策略(6)

 

臨界点を超えた快感に、股間を突き上げる欲望を堪えきれずに、

いよいよ限界を迎えたロビン。

(ぁ・ぁ・・・ もっ もう・・ イ・・ イク・・・)

肉棒の先端は先走りをダクダクと漏らし始めた。

 

だが、ロビンがイキそうになるのを見越したかのように、

ハーレイは両手を股間から離した。

ロビンは、絶頂まであと一歩という所で外部からの刺激を失い射精には至らなかった。

(??・?・・な?・・)

快感の中に、目的を遂げることが出来なかった事への

疑問と困惑の表情を浮かべるロビンを見て、

ニヤッと笑いながらお互いの顔を見つめて頷くハーレイとジョーカー。

表面がオイルでテカテカに光る白いビキニは裏側からは先走りが滲み、

半透明が一段と透明に近付いていた。

カメラが股間をクローズアップし、

背後のスクリーンにロビンの透けたビキニが映っている。

 

ハーレイは、繊細な指を股間から臍の窪みへと滑らせ、

ロビンの6個に割れた腹直筋の谷間をなぞりながら

隆起する大胸筋を撫で回しながら顔を胸に近づけると、

薄紅色に固く勃起した乳首をペロペロと舐めた。

「はぁっ あ、あぁっ や、やめ・・」

股間からの刺激が止み、理性を取り戻しつつあったロビンだったが、

新たに開始された責めに再び喘ぎ、仰け反ってしまう。

直接的な射精感からは解放されたものの、点在する性感帯を弄ばれ、

全身からの快感が必死で抵抗するロビンを責め立てていた。

(く、くそっ が・・・我慢・・するんだ! 奴らの思い通りに・・・なるもんかっ!)

歯を食いしばり、懸命に快感と闘うロビン。

 

横たわる若者の表情を見下ろしながら、ハーレイは更に残酷に責めていく。

「あんまり我慢すると体に悪いわよ!

 じゃあ、お姉さんと勝負しよっか? どこまで我慢できるかな?

 もっともっと気持ちよくしてあ・げ・る!」

ハーレイは、調理台の上にズラリと並んだ様々な種類の調味料の瓶の中から、

ジョーカーのマークが付いた小瓶を手に取ると、

トロトロとした滑る液体を、ロビンの首筋に、胸に、腹に塗り込んでいく。

冷たさと暖かさが入り交じった感触がみるみる全身に広がっていく。

(な、なんだ・・ こ、こんな・・・)

全身からねっとりと広がる快感の波動が、波紋のように肉体を包み込んでいた。

塗り広げられたローションに含まれる即効性の催淫成分が経皮吸収され、

血流に乗って瞬く間に全身へと拡散していく。

次第に鼓動は早く脈打ち、敏感になっている肉体の感度が更に上がり始めた。

体にハーレイの指が触るだけで、こんなにも感じ、

快感が高まるとはロビンには信じられなかった。

「はぁっ あ・・あぁぁぁ・・ ああぁぁっ・・・」

「うふっ

 このジョーカー印のローションはね、催淫剤なの。

 どう? 最高に気持ちいいでしょ?」

(な、なんだって!? あはっ あ・・・)

ハーレイに乳首を弄くられ、強烈な快感に見舞われるロビン。

荒く息をつきながら顔は上気して全身から汗が噴き出した。

オイルとローションでテラテラと光る肉体が、

汗にまみれて一際淫乱に悶えていた。

 

「どうかな? ロビンちゃん。

 大勢に見つめられながらイカされるってのもいいもんだろう?」

ジョーカーの言葉に、麻痺した感覚から現実に引きずり戻されたロビン。

(ち、ちくしょう・・・ こっ このままじゃ・・)

捕らえられ、マスク以外のコスチューム全てを剥ぎ取られ、

悪人達が詰めかけたスタジオの中央で敵にイカされそうになるという醜態は、

耐えられないほどの恥辱と精神的な苦痛をヒーロー、ロビンにもたらした。

しかも、この会場に詰めかけたギャング達に見られているだけではなく、

生中継の番組を通して全米の一般家庭に放送されているのだ。

抵抗を試みようとしても、倦怠感に襲われた体は思うように動かず、

それどころか、逆に肉体は解放を求めて高まり、精神もその奴隷に過ぎなかった。

衆目の中で屈辱的な状況に置かれ、恥ずかしい姿を晒しているという事実すら、

ロビンの中で震える程に怖い様な快感に変貌を遂げつつあった。

 

