に極太のエネルギーが降り注いだ。

 その電撃が通り抜けるとタイマーは消え、瞳も沈黙し、

冷気のガスの漂う床へと沈んでしまったのである。

 冷気の海に身を沈める沈黙したエースに反撃のチャンスを奪うため、

頭の先から足の先まで紫電が再度照射され、処刑は終了した。

サロメ星人「ふふふふふ・・・これであなたは終わりです・・・・

       ふははははははは・・・・・」