薔薇十字団(4)

 

 

慌てて後ろを振り返るスパイダーマン。そこには十字架から開放され、スパイダーマンの

首に腕を絡めてグイグイと締め上げる、恋人ひとみの姿があった。

「何をするんだ!?」

狼狽するスパイダーマンを尻目に、ひとみは素早く腕を絡めてスパイダーマンの左肩の関

節を決める。

「ぐあぁぁぁ!」

 

(し、しまった!)

唯一の武器であるブレスレットをはめている左腕の自由を奪われ、激しく狼狽するスパイ

ダーマン。

何とか自由になる右腕で、自分の首に回された腕を引き剥がそうとする。

「やめろ、何をするんだ!?」

スパイダーマンが叫ぶも、ひとみは無反応どころか、さらに強くスパイダーマンを締め上

げる!

 

「ぐぉぉぉ、、、」

尋常とは思えぬ力で、首と肩を締め上げられ、思わずうめき声をあげるスパイダーマン。

体が痺れているとはいえ、女の腕力など問題になるはずも無いスピダーマンだが、ひとみ

の力は万全の体調のスパイダーマンすら凌駕するほどの力であった!

無表情のままに、なす術の無いスパイダーマンをギリギリと締め上げていく、、、。

 

「くっあぁぁ、、、ぁぁ、、、」

首に回された腕がスピダーマンの意識を奪おうとする一方で、関節技に決めた肩から強烈

な痛みを与え、スパイダーマンの意識を嫌でも覚醒させていく、、、。

「ぬあぁぁ、、、ふぎゃぁぁぁ、、、!、、あぁ、、、ぁ、、、」

ひとみは巧みに両腕の力を調節し、スパイダーマンが落ちそうになると肩への激痛を、意

識がはっきりすると再び首に回した腕に力を込める。

それを繰り返す事で、失神する事を許さずにスパイダーマンをいたぶり続けた。

 

もはや、スパイダーマンは悲鳴を上げることしか出来ずに、自由なはずの右腕も力なくだ

らりと垂れ下がるだけである。

「きゃはははは。あなた弱すぎー!でも、このお薬飲めば多少はつよくなるのかなぁ?」

ダリアはそう言うと、岩に座ったままどこからか取り出したアマゾネスの毒の解毒剤を手

でもてあそんだ。

 

ダリアの挑発と圧倒的なまでの実力に翻弄され、自身の体調を考慮する余裕など無かった

が、ダリアの挑発でその事を思い起こさせられたスパイダーマンは、体内の毒が一気にそ

の威力を増したような錯覚に襲われた。

「あ、ああ、、、」

失いかけている意識の中で、無意識のうちに薬ビンを求めるかのように右腕を伸ばすスパ

イダーマン。

 

と、同時にひとみが左肩を締め上げ激痛によってスパイダーマンを覚醒させる!

「ふごぁ!!」

痛みによって全身を硬直させ、無様な悲鳴を上げるスパイダーマン。

伸ばした右腕はむなしく空中で痙攣する。

「キャハハ!『ふごぉ』だって!カッコ悪いっ。そんなに欲しいんならぁ、ココまで取り

に来なよぉ」

ダリアはそう言うと、解毒剤の小ビンを足元にそっと置いた。

 

「くそ、、っ」

スパイダーマンの体内を怒りが駆け巡るより早く、毒のもう一つの効果がより強烈に猛威

を振るったのである!

「っぉぉ、、、ぉあああぁぁ〜あぁ!」

アマゾネスの毒は今までの数倍の威力を持ってスパイダーマンの細胞の全てを欲情の炎で

焼き尽くした、、、。

 

(ど、どうしたんだ体が熱い、、、こんな時にいったい、、、このままじゃ、アソコが、、、)

欲情の炎で全身を炙られたスパイダーマンはマスクの下の素顔に苦悶の表情を浮かべ、熱

い吐息を漏らした。

「はぁ?こんな時になにやってんのぅ?」

ダリアはスパイダーマンの体調の変化を敏感に察知して、ニヤついた笑みを浮かべながら

挑発してくる。

「な、なんでもな、、、い」

欲情の波に翻弄されるスパイダーマンは何とも気の抜けた返事し、自分の意思に反し、膨

らみつつある股間を静めようと、必死に意識を集中さた。

 

「何でもないなら、もっと近くでよく見せてよ」

ダリアがそう言うと、ひとみはスパイダーマンを抱えたままダリアに近づいていく。

「や、やめろぅ、、」

スパイダーマンは狼狽した。近くで見られたら体の変化まで敵の目に曝される事になる。

今の状態ででも充分に屈辱的なのにこれ以上の恥をさらすのは正義のヒーローとして、と

ても耐えられる事ではなかった。

 

だが、恋人であるはずのひとみは無常にも、ダリアのスグそばまでスパイダーマンを抱き

かかえてきてしまった。

「ホントにだいじょうぶぅ?」

ダリアはニヤつきながら、スパイダーマンの体を見回す。

「だいじょうぶだ、、、はぁはぁ」

なんとも間の抜けた会話をする事しかできない、スパイダーマン。

すると、ダリアの視線がある一点で止まった。

 

「なんか、苦しそうでちゅよぉ〜?」

言いながら、ダリアの脚がす〜うっとスパイダーマンに向かって伸びてくる。

「ここが特にwww」

ダリアの脚がスパイダーマンの硬くなりつつある股間を優しく刺激する!

「ぬ、あぁぁぁ〜」

予期せぬ敵の攻撃に嬌声を上げるスパイダーマン、、、。

 

「あはは、正義の味方がなにやってんのぅ?そんな声だしてw」

さらに追い討ちをかける。

「ココ、硬くなってない?」

スパイダーマンを覗き込むように下から媚を含んだ目でのぞき見る。

年齢に似つかわしくないその表情にマスクの下の素顔は思わずつばを飲み込んでいた。

「そ、そんな事、、!、、あぁぁっ!」

 

スパイダーマンが言い終わらないうちに、ダリアのつま先が股間を優しく撫で上げる。

「キャハハハ!感じてんジャン、スパイダーマン!!」

「や、やめろぅ〜」

情けない声を出すスパイダーマン。

「フフッ、いつまでそんなコトいってられるかなぁ〜」

言いながらダリアはブーツを脱ぎ、ラメの入ったオーバーニーのタイツに包まれたつま先

をスパイダーマンの目前に突き出した。

 

「おっぉぉ、、、」

思わず妖しい光沢に包まれたつま先とその先にあるハイレグの股間に目を奪われるスパイ

ダーマン。

「やだぁ、ドコ見てるのよぅ、ウフフ」

そう言いながらも、媚の含んだ目でスパイダーマンを見つめつつ、彼の鼻先でタイツに包

まれた足の指を器用にわさわさと蠢かせる。

「フフ、この指でワサワサされたらどうなっちゃうのかなぁ?」