股間への刺激は止んでいたにもかかわらず、

精神的にも肉体的にも、

全身に絡みつく粘つく様な快感の虜になってしまったロビン。

苦痛と恥辱、欲望と快感が織りなす残酷で甘美な気怠い快楽により、

現実は意味を失い、勃起はこれまでにないぐらいに固く屹立していた。

快感に痺れる肉体は既に抵抗を止め、欲情して火照った体の体温は上昇し、

半開きになった口からは涎を垂らし、

マスクの下の潤んだ濁った瞳には涙を一杯に溜めていた。

(もう・・ダ・メ・・

 お、俺・・・ ど・うか・・・なっちゃ・い・そう・・・)

 

あまりの快感に正気を失う寸前のロビンの変化を見て取ったハーレイが口を開いた。

「それでは、達人自ら最後の1枚を取り払います!」

その台詞に、客席では大喝采が巻き起こっていた。

拍手が鳴りやんだところで、ジョーカーがロビンと大腿とビキニの隙間に包丁を通す。

冷んやりとした感覚に、僅かに残った意識が覚醒して抵抗を試みた。

(や・・やめろおっ!!)

言葉にならない叫びを上げながら、

拘束された四肢を微かに揺り動かし、新たな羞恥から逃れようとするロビンだったが、

快感の痺れが広がる全身は思うように動かず、ただ歯を食いしばる事しかできない。

「それでは、ご開帳です!」

(そ、そんな・・・ ああ、ブルース・・・ バットマン・・・)

祈るような気持ちのロビン。

 

だが、そんなロビンの願いに対して、逆に肉体は歓迎に身を震わし、

解放を待ち望んでいた。

冷たい現実が、ロビンに残った僅かばかりの防壁を葬り去った。

ビキニと腿の隙間に差し込まれた包丁を、力一杯引くジョーカー。

ジャキッ

最後までロビンの局部を覆っていた白いビキニが切り取られた。

切られた勢いで、窮屈に押し込められていた勃起した肉棒がブルンッと飛び出した。

綺麗に剥けたサーモンピンク色に彩られた亀頭、

血管が浮かんだ勃起した肉棒が、ロビンの体躯の中心で屹立していた。

「うおおぉぉぉっ!」

客席全体が呻き声を響かせ、会場全体が興奮に揺れた。

そのスタジオの中心で、ロビンはワナワナと体を小刻みに震わせ、

屈辱に耐えながらも興奮に酔っていた。

(うぅ・・・ こ、こんな・・・)

自らの痴態を大勢の人間に見られているという概念が、

羞恥心を煽り尋常でない快感となってロビンの理性を揺さぶっていた。

 

「まあオ・イ・シ・ソ・ウ! さすが、初物は違うわね〜」

ハーレイが、大切な物を初めて見るかのようにゆっくりとロビンの肉棒を扱きながら

催淫剤入りのローションをたっぷりと塗りつけた。

熱くヌルヌルとした感触から、

竿を握るハーレイの指が吸い付くような刺激へと変化していく。

そして、全身を包む快感が一気に充血したペニスに集約された。

 

満面の笑みを浮かべたハーレイは、顔をロビンの股間へとゆっくり近づけていく。

両手を、勃起した竿を支える様に添えると、一段と顔を近寄せる。

真っ赤な唇を舌で舐めて湿らせ、先走りが滲む鈴口に軽く口づけすると、

唇を大きく上下に開き、ざらついた舌で肉棒を舐め始めた。

 

ざらざらと舐め上げられる感覚が竿の根本からじわりと登っていき、

舌先がカリ首の括れから亀頭へと躙り上がった瞬間、

信じられないほどの感覚がロビンの肉体を突き抜けた。

(ぅ・うあぁぁぁあああぁぁっっ!!)

