特撮小説「リュー・ナイト」(第二部・第8話)

 

一方、井ノ原は、ミサによって薬物で正気にもどされていた。

しかし、彼には一段と過酷な処刑が待っていた。

そんなことも知らない井ノ原の目の前には、あのジャッカルがいた。

そして、一台の映写機からは、映像が流れた。

それは、井ノ原が先ほどまでしていた智之との行為だった。

井ノ原は、目を疑った。

微笑むジャッカルは言った。

「レッド、こんなことやってたんだねー。この友達も感じてんじゃない?」

井ノ原は何も言えなかった。

もはや、何も抵抗できなかった。

井ノ原は、ジャッカルの手下たちに、十字架に貼り付けにされた。

もちろん、ただの十字架のはずが無かった。

手足はしっかりと固定され、井ノ原専用に計算され尽くされた、その十字架は、尻には、井ノ原を感知し、

人工生命体の触手が肛門の奥深くにスーツを貫いて入り込み、腸の内面と前立腺を刺激していた。

尻の溝には、一本の触手がスーツの上から、忙しく擦りあげている。

尻の筋肉には、電極が左右一本づつ差し込まれ、二秒に一回、100V以上の電圧の刺激がかけられていた。

もちろん、そのたびに井ノ原の尻は、ひきしまり、食いしばっていた。

しかし、このようなありふれた処刑以外に、ジャッカルには隠しだまがあった。

スーツを切り裂くのに、今までのようにナイフを用いるのではなく、スーツ装着者自身の因子で

スーツを脱がせる方法を開発していた。

装着者自身の因子とは、井ノ原というスーツの中を叩き潰すことで

スーツが井ノ原に装着していられなくすることである。

そのための兵器は井ノ原のデータを全て結集したもので、井ノ原の勃起時のペニスの長さ、硬度は当然のこと、

ペニスの毛細血管、神経組織、海綿体への血管走行などを解析し、DNAレベルからも、

井ノ原の持つ射精に対する感受性を最高レベルにする環境を割り出し、高次脳機能も加えた結果、

変身中の井ノ原のペニスに、神経・血管をミクロレベルで制御するキャップを装着し、電子レベルで刺激を与え、

100tの吸引圧を0.16秒で井ノ原のペニスの尿道口にかけることで、井ノ原の全精子、全精子源細胞まで吸引され、

一瞬のうちに変身が解除され、戦闘能力も解除できるものであった。

井ノ原は、貼り付けにされ、後からの執拗な攻撃以上に、勃起した自分のペニスの尿道口上に、かぶせられた、

いまは何もしていないキャップにおびえていた。

その能力を追求した結果、全宇宙の科学技術を結集した結果、そのキャップの接続されている、

その井ノ原抹殺兵器本体の大きさは、10階建てのビルほどの大きさだった。

さすがに、自分のペニスに10階建ての機械が接続されていれば、智之とのことで、落ち込む井ノ原も、

恐ろしくなり始めていた。

ひきしまった顔、少し大ぶりな唇、その逞しい首筋、肉体の露出はそこまでだった。

あとは、レッドの光沢抜群のつるつるした合成繊維で包まれていた、もちろんただの合成繊維ではない。

井ノ原の身体能力を最大限まで高め、まもる、井ノ原がヒーローであることの証のスーツ。

スーツは、井ノ原の大胸筋を包み、目を凝らせば乳首の隆起が確認できるほどに薄い。

さわり心地は、シルク以上になめらかで、競泳パンツ以上に薄い。

しかし、同時にひきしまった、割れた腹筋の縦横両方の線さえもわかるほどの密着性も持ち合わせている。

脂肪が少ない井ノ原のほとんど筋肉だけの尻の隆起は、溝まで食い込むスーツのためか、

恐ろしいまでに、美しかった。

そして、ペニスはしっかりと上を向いた状態でスーツは装着され、精嚢もしっかりと固定されていた。

固定のために、スーツはその部分を一段と密着させていたため、ペニスは勃起しなくても、

はっきりペニスと陰嚢を区別できるようになっていた。

さらには、ローマ彫刻のような太もも、しかしふと過ぎないヒーローの脚線美、井ノ原はそんな姿で戦っていた。

そして、いま、十字架に貼り付けられていた。

ただ、異なるのは、普段以上にペニスの隆起は増加し、そのせいか、血管、亀頭など

井ノ原の性器のパーツははっきりと、スーツの上からでもわかるようになっているという点だけだった。

白衣の研究員たちが、忙しそうに装置の調整を行っていた。

井ノ原のおびえる姿を楽しそうに見つめるジャッカルがいた。

「準備、完了しました。」

白衣の一人が言った。

それに対して、いよいよだというように、ジャッカルがぽつりと言った。

「ガードレンジャー、レッド・・・

 一体何がおこるかわかるか?

我々も知らない未知の実験だよ。身をもって教えてよ。」