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ジョーカーの言葉を受けてから再び気の遠くなる様な時間が流れた
その間も休むことなく吸盤はロビンに地獄の苦しみを与え続け
ロビンの股間が乾く事はなかった
キィィィー
ロビンの息づかい以外聞こえないはずの部屋に扉の開く音が聞こえた
ロビン:だ、誰か・・・いる・・・のか?
手下:しっ!静かに!
ロビン:お、お前は・・はぁ・・・はぁ・・・ジョーカーの・・・・
手下:はい、手下です。しかし、大丈夫、今、解放してあげます
ロビン:なっ・・何を言ってる?
手下:あ、あの・・・お、俺、あなたが好き・・・なんです
ロビン:か、からかっているのか?
手下:い、いいえ、こんなところジョーカー様に見つかったら殺されてしまいます
ロビン:・・・・・・
手下:解放する代わりにお願いがあるんですが・・・
ロビン:お願い?
手下:はい、解放する前に私とキスをしていただけないですか?
ロビン:キ、キス?!
手下:そうしてくだされば、あなた様を解放致します
ロビン:・・・・・・わ、わかった
手下の申し出に一瞬躊躇したが、この機会を逃したら逃げるチャンスがなくなってしまうと考え、
不本意であるが手下の申し出を受け入れる事にした
手下:では・・・・
ロビン:んぐっ・・・・・・・・
手下とロビンの熱い口づけは長い時間に渡り行われた
その口づけの後、約束通りにロビンは椅子から解放され、目隠しも取られた
ロビン:こんなことして、お前はこの後どうするんだ?
手下:私のことは気にしないで下さい、それより、さぁ早く
ロビンは手下の言うとおりに部屋の出口から脱出した
しかし、ロビンは長い時間姿勢を変える事も出来ずに椅子に拘束されていたために
体が上手く動かなかった
それに先ほどから体が火照る感じがしてきていたが、
アルフレッドを捜してここを出ようと考えていたのでさほど気にも留めていたなかった
長い通路を自由にならない体を必死に走らせていると、大きな広間に出た
ロビン:くっ・・しまった
ジョーカー:おやおや、コマドリちゃんがカゴから逃げたみたいだよ、ハニー
ハーレー:ダメじゃない、小鳥は大人しくカゴにいないと
ロビン:アルフレッドはどうした?
ジョーカー:あれふれっどぉ?
ハーレー:誰のことかしらねぇ?ダーリン
ロビン:貴様ぁぁぁぁ
ロビンはジョーカーとハーレーの小芝居に我を忘れ、ジョーカーに襲いかかった
ジョーカーの周りにいた手下とハーレーは本来なら守るべきジョーカーから離れ、
ロビンとジョーカーの一騎打ちの状態になった
体の自由の戻っていないロビンの動きはジョーカーに比べたら幾分か遅く、
鈍くキレがなかった
ロビンの必死の攻撃をジョーカーは身軽にかわし、
工場の中の広間の奥へと闘いの場は移動した
ロビン:どうした?攻撃してこないのか?
ジョーカー:君こそ、攻撃はしないのかい?
あっは、失礼、必死に攻撃していたんだねぇ
ロビン:くっ・・くっそぉぉぉぉ・・・・・
ロビンは周りの景色など目にも入らずにただただジョーカーだけを見ながら攻撃を続けた
一方ジョーカーは匠にロビンを誘導してる様にすら見える動きでロビンの攻撃をかわし続けた
気がつくと、二人の周りには化学工場らしい景色が広がっていた
妖しげなベルトコンベアを搭載した機械、大きな木枠に包まれた灰色の液溜