その時、ロビンの頭は真っ白になった。

最後の理性までもが消し飛んだロビンは、欲望に忠実な唯の一匹の雄だった。

快楽の渦に完全に飲み込まれた全身を震わせながら、

舐められる肉棒からの快感を貪るロビン。

自らの醜態を大勢の人間の前に晒しているという屈辱的な状況すら、

今のロビンには欲情する要因に過ぎなかった。

 

舐めるのを止めたハーレイは尚も舞台の中央で磔にされたロビンの肉棒を弄び、

扱かれる繰り返しに合わせ、ロビン自身も腰を動かしていた。

クチュクチュという淫靡な音が、マイクを通じてスタジオ中に響いていた。

「はぁっ はぁっ はあぁっ」

荒い呼吸とともに、四肢を拘束するバンドを引きちぎらんばかりに腰を上下し、

絶頂へ向けて上り詰めるロビン。

 

ハーレイにヌルヌルと扱かれ、

股間で蠢くロビンの肉棒はヌチャヌチャと音を立てている。

亀頭の頂上からはトロトロとした先走りが糸を引きながら滴り落ち、

いよいよ極限へと登り詰めた。

「あぁっ い、いく・・ イク〜ッ!」

ハーレイの扱きに合わせていたロビンの腰の動きが一瞬止まり、

ピンク色を通り越し、真っ赤に充血した肉棒の先端から、

白濁した精液が堰を切ったように凄い勢いで迸った。

ドピュッ ドォピュ ドピュゥッ

吹き上がった乳白色の粘液は、

ロビンの顔面、大胸筋、腹直筋にかかる程に吹き出した。

 

射精した後も固く勃起する肉棒を、尚もハーレイは扱き続け、

抵抗を止め快感の虜となったロビンをイカせ続けた。

ペニスの先端から熱く滾る精液が迸る度に、

ボコボコに割れるまでに締まった腹筋が、

筋肉の膨らみを強調しながら精液を絞り出すように上下する。

客席を埋め尽くした異様な熱気に包まれた観客が見つめる中、

ステージでは、若きヒーローが恥辱に塗れながら射精し続けるという

阿鼻叫喚ともいえる性の饗宴が繰り広げられていた。

舞台の中央で、全裸にアイマスクのみの姿のロビンが、

逞しい全身を白濁液塗れにしながら悶えていた。

 

続けざまに8回もイカされると、さすがにロビンの肉棒も勢いを失った。

「はぁっ はぁっ はぁっ」

責めからは解放されたものの、グッタリとし、全身を覆い尽くす倦怠感に、

何も考えられず、ただ快感の余韻に浸ることしか出来なかった。

 

ロビンは、その鍛えられた筋肉の浮かぶ上半身が、

自らの精液に塗れ、白濁液がヌルヌルと覆い、汚されていた。

ジョーカーが高らかに宣言した。

「『若鶏のジョーカー風』の完成です!」

大音響の効果音と共に、ステージ後方のスクリーンにロビンが大写しにされた。

そこにいるのは、正義のヒーローではなく、

テラテラと光を映す白濁した精液に塗れたロビンだった。

 

客席は大歓声に包まれ、全員が総立ちでロビンのあられもない姿に拍手喝采をしていた。

「いいぞっ!! 変態野郎!」

「ザマァ見ろだ!」

歓声に混じって、ロビンを蔑む叫びが飛び交っていた。

焦点の合わない目で、ぼうっと天井のライトを見つめるロビンの意識の彼方で、

正義のヒーローを蔑むような野次が飛び交っている。

放心状態のロビンだったが、快感が消失し始めると同時に、

周りからの屈辱的な言葉を理解し始めた。

 

「それでは最後のデザートとして、

 我々の淫乱なヒーロー、ロビンの正体を明かす時がやってきました」

快感の嵐が去り、精も根も尽き果て、意識が朦朧とするロビンだったが、

ジョーカーのその言葉で正気を取り戻した。

ぼやけた目の焦点を合わせると、

ジョーカーがその手をロビンのアイマスクに伸ばそうとしていた。

 

ロビンに残された最後の砦、マスクを剥ぎ取られれば、

ひた隠しにしてきた正体が世間に晒されてしまう。

それだけは絶対に避けなければならないことだった。

しかも、敵に捕らえられ、

身ぐるみ剥がされた上にイカされるという醜態を演じた直後であれば尚更だった。

 

客席は静まりかえり、固唾をのんで展開を見守っている。

ついにジョーカーの両手がロビンのアイマスクにかけられた。