第1話
エース「くそっ、倒しても倒しても・・・きりがない」
四方八方から迫り来る攻撃をかわしながら、メタリウム光線をはじめとする
得意の光線技で敵をなぎたおしていくウルトラ兄弟の5番目:ウルトラマンエース。
幾多の超獣から地球を守ったエースが今、苦戦を強いられているのは
自らと似た体を持つニセウルトラマンエースだった。
サロメ星人の作り上げたウルトラ兄弟を模したロボット兵器なのだ。
その完成度の高さは初めて作り出されたニセウルトラセブンで証明されていた。
セブンのカプセル怪獣のアギラが困惑してしまうほどなのである。
しかし、そんな自らのコピーに囲まれても屈するウルトラ兄弟ではなかった。
幸いにも偽者達は同じ区域に集まって現れたために、
光の国のウルトラ警備隊は「困惑し、同士討ちしないため」の対応として
自らのコピーの出現区域にそれぞれが赴き、殲滅することとなり、
こうして今、エースの手によってニセエースが破壊されているのだった。
エース「はぁ・・はぁ・・・や、やっと全滅かぁ・・・・・」
雑兵と違い、1体1体が強固なボディーをもっているために光線技を組み合わせて
ようやく倒すことが出来た。
辺りには粉砕したロボットの山が出来上がっている。
破壊し残しがないのか辺りを警戒しながら探るエースの目におかしな光景が飛び込んできた。
エース「(階段?星の地下に?)」
無人の惑星だった戦場に突如、現れた地下への階段・・・・。
特定の区域にだけ集中して現れるニセのロボット。
サロメ星人のロボット製造工場がそこにはある・・・エースはそう確信した。
(サロメ星人のロボット製造拠点と思われる場所を発見!先行調査を行う)
宇宙空間に向けてウルトラサインを放ち、気配を消して階段を下りていくエース。
ビビビビビビビビビビビ・・・パァァァァァッ
エースが光の国に向けて放ったウルトラサインがどこからともなく放たれた
虹色の光にかき消されてしまった。
そうとは知らず、敵のアジトを進んでいくエース・・・。
その入り口が、今はもう閉じてしまっていることを彼は知らない。